「いい意味で何もない」にはもう飽きた
こんにちは。インバウンド(訪日)メディアMATCHA(https://matcha-jp.com/jp/)で編集長をしている植松と申します。
目次:
「何もない」なら間に合っている
「何もない業界」はレッドオーシャン
必要なのは要素分解と掛け算
外部の目線の「外部」ってだれ?
イメージができたら半分勝利
地方取材をしているとよく聞くのが、「いい意味で何もない」という言葉。都会とは違う時間の流れ、日本の原風景、普段ならやらない労働など……。
実際僕もそんな土地に行き、「何もないよさ」を体感します。
時計もない場所で日の光に合わせて時間を過ごしたり、ただただ山嶺を横目に野原を散策したり、仕事とはいえ心が洗われるようです。
「日本には素敵な土地が残っているな」
毎回そう思います。
「何もない」なら間に合っている
でも、日本全国にはそういった何もない素敵な場所がたくさんあります。
東京都内でも奥多摩のほうへ行けばありますし、京都、大阪、福岡など大都市圏の近くでも、少し離れればそんな土地を見つけることができます。
同じような観光価値を持つ2つの自治体があったとします。片方は新宿から電車で2時間で行けて、もう片方は車で5時間かけていかなければいけない。あなたが羽田空港を利用してやってきた訪日旅行者だとして、どちらを旅先に選びますか?
「何もない業界」はレッドオーシャン
各地の観光担当者の中には、自分の自治体の観光資源発信には熱心なのに、上記のような周辺の自治体(全国の自治体含む)、との比較をおろそかにしている方がおられます。
「いい意味で何もない土地」は、実はレッドオーシャンなのです。
実際に足を運ぶと、たいていの土地では地元の方がとても優しくて「また来たい」と思えるのですが、情報をあまり持っていない訪日客の場合、まず"気づいてもらう"ことが必要です。
「何も無いのがいいんですよ」では、絶対に埋没してしまいます。
必要なのは要素分解と掛け算
「いい意味で何もない」と聞くと、「自分の住んでいる土地のことをネガティブな点も含めてまるごと愛している」ように思えますが、実際は思考停止に近いです。
立地、地形、歴史、食、自然、文化、人、イベントなどなど、細かく見ればその土地の価値は、いくつも見つけられるし、要素も分解できるはずです。
ひとつひとつの要素は、ありふれているかもしれません。でも、各要素の中には同じ共通点を持つものが必ずあります。
そうやって同じ共通点を持つ観光資源を繋げていけば、他の土地にはないその土地の魅力、見せ方が見つかるでしょう。
例えば僕が大好きな四国。四国は各県が個性的でそれぞれおもしろいのですが、そのためか四国全体を結びつけるPRがあまり出来ていないように感じます。
四国には「お遍路」「平家の落人伝説」「妖怪」という3つの文化、伝説、観光資源があります。それぞれを結びつけて、スピリチュアルな土地、伝説が息づいている島としてPRしたらいいのに、と僕は行くたびに思います。
歴史、民俗学好きだから思うだけかもしれませんが。
外部の目線の「外部」ってだれ?
その土地の観光価値を正しく要素分解する場合、できれば外部の方も含めたほうがよいと思います。
地元の方にとっては当たり前だけど、実はそうじゃないという点こそ、観光する側にとってはおもしろい魅力だからです。
隣接する土地の方、遠く離れた地方の方、海外の方、アジアの方、欧米の方、都会の方、田舎の方、自分たちと似た環境の土地の方、異なる宗教の方などなど……。
ただ外部の人というだけではなく、様々なバックグラウンドを持つ方の目線で、地元を解きほぐしてもらいましょう。
イメージができたら半分勝利
先ほど、「共通点を持つ観光資源を繋げていけば、他の土地にはないその土地の魅力、見せ方が見つかるはず」と述べましたが、必ずしもオンリーワンを目指す必要はないかもしれません。
訪日観光には「言ったものがち」「知られたものがち」な側面があるからです。
いまは日本全国どこでも同じようなものが買えるのですが、なぜか大阪には買い物というイメージがつき、多くの訪日客が大阪へ買い物をしにやってきます。
似たような観光資源の土地がいくつかあったとしても、最初にそのイメージがついたら、旅行者はまずそちらを選びます。先述しましたが、まずは「気づいてもらう」「来てもらう」こと。一度訪れた方は、満足すれば必ずリピートしてくれるし、口コミでその土地の良さを広めてくれます。
まずは自分たちの土地の魅力を解きほぐし、他にはないイメージを訴求してみませんか?
MATCHAでは、そのような地域のブランディング、コンサルティングも行っています。
「インバウンドってまず何をしたらいいの?」という方は、まずMATCHAにお問い合わせください。
お問合わせは「https://company.matcha-jp.com/lp」へどうぞ。
それでは。
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