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教授に心の問題を話した時のこと

試験終了。多分成績も the end…な感じだけど、今回はメンタルのぶれ具合が今までで一番穏やかだったので、ヨシとしよう。まあ一回かなりやばいところまで行きましたが。一回だけなので。

さて、試験も終わったことだし、考えなければならないことがあった。

私は、これからとある教授のところで少しだけお世話になる。前から何かと面倒を見てくれたり、気にかけてくれたりしていた人だ。無愛想な人が揃う教授陣の中で珍しく「すっっっっごいフレンドリー」な人だと思う。いつの間にか彼にニックネームで呼ばれていたのでびびったし。

さあ、困った。
自分のメンタルのことをどこまで話しておこうか。
話さないで済むならそれが一番よかろう。人間関係に余計な事故を起こさないようにするには、黙っているのが一番だろう。だが、今までと環境が変わる時にはストレスで病気(解離)の症状が悪化しかねない。お世話になっている間にうっかり記憶が飛んだら?そもそも薬の副作用でふらふらな時もあるのだ。他の人に迷惑をかけてから「実は…」だなんて、多分相手が一番困るやつだ。

困りに困って、とりあえずメールを送った。病気のことが心配だ、どの程度のセーフティネットを準備できるかを知っておきたい。という、とても簡素な内容のメールを。

しばらくして、返信が来た。話においで、と言う内容だった。

悩みに悩んでぐっちゃぐちゃになった脳内にあまり判断力は残されていなかったので、言われるがまま教授の居室に向かった。突然に申し訳ありません、と謝る私に、彼は良く来たね、と迎えてくれた。

「んーーーー…それで、どんな感じの病気なんだろう」

「あ、えっと、解離性障害です」

結構悩んでいた割にあっさりと白状(?)してしまった。彼の前では少し気が緩むのだろう。彼は、詳しくはないけど少しなら知っているよ、と返事をした。

「たとえば、どんな症状?」

「今の所、短い間記憶が飛んだり、一人二役で会話したりしていますが…全部1人の時に起こっていることなので…あとは薬の副作用で蛇行しながら歩いている時が….」

「誰か他の人が困ったりすることはないよね?」

「はい、多分考えていることの80%は杞憂です」

「うん、そうだよね」

「ただ、経験上、自分の予期していなかったことが起こることも多かったので、念には念を入れておきたいと言う感じです」

「そうか」

「はい」

私は極端なまでに慎重になる時と、極端なまでに自分の隠し事を全部話してしまう時がある。この時は断然後者だった。それに、教授は教授でごく普通のテンションでめっちゃ話を聞いてくる。こちらも流石に引かれたり嫌な顔をされる覚悟で話をしているのだが….

「あのね、空木さん」

「はい?」

「僕はもう50年も生きているから、いろんな人を見てきているの。だから、今の君の話を聞いて、大きく負担になったり『うわぁぁ』となったりすることはないから、安心して」

「…はい」

そう言って、彼は自分が出会った人の話をしてくれた。

「辛い時には辛い顔をしなさいって、伝えたことがある。いつも完璧な人って、周りも緊張させちゃうんだよね」

彼は、なんだか柔らかい喋り方をする人なので、そのままぼーっと話を聞いていた。

私は私でちょっと喋りすぎな状態になりかけたが、なんとかセーブしたんじゃないかと思っている。

ひとしきりおしゃべりした後に彼は言った。

「僕に喋っても、きっと、毒にも薬にもならないから、また話においでよ。薬の副作用で失敗しちゃった、とかでいいからさ」

「…はい、ありがとうございます」

話をして感じたこと。話していて、辛い、とか傷ついた、とか言う感情はなかった。逆に、嬉しい!とか感動した!とかもなかった。

多分、それは、教授と私の会話の場が安全だったからだ。(逆に安全じゃ無い場だと、凍りついたり、逆にいたく感動してしまうことがある。「素晴らしい指摘をいただいた!」みたいに。防衛反応なんだろう)

そんな人と、出会ってしまった。

少しの安堵感と、これからどうしていったらいいのだろう、と言う迷いが私の中にある。

書きたいことがたくさんあったので、この記事ではできるだけ「起こった事実」を中心に書いてみました。感情の方がだいぶ忙しかったので、別の記事にしてみようかと思います。

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