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『雪女』(小泉八雲)

2023年7月 アドバンスコース

彼は顔に夕立のように雪がかかるので眼がさめた。小屋の戸は無理押しに開かれていた。そして雪明かりで、部屋のうちに女、――全く白装束の女、――を見た。その女は茂作の上に屈んで、彼に彼女の息をふきかけていた、――そして彼女の息はあかるい白い煙のようであった。ほとんど同時に巳之吉の方へ振り向いて、彼の上に屈んだ。彼は叫ぼうとしたが何の音も発する事ができなかった。ー本文よりー


「その季節に合ったものを」というコンセプトで長くやってきておりますが、今回は夏に雪のお話です。(ここ数年続く猛暑で、これからの暑さを想像するだけでちょっとうんざり、という気持ちもはいっております)。
日頃から会話の中で「鶴の恩返し」と慣用句の如く使う場面も耳にすることがあるかと思います。お話のパターンとしては珍しくない「見ーたーなー」という形です。西洋ではギリシャ神話の「オルペウス(オルフェ)」がそれにあたります。

言ってはならないものを口にしてしまう、あるいは見てはいけないと言われるものを見てしまい、大事なものを一生涯失ってしまう。お話の中では大抵それは愛する人の姿であり、その意味を深読みしたく思ってしまいます。

昔話で耳にすることの多い『雪女』の物語を改めて文字で読み、声に出してみませんか。アドバンスコースでは作家の年譜もご紹介しておりますが、世界中を旅した小泉八雲の生涯もたいへん興味深いです。

2023年7月のスケジュール

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