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月の、意図のない光は
月の、意図のない光は、
月の、意図のない、赤子の光は、
地球の生き物には、
とても難しく、有りがたいものなので、
虫も、魚も、獣も、人も、
しぜんと吸い寄せられていくのです。
ひとつぶの森。
だだっ広いしずく。
月には、どれだけ細かに
見えているでしょうか。
どれだけ細かに
見たいのでしょうか。
ほんの僅か届くはずのうねりに、
巻き込まれ、加担して、死んでいきます。
泣いてる君に言いたい。歴史は君を殺せない。
泣いてる君に言いたい。
「はずだった」と「べきである」は
全くもって別物なのだと。
君には、
ガリ版で書く義務も無いし、
蓄音機で聴く義務も無い。
ましてや原始人の後追いみたいな
死に方をする必要も無い。
君は今を生きている。
本来なら云々なんてのは
ただの幽霊なのだから、
生きてる君が明け渡すべきものは
何一つ無いのだ。
そもそもかくいうあいつらだって、
眼鏡を掛けているし、
銀歯も入
ファンファーレは鳴らない
ひとが大人になるとき
決してファンファーレは鳴らない
いつにも増して静かに
ただ薄皮ひとつの解放があったなら
その日は何より御の字というだけ
アスファルト紀の地層にて
さあ帰ろう
もうじき夜が来て
陸地と海とが裏返るよ
待ち切れないクラゲの
漂う街を歩けば
今日を生きた罪は
道路が平らげてくれる
未来の獣たちが
きっと見つけるだろう
アスファルト紀の地層は
どんなデタラメで
色付けて貰えるのかな