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恋の終わりを受け入れる。その渦中の気持ちを残そうと思って


春のひとり旅で買ったりんごのお酒🍎
爽やかで美味だった。あの旅は私の永遠…!




突然別れを告げられてから10日と少しが経った。
noteで「#失恋」「#恋の終わり」系のハッシュタグをいくつも辿り、いろんな人の恋の終わりを垣間見た。恋の終わり方にはいろんな形があって、やりきれなさと後悔とごめんねと、他にもたくさんの気持ちが相手に届かずに残ってしまうことを知った。
でも、時が経つことでその気持ちが楽になり、新しい自分に出会えて今現在を過ごしている人も多くいることを知った。
いわゆる「時が解決してくれる」ってやつ。

時が解決してくれるまでは、いくつかのステップを経て時が経つのを待つ必要があるらしい。
・恋の終わりを受け入れること
・ありのままの感情を受け入れること
・自分の行いを見直して次に活かそうと思うこと
・自分を大切にすること
色んなサイトを見たし、何人かのnoteで恋の傷が癒えるまでの経過を辿った。そうして何日もスマホに齧り付いた私が見つけたステップはだいたいこんな感じ。

たったひと月とは言え私にとっては大きな恋だったなぁって。
その恋心が一方通行になった日の悲しみも、終わりを受け入れる渦中の今の気持ちも、いつか忘れてしまうんだと思う。気持ちには賞味期限があるから。
だから書き表せる分だけは言葉として残しておこう。
いつかこの恋に優しく封をして、そっと心の宝箱にしまおう。
それが一つの弔いにもなることを、私は知っている。



フラれた直後
とにかく、別れを信じられないまま過ごした。
昨日まではフツーに接してたじゃん。なんなら昼間は仕事でフツーに話もするし、笑い合うこともある。
なんで?元カノが忘れられないってどういう気持ち?
と思ったまま、職場では一生懸命フツーに働いた。
「別れても職場で顔を合わせる」っていう状況は場合によっては最悪なカードになるけど、私からしたら「別れても会えるってこと…!彼の顔を見て声を聞いて生活できるってこと…!」って具合に、あんまり嫌ではなかった。むしろラッキーとすら思った。
納得のいかないままフラれて、いや待ってくれよまだ話したいことあるのよ、私のこと見てよ。って思ってたからかな?
いや。ただ単に縋り付いていたかったから、かも。
「#復縁」ってのもたーくさん調べた。もうお腹いっぱいになるくらい。



1週間経って
だんだんと、本当にゆっくりと、事態が客観的に見えてきた。
・たったひと月で終わった関係、彼は私のことそんなに好きになれなかったのかな
・元カノが忘れられないらしいけど、彼自身が恋の終わりを受け入れない限り彼は誰とも恋ができないのかもな
・彼の心の準備が整ってなかったってことかな
・ドが何個ついても良いくらい楽観的すぎる私と、その正反対な彼と、元々合わない部分があったのかな。彼は先にそこに気がついたのかな
・でも、も少し自分を曝け出して気持ちを伝えてほしかった。私と向き合うことすらしないまま「元カノが…」と逃げていったよね
・曝け出して私に嫌われることを恐れていたの? それとも、曝け出す価値もないと思ったの?
・そんな彼が抱えていたであろう不満を、私は一切嗅ぎ分けられなかった。彼といる時に大きな不安なんてなく、2人の間に流れる安心感に満足していた。この先ゆっくりお互いを知れたらと思ってたのはマイペースだった?


そういえば別れる2週間ほど前、彼が不安げな顔して会いにきたことがあった。その時初めて「元カノと比べてしまう。そんな気持ちで私ちゃんといて良いか迷う」と打ち明けられた。
あの時私、なんて声をかけたっけ。
話してくれてありがとう。ありのままのあなたで良い、私は一緒にいたいよ。
元カノに会いたいなら会ってきなよ、その時はご飯作って待ってるね。
あ、あと、自分の気持ちに嘘をつくのは苦しいから、その時は無理しないで言ってね。
とか言ったはず。
自分の気持ちの違和感を見逃そうとせず、なあなあに過ごさず意思表示をしてくれたってことなんだ。そう言うことか。とここで初めて腑に落ちた。

ふらふらに揺れて間違える君が良いのさ

ズーカラデル / 若者たち

ふらふらと揺れるそんなところも、良いのになぁ。
なんてこと考えた。もう手の届かない人。



それと、“元恋人を思って足踏みしてしまう気持ち”について。
私も少しだけその思いを抱いていた時期がある。
その気持ちは誰かに阻害されてもいいものじゃないし、本人がしっかり味わって心の傷を癒すべきもの。人が感じる気持ちはすべて尊いもの。他人がとやかく言っていいものでは無い。
だから、どうか彼が元カノへの気持ちと向き合って、いつか浄化できますように。そんな日がいつか来ると良いね、と願った。


フラれて1週間が経った夜、車のオーディオからクリープハイプの「大丈夫」って曲が流れた時、初めて涙が出た。

大丈夫 私今日は暇だから アンタのそばにいてあげるから
大丈夫 私に電話くれたら もっと大事なものあげるから

クリープハイプ / 大丈夫

あぁ、私、こんな風に彼に「大丈夫」って伝えたかった。
私がいれば大丈夫だよ、どんなあなたも素敵だよ、頑張っているの分かっているよ、もう大丈夫だからね
そんなことを大切な相手に歌い届ける楽曲。
私もこれと同じように彼のこと大切に思っていたのに、それはきっと全く届かなかった。思ってるだけで満足していた。相手に伝わらなきゃ、意味なんてないのにね。
彼の不安を知りたかったし、寄り添いたかった。でも寄り添えなかった。
涙が頬を伝うのをじーっと感じながらそんなことを思った。
それと同時に、あぁ、これでちゃんとこの恋を終わらせられるなぁとも思った。
やっと涙が出た、と安堵する自分がいた。


10日と少し経って
同僚モードをオンにして、滞りなく仕事ができている。フツーに話すし目線も絡むけど、お互い透明なベールを纏っているのが分かる。視線が絡んでも気持ちは通じていないのも分かる。

今日も職場ではフツーに話をし、ちょっとこれ手伝ってください、ほら行きましょ、と別室に2人で行く。至って自然に。
当たり障りのない会話をする。もちろん敬語で。
職場でたまに敬語がふわっと外れて、どちらかがタメ口になるあの空気も好きだったな。
話の途中、「週末じっくり考えたんですけど」と彼が言うから3ミリくらい心臓が浮いた。私も週末、自分のことも彼のことも考えていたから。
一拍置いて「これは〜〜〜〜だと思って……」と仕事の話を続ける彼を見て、自分の浅ましさに呆れた。
もう終わった関係なんですよ、何を今更期待しているの私。って呆れちゃった。そんなクリスマス。

もう同僚モードの彼しか知らないから、(この人とほんとに気持ちが通じていたのか??)とすら思う。
うちでご飯食べながら何を話していたんだっけ?
この人の家族の話や小さい頃の話を聞いて、どうしてあんなに愛おしく思ったんだっけ?
地元案内をしてもらって2人で海を眺めたの、あれって幻だった?
首筋の匂いも肌の温度も、寝る前にふわっと抱きしめてくれたのも、幻?

ほらちゃんと、私の気持ちは変わり始めている。
時間が進むことは救いになる。
そう気づいて、(これで良いんだ)とホッとした。
でも少しだけ、ほんとに少しだけ寂しさもある。
恋の終わりを受け入れるってことは、その人を好きだった自分から離れるってこと。自分の拠り所を過去のものとして、新しい道を探し始めること。
気持ちの賞味期限が来てしまったら、考えて感じていた気持ちをそれごと忘れてしまうということ。
きっといつか、この恋心自体を思い出せなくなる日が来る。
忘却は救いにもなるけれど、そこから離れる瞬間だけはとても寂しい。




クリスマスを終えて
週末、街がすっかりクリスマス気分の中私はどうやって過ごそう…と教えていた金夜。
家にいたら孤独にやられてしまうのは目に見えていた。
「#元彼」「#復縁」とか調べまくっていただろう。そして、あーでもないこーでもない、ともう分かりっこない彼の気持ちを推測して、でも結局わからなくて、落ち込んでいただろうな。

高校三年生ぶりに彼氏がいないクリスマス、せっかく自分のためだけに時間とお金を使えるんだから、と街に出ることにした。
これまでのクリスマスに私と過ごしてくれた元彼たちに(ありがとう)って思えた。おかげさまで私、この日は幸せいっぱいに過ごせてきました。私にとってクリスマスは幸せの象徴でしたって。
そう思える人と数年単位でお付き合いができた私のことだもん、きっと一年後には誰かと一緒に笑っているだろうなぁ。
「1人で過ごしたレアなクリスマス」と一つの記念にしようと思って、フェイシャルエステに行き、お気に入りのカフェに行き、夕方の海に行った。
前回のnoteにも書いたけど、私はほんと〜にこの街が好き。
お気に入りのスポットが点在していて、のびのびとここで息ができる。街が私を丸ごと受け入れてくれているのが分かる。
隣町の小さな焼き菓子屋さんで買ったシフォンケーキ、箱に入れてもらった時に「メリークリスマス」ってシールが張ってあったのが嬉しくて、幸せな気持ちでいただきました。お店の人の思いやりが嬉しい。

あったかい冬の日差し、で五七調
ふわふわで甘くて幸せ
ケーキは人を幸せにする


ちなみに、ケーキを食べた後ジムに行って走ったのは我ながら偉い。これもクリスマスの一つの記念です。



たったひと月の恋だったけれど、私にとっては大きなもので。
これまでの失恋は、ここまで深く内省することもなかった。
「まぁ、ご機嫌に過ごそう」とフンフン鼻歌を歌っているうちに新たな出会いがあったり、そもそも次の恋の芽に気づいてお別れをしたり(その芽はそこから伸びずに終わったけどね)、私の特技・超楽観主義と超ご都合主義を遺憾無く発揮させてきたから。
それで上手に乗り越えて、未練なく次の恋に進めてこれた。
納得できないまま相手がいなくなる、なんて初めて経験した。そのおかげか、ここまで自分の気持ちを掘り下げられた。これまで見えなかった自分と出会えた。

そう気づいてから、彼への感謝も湧いてきた。
恋のときめきも、自分の至らなさへの気づきも、経験させてくれてありがとう。
ただの同僚から一歩踏み込んで、あなたの人となりに少しだけ触れられました。
人を大切に思う気持ち、それを体験できたことも幸せでした。
強がりじゃなく心の底からそう思える。
いつか幸せになってね。



時が経つのを待つその渦中の気持ち。今はこんな感じ。
この先まだまだ、彼への気持ちの残り香は変化していくんだろうなぁ。
時間が経ってからまた向き合ってみたい、この恋の行方。
また気が向いたら書こうっと。
そして完全に時間が経って、それこそ「時が解決してくれた」頃、この日記に戻ってきてみたい。
美しく封をされて宝箱にそっと仕舞われた恋心を取り出して、日の光にかざして眺めたい。
そう考えながら眠ります。おやすみ私。



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