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嘘をつかない範囲で都合の良い統計データをでっちあげるマニュアル

本マニュアルでは、統計データをうまく使って「事実ではないが、決して嘘ではない」ゾーンを攻め、自分にとって都合の良い結論を導き出し、見る人の思考を誘導する方法をご説明します。

結論ありきで根拠となるデータをでっちあげたい方向けの内容です。
正確な情報に基づいて意思決定したい方は使用をご遠慮ください。

調査対象を偏らせる

統計は、料理の味見にたとえられます。

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たとえばカレーの味見をするときは、ルーを入れてしっかりと全体を混ぜ合わせてから味見をすると思います。十分に混ざっていない状態で味見をしても意味がないことは、わざわざご説明するまでもないでしょう。

統計も同様で、たとえば「日本人の平均的な残業時間を知りたい」という場合は年齢、性別、職業、地域など、可能な限り偏りのない人たちを対象にデータを集める必要があります。

逆に言えば、偏りのある人たちを対象にすれば偏ったデータを得ることができると言うことです。

もしあなたが「残業は意外と少ない」という結果を得たければ、17時ごろに駅前に行き、仕事帰りの会社員に残業時間を尋ねるのが良いでしょう。

逆に「残業はめちゃくちゃ多い」という結果が欲しければ、終電ギリギリの時間にアンケートを実施すべきです。

このように、結論に合わせて「どこに行けば都合の良い結果が得られるか」を考え、偏った対象からデータを集めることが第一のポイントになります。

統計データを示す際は、本来であれば偏りたないことを示すために

「〇月〇日9時から18時に、〇〇駅の北口と南口で通行人に聞き取り調査を実施」

といった具合に調査方法を明記します。しかし今回は都合の良いデータを持ってきたことがばれないように記載を省略するか、すみっこになるべく小さな字でちょこっと書いておくのが良いでしょう。

質問のしかたを工夫する

二つ目のポイントは、質問のしかたを工夫することです。

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たとえば消費税の増税について尋ねる時

「わが国の財政はますます逼迫しており、将来世代の負担を軽減するためにも早急な改善が求められています。消費税は財政健全化の手段として有効だとされていますが、あなたは消費税の増税に賛成ですか?」

「過去、消費税を増税するたびに経済は冷え込みを見せてきました。歳出や税制全体の見直しなど、代替手段の検討が不十分との声もありますが、あなたは消費税の増税に賛成ですか?」

どちらがより「はい」という回答を引き出しやすいかは、想像に難くないと思います。つまり質問の前に、自分が求める回答を導きやすい枕詞をつけるのです。

もちろん人によってはそんな言葉に惑わされず自分の主張を貫くでしょう。しかし、何百人、何千人を対象にアンケートを行えば誘導される人も増え、少なからず結果に影響を与えます。枕詞の出来によっては、極めて有効な手段になり得ます。

アンケート結果を公表する場合、どんな質問をしたかについても閲覧できるようにしておくのが本来フェアな態度です。しかし結果を誘導した場合はそれが露見しないよう、なるべく人目に付かないようにしておくべきです。

見せ方を工夫する

三つ目のポイントは、データを収集した後の話になります。

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たとえばある事柄について賛否を問い、こんな結果が得られたとします。

10% 賛成
20% どちらかといえば賛成
40% どちらともいえない
20% どちらかといえば反対
10% 反対

この結果に対して

「賛否は同じくらいだが、判断しかねている人が最も多い」

「賛成と答えた人は30%だけだった」

どちらのキャプションをつけるかで、受け手の印象は大きく変わってきます。世の中にはキャプションだけを読んでデータを見ない人もいるので、キャプションの付け方は極めて重要です。
もちろん、嘘はいけません。嘘がない範囲で、最も都合の良い表現を考えましょう。

また、グラフを活用するのも有効です。

よく利用されるのが3次元円グラフ。

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先ほどのアンケート結果をグラフにしたものなので、賛成と反対はともに10%で同率なのですが、傾きの加減で反対の方が多く見えます。多く見せたいものを手前に、少なく見せたいものを奥になるよう、データを並び替えましょう。

また、グラフの目盛りを操作するのも便利なテクニックです。

たとえばこんなデータ。何かがちょっとずつ増えています。

2019年 80
2020年 85
2021年 90

この増加を劇的なものであると印象付けたいのであればグラフの目盛りを75から始めることで、傾斜を大きく見せることが可能になります。
(左が75始まり、右は0始まりの目盛りです)

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2019年から2021年で実際の増加率は12.5%ですが、3倍近くまで増えたように印象付けることができます。

この目盛り操作は縦軸だけでなく横軸にも使えますので、覚えておきたいテクニックです。

おわりに

ここまで、データの収集や見せ方について、よく使われるテクニックをご紹介してきました。大切なのは

「本当のことを言っているわけではないが、決して嘘をついているわけではないので、いざとなったら言い逃れができる」

という点です。

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そしてほとんどの人は、どうやってデータを集めたか、見せ方に恣意が入っていないかなどは気にしません。結果だけを見て脊髄反射してくれますし、それが自分にとって都合の良いものであればなおさらです。積極的に使っていきましょう。

本マニュアルを活用し、皆様がますますご活躍されることを祈念いたします。

※記載内容を実践することによって皆様の信頼が暴落するリスクがございますが、著者は一切の責任を負いかねますので予めご了承ください。

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