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ただの猫自慢

え、自慢していいの? いや、むしろ、どうぞ自慢してくださいってか! じゃあ、お言葉に甘えて自慢しちゃうよ! (←句点がない=テンション高い)

うちの猫、わたしの文章にちらほら登場はしてくるけど、あんまり系統的に語ったことはなかった。
自分でも、この子のことを整理して考えたことってあんまりなかった。なにせ誕生日(推定)も毎年忘れてしまうくらいだから。

猫を飼ったのは今の猫が初めてなので推測ではあるのだけど、うちの猫はたぶんごくごく普通だと思う。Twitterとかでバズるような特技とか変わった習性はもっていない。
でも、普通の猫がやるらしい「シャー」をうちの猫がしているのは一度も見たことがない。これは自慢ポイント。

うちの猫は子猫のときに、あるお蕎麦屋さんの女将さんに保護された。猫の保護活動をしているお蕎麦屋さんが、ご近所からの連絡を受けて保護しに行ったのだそうだ。猫風邪でぐしゅぐしゅの顔でにゃーんと飛びつかれて、さすがにお蕎麦屋さんもうわっと思ったらしい。それで猫は保護された。

わたしは里親募集のサイトで猫を見て、母親にはちょっと変わった顔ねえと眉をひそめられたけど、ちょっとぶさかわっぽかったのが気に入ってこの猫を引き取りたいと思った。里親候補になって、猫に会いにお蕎麦屋さんに行くことになった。

猫は一度よその家に引き取られたのだけど、先住猫がストレスでお腹を壊してしまったことを理由にいきなり突っ返されたのだと、困ったような顔をしてお蕎麦屋さんは話してくれた。
猫はすでに9か月になっていたのと、ぶさいくだからなかなか引き取り手が見つからないそうだ。「でも、性格のすごくいい子なんですよ」とお蕎麦屋さんは言っていた。

そんな話を少し聞いて、お蕎麦屋さんは別の部屋にいる猫を連れてくるからと出ていった。
この部屋には猫が3匹ほどいると聞いたけど、長老らしき1匹はデスクの下で瞑想していて、ほかの2匹はどこかに隠れていて、ことりとも音がしないので、ここにいるとは到底思えなかった。

お蕎麦屋さんが猫を連れてきた。まだまだ子猫っぽい。
実際に会うと、写真よりもかわいかった。今となってはもう普通の猫的にかわいくなって、ブサカワでの売出しはできない。

一般的に猫は目を合わせないし、合わせないほうがいいと何かで読んでいたけど、この猫は最初からわたしの目をじっと見ていた。今もひとの目をじっと見るのは変わらない。
今じゃ人見知りで、知らないひとが来るとベッドの下に隠れてしまうけど、このときは隠れもせず、5分くらいで抱っこもさせてくれた。のどもゴロゴロ鳴らしていた。毛がふわふわしていた。

あれから9年たって猫は10歳になった。
ふわふわの毛並みは今だけですよとお蕎麦屋さんに言われていたけど、ずっとふわふわのままで、最近ほんの少しだけ柴犬の毛に近くなってきたような気もするけど、まだまだふわふわと言っていい。これも自慢ポイント。
そして10歳だけど食い意地は衰えることはない。食事の要求は何にも優先される。これはあんまり自慢できない。

性格は確かにいいと思う。まだ実家にいたころ、家族が帰ってくるたびに玄関に迎えに行っていたから、猫嫌いだった両親も孫のようにかわいがっていた。父の病気がわかったときは、心配そうに父の背中を見送っていた。
だけど、わたしが調子悪くなっても、添い寝はしてくれるけど、お腹すいたら容赦なく叩き起こす。
性格はいいけど、内弁慶でわがままで甘えん坊だから、ほかの猫とはうまくいかないかもしれない。

あら、もう1400字も書いてしまった。まだまだ書けるけど、とりあえず猫自慢はこのへんで。
うちの猫はシャーしない!

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