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間宮祥太郎主演『破戒』公開から1年、上映会で初めて観たら涙出た

間宮祥太郎の主演映画『破戒』が昨年7月に劇場公開されてから1年が過ぎました。当時は見向きもしなかった私が、このほど上映会が行われ、無料ということもあって足を運んだ次第です。
私が島崎藤村の小説『破戒』(初版1906年)を読んだのは高校生の時でした。現代国語の先生から「テストで出すから、これらの本を読んでおくように」と紹介された小説のなかの一つでした。
読み終えて、何もできない己の無力さを感じたように記憶します。
これまでに2回ほどは読み返したのではないでしょうか。でも今となってはどんな内容だったか忘れてしまいました。
市が取り組む人権セミナーの一環で映画『破戒』が上映されると知ったのは2023年の夏でした。

あらすじ・予告映像

明治時代後期、日露戦争が行われていた頃の話です。間宮祥太郎演じる小学校の教師は、被差別部落出身であることを隠していました。山中にある故郷から町に出るとき、父親に「部落出身であることを決して誰にも話すな」「普通に暮らしたければ、この戒めを破るな」と何度も念を押されたのです。

細かく書いているとネタバレになってしまうかもしれないので、映画の予告編をご覧下さい。

私が涙したワケ

動画のコメントやSNSで「泣きました」という声がたくさんありますが、「泣いた」理由は人それぞれだと思うのです。

理不尽な差別に憤りを感じて涙した人や、主人公をはじめ被差別部落出身者たちが自分なりに生きようとする姿に胸を打たれた人もいるのではないでしょうか。

私は間宮演じる小学校教師・瀬川丑松が、自分の苦境を嘆くよりも、教え子の前途が開けたことを喜んで最高の笑顔を見せたとき。

「なんて純粋な人だ。俺には真似できない」と感動して、目尻から涙がこぼれたのです。

もう一つの場面は、瀬川と同僚の教師・銀之助(矢本悠馬)が、瀬川の秘密を知ったあとにとった行動に対して、知らず知らずに涙をこぼしていました。

これはクライマックスの一つなので、具体的に書きませんが、個人的には矢本悠馬の名演技に拍手を送りたい。

「あの矢本悠馬に泣かされるとは・・・」と意外に感じたのです。

※ドラマ『べしゃり暮らし』(テレ朝系、2019年)で間宮と共演した頃が懐かしい。

部落差別を題材にすることについて

私は学校や地域の学習会で「部落差別」について知る機会がありました。高校時代に『破戒』を読んだときも「教えるからみんな気にするのでは」と内心疑問に感じたものです。

今回、人権セミナーによる映画『破戒』上映会のパンフレットにイラストを使って次のようなことが記されていました。

概要になります。

「部落差別のことを取り上げないほうがいいのでは?知らない人が増えれば、差別もなくなるでしょう?」

「そうかな?今は誰でもインターネットで知ることができるし、偏見や差別や誤った情報が溢れている。正しいことを知らないで、それを信じてしまうかもしれないよ」

このようにイラストで訴えていたことを読んで、私は「なるほど」とうなずきました。

現代はヘイトスピーチやネットでの誹謗中傷が社会問題になっています。心のどこかで誰かを差別しようとする人はいつの時代にもいるのかもしれません。

そんななか、映画『破戒』を観て感じました。差別しようとするのは一部の人だけであることを。本当にその人を知っていれば差別など関係ないことを。信頼や友情、そして愛情は差別など超えることを。

間宮祥太郎は『破戒』についてのインタビューで次のように話していました。「自分が参加することによって、『破戒』を知らない人にも、なにかきっかけになればいいな」と。

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