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デザイナーとして上流の仕事をやりたい、の「上流」って、いろんな捉え方ができるよなぁ、という話

こんにちは、すずとも@UXデザインセンター(UXDC)です。

先日、UXDCのみんなと四半期のふりかえり祭を実施したのですが、

💡 ふりかえり祭とは、3ヶ月に一度、メンバー全員がリアルな場に集まって、その期にできたこと、できなかったこと、今後やっていきたいことなどを共有しあう祭です

ふりかえり祭のmiroの様子
ふりかえり祭のmiroの様子

その中で出てきた
「上流の仕事をやりたい」的な会話が多い気がしますが、そもそもそれってなんでしょう?そしてそれはみんな思ってることなのかな?
というコメントに興味を持ったのでした。

みんなが「上流」という言葉で思い浮かべている状態、確かに、実はけっこうバラバラなのかも!?
なので、この機会に自分なりに「上流」とは何か、そのさまざまな解釈について考えてみました。

それぞれがイメージする「上流」

そもそも「上流」とは

デジタル大辞泉では以下の定義でした。

  1. 川の流れの、源に近い方。また、源に近い部分。かわかみ。⇔下流。

  2. 社会的地位・生活程度などの高い階級。「上流家庭」⇔下流。

なるほど、なるほど。今回の場合は1の意味で使われていることが多そうです。
仕事の全体像を「川」に例えてみるとして、どんな性質や大きさの「川」をイメージしているかで、「上流」という言葉が表す状況が変わってきそうです。

システム開発における様々な「川」

UXDCが携わることが多いシステム開発だと、以下のような「川」&「上流」が考えられます。

「制作/実装」川

これから作るシステムの全体像は見えていて、それをどんな画面で実現するかを具体化していく段階。
上流でやること=どう作るか、に責任を持つ。工程では要件定義や設計が該当しそうです。

「開発プロジェクト」川

とあるシステムを作るという課題は決まっているものの、どんなコンセプトで、何をどんな手段で実現していくのかをこれから策定する段階。
上流でやること=何を作るか、に責任を持つ。工程では提案や要件定義が該当しそうです。

「ビジネス」川

そもそも今取り組むべきことは何なのか、問題をどのように解決すべきかを考える段階。
上流でやること=事業的な問題をどうやって解決するか、に責任を持つ。工程では企画やRFP作成が該当しそうです。

ちなみにUXの5段階モデルで考えてみても、5つの階層それぞれの中でも「上流」がありますし、5階層全体としてみたときの「上流」という軸もありそうです。

また、プロジェクトは複雑で、必ずしも直線的には進まないことから、ちょっと視点を変えて、自己のあり方や働き方からも「上流」を考えることができるかもしれません。

「事業貢献意識」川

システムを利用するユーザー、その業務全体、その先。工程がどんな段階であろうとも、より広く、深く、様々な観点を取り入れながら設計しているかどうか。
上流=設計する際に意識を向ける範囲が広い状態

「意思決定」川

何か物事を進めるとき、ざっくり「決める」「決まったことをベースに動く」という流れがあるとするならば、仕事の内容はなんであれ、自分で決めていると実感しながら働いている状態。
上流=裁量を持って働いていると感じている状態

抽象的な言葉に頼らず、ちゃんと共通認識を作っていきたい

「上流の仕事をやっていこう」と言うだけでは、チーム内で目指すべき方向性が不明確になってしまうことに気づきました。それぞれが「上流」という言葉に異なるイメージを持つ可能性がある以上、「上流」という抽象的な言葉に頼らず、目標や成長の道筋を明確に言葉にして、チーム内で共有することが大切です。そうすることで、チーム全体で、あるいは個人で、目指すべき「上流」を明確にし、そこに向かっていくことができます。

「上流」に向かうためのエンジンは、「これって何のためにするんだっけ?」

心持ち次第で現在地からちょっと上流にいける

上流の仕事をやりたい、と思っても、理想通りの仕事なんてなかなかないのが現実。だけど、どんな「川」のどんな流れにいようとも、「これって何が目的なんだっけ?」と考えることが大事かなと思っています。
もちろんプロジェクトの状態によっては戻るのが難しいことも多いですが、そもそもを考えたことは決して無駄にならないですし、目的を意識し続けることが、「上流」に向かっていくための強力なエンジンになるのではないでしょうか。

written by すずとも
使われる/使いたくなるモノを目指して、チームメンバーやクライアントとあれこれ奮闘中。なめらかに繋ぐ、なじませる設計が好きです。


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