【詩】10年のその先
もう10年
まだ10年
ついた足跡
いつも隣を歩いてた
足跡がひとつ消えた日
ひとり歩いた
歩き続けていると
同じように足跡が消えた人と出会った
もう10年ですね
まだ10年ですよ
力なくほほえむそばで幼子が袖をひく
10年ってどういうこと
目を丸くする
まわりの子どもたちが集まって
みんな同じような瞳で見上げる
暴れぬ海のやわらかさ
折れてなくなった木々はなく
空はどこまでも高く見通せない
もう10年
まだ10年
答えのないことにしびれをきらし
子たちが競い合うように駆け出した
たくさんの足跡がつく
遠く彼方まで
自分たちが行けぬ場所まで
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