見出し画像

おなかが痛いときのおまじない

あらま、あんた、また機嫌悪なっとん。
うっかりしてたわ。
あたしのせいやな、ごめんなごめんなごめんな。

でもな、あんたにはほんま感謝してんねん。
おもてからは見えんところで、文句も言わんと、
だれにも評価されんのに、黙ーって仕事してくれてはるの、
あたしはわかっとるで。

え? わかっとんならもっと気ぃつけろって?
あんたの言うとおりや。返す言葉もないわ。
でもな、人間ちょっと魔が差すってこともあるやん。
あ、結局言い訳しとんねん。へへへ。

そうや、あたしが悪かった。完全にあたしが悪い。
申し訳ない。
だからもういい加減に機嫌直してや。

そらな、あんただってたまには怒りたくなることもあるやろ。
感謝のことば一つもかけられんとな、
もう実家に帰らせていただきます! なんて言いたくもなるわな。

いや、ほんとあんたの辛抱強さには頭がさがるわ。
あたしだったらとっくの昔にブチ切れてるわ。
あんたみたいの利他的っていうんやて。最近流行ってん。
で、あたしみたいなのは利己的なんやて。

でもなあ、あんた最近ちょっと短気になってへん?
え? あたしがあまりにも自分勝手やから、もう我慢できへんって?
わかったわかった。
どうしたら機嫌よくなってくれるんやろ。

オーケー、そこのあずきカイロをチンするんやね。
チンしたら、あんたの上にかけると。
おー、あったかいわ。ぬくぬくや。
あんたも気持ちええやろ。あたしも気持ちええわ。

機嫌よくなってきたみたいやね。
やっぱあんたはおとなやわ。
感謝感謝!


いつまでもへそ曲げられてたら、どうしようかと思ったわ。
あとでアイスクリーム食べよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?