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フェンシング競技男子エペ 世界ランキングとSNSのフォロワー数の関係?

●まずは個人世界ランキングについて

前 日本フェンシング協会会長、現 国際フェンシング連盟理事、国際オリンピック連盟委員の太田雄貴氏、現日本フェンシング協会会長 武井壮氏らの積極的な取り組みにより、日本におけるフェンシングの露出は大幅に向上した。
同時に週刊誌報道等によるネガティブ発信を見受けられ、”露出することが良いことばかりではない”ということを思い知らされた。だがそれに負けることなく、選手たちの技術力は確実に成長しており、国際大会におけるメダルを頻繁に獲得している。

男子エペ 個人世界ランキング ※2022/11/13時点

フェンシングはテニスと同じく世界ランキング制を導入しており、
①ワールドカップ (個人/団体) 5試合
②グランプリ   (個人)    3試合
③大陸別選手権  (個人/団体) 1試合 ※日本はアジア・オセアニア
④世界選手権   (個人/団体) 1試合
以上の年間計10試合を1シーズンとして戦っている。毎試合ポイントが更新されるとともに、ランキングも変動していく。

上に掲載しているのは、世界ランキング上位32をシンプルにまとめているもの。※国際フェンシング連盟Webサイト https://fie.org より
直近のスイスワールドカップ(2022/11/10〜11/11)の結果は反映されていない
(加納選手は本大会個人銅メダルを獲得しランキング3位につけています。
また、この時点で何らかのポイントを所持している選手は世界で535人。その中で上位に日本人が4人も位置していることはスゴい!とまずアピールしておきたい。

●SNS(Instagram)のフォロワー数をランキングにしてみると。。。

私は過去、宣伝・広告業務を担当したことがあり、オウンド/ペイドメディアの運用や管理について少し知識がある。その視点から気になったのは”強い現役選手=フォロワーが多い選手”なのかということである。

Instagramフォロワー数ランキング順に並び替え ※2022/11/13 23:30時点

今回は画像・動画において強く、日本において宣伝費も多く安定してプロモーションに運用されているInstagramにおいて、世界ランキング上位32名をフォロワー数順に並び替えてみた。1万フォロワー以上については”○.○k”としか表示されないため末3桁を000としている。
率直にまず思ったこととして、全体的にもう少し数が多くてもいいのにな、と感じる。フォロワー数1位のLIMARDO選手(ベネズエラ)が7万4000人とダントツで他を凌駕しており、フォロワー数1万人以上の選手は10人に満たない。

競技発祥の地フランスでは?

フランスの選手をピックアップ 

毎年フランスで国際大会が行われるフェンシング。国技ということもあり、チケットが有料であっても大勢の観客が訪れる。
フォロワー数のトップ4に2人のフランス代表選手がしっかりと入っている。しかし、やはりベースとしては少ないと感じる。世界ランキング7位のBARDENET選手は代表選手としての活動も長いので、ベスト10入りしていてもおかしくないのに意外に少ない。

過去の個人メダル獲得数で見てみると?

過去の個人メダル数を追記

①オリンピック個人
②ワールドカップ、グランプリ、大陸別選手権、世界選手権
以上のメダル数を累計し表に加えてみた。
フォロワー数1位のLIMARDO選手(ベネズエラ)の合計メダル数は25個!
表彰台に上がる数が多く、安定してフォロワーを集めていることに直結していることがわかる。またフォロワー数の上位の選手になるほど、合計メダル獲得数が圧倒的に多い。

オリンピック個人金メダルを獲得するとインフルエンサーになれる?

LIMARDO選手(ベネズエラ)、CANNONE選手(フランス)、PARK選手(韓国)は、現役選手ながら過去オリンピックの個人金メダルを獲得した選手だが
その全員がフォロワー数1万人を超えている。中でもCANNONE選手は、オリンピック以外のメダル数が4と他のフォロワー数上位選手よりは少ない。この選手は東京2020オリンピックにおいての金メダリスト。
仮説として考えられるのは

①次回オリンピックがフランス・パリで開催されるため、自国民に注目された
②国技で自国フランスの選手が優勝したことへの注目
③無観客開催だった為にライブや各メディアのコンテンツ数が増え、
 他大会よりもデジタル上での注目が高まった

ということが可能性としてあると推測する。

インフルエンサーとは、影響を及ぼすという「Influence」を語源としており、SNSなどを通じて情報発信し、それによって多くのフォロワーに影響を与えている人物を指す言葉である。(weblioより:https://www.weblio.jp
フォロワー数が1万人を越えると、企業からの案件がちらほら来るようになるらしい。一定のコミュニティーにおいての影響力がありつつ、リアクションやUGCなどの質も高い階層として認知されるようになる。
広告の質として考えると、
①フォロワーがめちゃめちゃ多い人に頼む→費用はかかるが影響力がある。
 しかしインフルエンサーとフォロワーの距離は遠く、食いつく人の比率は
 やや少ない傾向にある。
②フォロワーが程々に多い人に頼む→費用は上に比べて少なめだが影響力は劣る。
 しかしインフルエンサーとフォロワーの距離が近いため、食いつく人の比率は
 高い傾向になる。

実際には、彼らがそういった案件を受ける/受けないの選択があるため具体的な分析はできないが、社会からこのような側面として見られているということも事実だろう。

●個人的まとめ

○フェンシング競技、男子エペ種目においてはSNSのフォロワー全体数が
 まだまだ少ない。発祥フランスでもそれは同じことと言える。
○昨年団体で金メダルを獲得した日本人3名はフォロワー数上位に入ってきている
 →日本におけるInstagramの利用度は高いという確認ができた。
○競技の普及だけでなく、活動資金を集めていくためにも、若手の選手や
 活躍しはじめた選手は効果的なオウンドメディアの運用が可能性として
 残されている。

私自身、既に引退をしているので「やってみたかったな〜」と後悔しているのが
”個人投稿の宣伝”である。Instagramは実は個人投稿を広告としてお金を払うことで多くの新規セッションを獲得することができる。対象の人数などに合わせて金額を調整できるので、少額での実施も可能。是非今後選手がメダルを獲得した際は、これを実施してみることをオススメしたい。また他種目のフォロワー数や他競技についてもまた機会があれば集計し見ていきたい。

Es.relier 宇山 賢