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華道の展示会でユーモアを探しにいく

※この記事は昨日の記事と地味にリンクしています。別に読まなくてもいいですがお時間あれば読んでいただけるとより面白いかもしれません。


この前の日曜の話です。
先生に無料招待券をいただいたので、研究室のメンバーと華道の展覧会に行ってきました。華道にはこれまでほとんど触れてこなかったので僕は内心ビクビクです。

中に入ると大小さまざまな華道の作品がブースに並べられています。黒を基調としたブースに照明が焚かれ、シックな雰囲気が漂って、日本の芸術としての色を濃く出そうとしていることが伝わってきました。

正直に申し上げると、それぞれの作品の持つ意味は全くと言っていいほどわかりませんでした。一つ目を引いたものがあったのでとりあえず写真を載せておきます。作者の名前は出さないようにと書かれていたので配慮しています。

木を切って持ってきたような、力強く大胆な構成になっている、くらいのことはわかりますが、それぞれの植物の特性や配置の妙、器の趣、照明の美学は僕なんかには微塵もわかりません。

選んでいる側の人間は専門家でしょうからそれくらいのことは全て頭に入っていたり、そうでなくとも調べて審査の項目に入れているでしょう。その上で美術には数学のように「これが正解」という絶対的な判断基準がありませんから、あくまで審査員の個人的な感覚が大きな意味を持つことになると思います。

このように主観によって選び取られた作品たちを鑑賞していると思ったとき、いったい何を考えれて見ればいいのかしばしわからなくなってしまいました。美術館のように世間に広く認められた作品ならまだしも、そうでないものに僕たちが主観で正しい価値を見出せるのか、と。

そんな面倒なことを固い頭で考えていると後ろで見ていたおばさんが
「この柿、ちっちゃくてかわいいわね」
とか言ってました。
みんな大して変わらないようで安心しました。

◆  ◆  ◆

昨日の記事では「一般的な理解ではなく自分の感性で感じることを」とか偉そうに語っていた僕ですが、お察しのとおり華道の作品を見ても何もわかりませんでした。農学部なので植物についてある程度知っていると思っていましたが、使われている植物一覧を見ても知らない名前ばかり。色彩検定の知識も3級程度ではナチュラルとかダイナミックとかのトーンの配色イメージくらいしか役に立ちません。

(だめだ、何も得られない気がしてきた…)

まずいと思ったのでいっそ発想を転換してみました。
自分の好きな「ユーモア」を見つけ出してやろうじゃないかと。
これなら若干趣旨はズレるかもしれませんが、自分の感性で見られそうです。

一通り回ってみてようやくおもしろそうなものを見つけました。
作品がデカすぎて枝がセットを貫通してたんですよ。これはユーモラス。

ぷすっ

どうやって貫通させてるんでしょう。というわけで裏を覗いてみると。

まさかの張り紙

み、見てしまった…!

一本取られました。
同時に「これはnoteのネタの種にできる」とも思いました。もはや職業病です。


そこから少し離れたところでは、白いステージの中央にぽつんと置かれた生花が観衆を集めていました。どうやら土台の部分に水が張り巡らされているようで、5分に1回ほど、上から滴が垂れてくるんだとか (周りのおばさま方の話を盗み聞きしただけですが)。

なんかすごい人の作品らしい

これもなかなかしたたかな手です。5分待っている間に作品を見ると、新しく気づく部分がある。そして印象に残りやすくなっているわけです。作者がその効果を狙っていなかったとしても、特に説明文を読んで知った気になってしまう風潮のある現代の芸術にささやかに抗うような、意味のある作品だったと思います。


何もわからなくても、おもしろいものが見つけられたのでよしとしましょうか。
楽しかったです。
おわり。


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