ウワノソラ。

執筆が趣味で、ゆるゆると短編やらエッセイを書きます。 純文、恋愛ものが好物です。

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最近の記事

直島の中心で、わたしを殺してと叫ぶ

雑記です。 ふいに、家族のことを思い出しました。 ゴミ出しをしに歩きながら、「なんでゴミ収集所までこんな遠いねん…」と考えてたんですけど、そういやうちの地元はどうだったかなと思い返してたんです。 私は香川のほんと中心あたりに住んでいて、高松の端っこに家があったんですが、そういや今よりもっとゴミ収集所遠かったな…と。 遠いから歩いて持っていくって概念があんまなくて、だいたい父が車でゴミを出しに行ってたな…と。 ちなみに、香川のゴミ収集所までどんだけだったかというと、犬の散

    • 【小説】はらむ赤は曖昧に〈序〉

      圧倒的で繊細な彼女はランカーだった。 閃光の如く凛として  散々かいた汗が冷気ですうっと引いてくるのがわかった。嫌に空調の効いた店内は、清澄とは言い難い空気で充満していた。それは店の中央に配置された喫煙所のせいか、空調が吐く風のせいなのかはわからないが、ゲーセンでは特有の臭いがうっすらとする。  薄暗い店内の一角にある、青い光が明滅するほうへ進むと、耳を劈くリズミカルな重低音が大きくなっていった。  私にはそれが、『からふるぱすてる』のイントロだと当たり前のようにわかっ

      • もはや入れ食いな性春

        明日、京都に行きます。 姫路から京都って地味に遠いんですよね…。 JRの新快速で2時間半くらい掛かるので、往復4~5千円くらいするし。 大阪に住んでた頃とは距離感が全然違います。 私はもともと京都にいいイメージや思い出がなくて、関西のなかでは嫌いな場所だったんですけど最近はほどほどに好きかもしれません。 遠方でたまぁにしか行けないので、旅行感や異世界感がはんぱないですし、古都なので美術や芸術などの文化活動も盛んで洗練されてますから楽しいですしね。 京都行くってなってから、

        • 【エッセイ】うたかた ①

           ◆ 君のステージ「2018.10 」 嫌いで嫌いで仕方がない君が目の前のステージで歌っている 確か君と会うのは去年振りかな確か君の歌を聴くのは、それよりもっと前だったな 大抵の事は直ぐに忘れてしまえるのに 何故か君のことばっかり、嫌で嫌で頭にへばりついてしょうがなかった 君と顔を合わさなくなっても、何故か頭にへばりついて残ってたよ 嫌い、嫌い、嫌い、嫌い好きだった人なのに 嫌い、嫌い、嫌い、嫌いそれが君 「なんで」と「無理でしょ」 それが私と付き合ってた時の、君の

        直島の中心で、わたしを殺してと叫ぶ

          ヤングな秘密基地で、いいことしようぜ

          雑記です。 もう時期引越しだというのに、神戸までライブに行ってきました。 何だかんだで、今宵も楽しい一夜となりました。 福山竜一さんのライブは、何度も観させていただいてますが、今回『猫の気持ち』(ステイホーム収録)という曲で、初めて涙が…。 『猫の気持ち』は「カズ兄さんのモーターレボリューション」というラジオ番組のED曲らしいのですが、カズ兄さんが泣きながら歌詞(長文)を書いてそれを竜一さんが要約され、曲にしたんだとか。 福島原発の事故で、もし自分の猫が同じ状況になった

          ヤングな秘密基地で、いいことしようぜ

          【短編小説】冥界なんぞ笑止に付す

           ——やれやれ。何なんだここは……。  ケイコは無数の針によって串刺しとなった人間のうえによじ登って、束の間の休息を取ろうとしていた。あたり一帯は、針で鬱蒼と覆われた山が広がっている。  ケイコがしがみ付いていた男が、したで呻き声を漏らした。男は針と針との隙間に足を滑らせてしまったようで、後ろに反った胴体は二本の太い針が貫通していた。そんなほぼ瀕死状態の男の両肩にケイコは足を掛け、頭を掴んでバランスを取っている。顎をがくがくと揺らしながら泡を噴いている男は、焦点の合わない

          【短編小説】冥界なんぞ笑止に付す

          泣きながら付き合ってたし、泣きながらギターも弾いてた

          雑記です。 家を買ったので来月、引越しするんですがあまり準備は捗っていません。 とはいっても、ちいとでも物を減らしてかないとなぁ…なんては思うので、整理がしやすいと思われる「CD」「本類」から攻めることにしました。 んで、前からわかってたことなんですが、持ってる漫画の大多数が「百合漫画」なんですよねぇ…。不思議だなぁ。 レンタルやスマホで読む漫画はジャンルばらばらなんですけどね。 本棚の漫画を列挙しますと「百合漫画」・付き合ってあげてもいいかな(たみふる)・彼女とカメラと

          泣きながら付き合ってたし、泣きながらギターも弾いてた

          【短編小説】腐りゆくあなたと私

           カビの生えたいちごショートケーキを、うっとりと眺めていた。シンク横の調理台に置かれたままの、皿にちょんと乗せられた、一口も手を付けられていないケーキを真上から観察していた。  ケーキ自体の、毎日の変化はごくささやかなものだ。まず数日でクリームの艶が失われ、断面のスポンジ部分が乾燥してささくれだしてくる。  主役ですよと主張していたいちごは、日を追うごとに色がくすんで黒ずんでくる。黒いなと感じながらも放っておくと、いちごの表面は湿気を帯び白みはじめ、鼻を近づけると、すえた

          【短編小説】腐りゆくあなたと私