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フェンシング、2023年早速メダルラッシュ!

2023年、年明け早々に国際大会が開催された。
今年は4月からパリ五輪に向けた選考が始まるため1月から3月の国際大会は、団体・個人のポイントも重要になってくる(選考開始時のスタート位置をよくするため)。
そんな中、
男子フルーレと女子フルーレの※ワールドカップ大会、
男子サーブルと女子サーブルの※グランプリ大会が開催された。
この4種目のうち3種目で日本代表勢が2023年早速メダルを獲得!

※ワールドカップ大会・・・年5回、個人/団体ともに開催される
※グランプリ大会・・・年3回、個人のみ開催される。世界ランキングのポイントはワールドカップの約1.5倍となる

男子フルーレ(フランス/パリ) 期間:2023/1/13~1/15

団体において銅メダルを獲得した。
準々決勝でエジプトを45-43で下し、準決勝に進出。
準決勝では強豪イタリア(世界ランキング1位)を相手に惜しくも1本勝負で敗れたが、3位決定戦において中国に45-16と強さを見せメダルを獲得。
メンバーは松山恭助、敷根崇裕、飯村一輝、鈴村健太。
東京五輪前後の期間では団体メンバーを色々と入れ替え試行錯誤していたが、そこに若手の飯村一輝選手を投入。彼は2022年世界ジュニア選手権で個人金メダルを獲得の実力を持つ期待のホープ。ジュニアからシニアのギャップをものともせず実力を発揮し、チームに貢献している。個人世界ランキングでは格上のベテラン選手にも積極的な勝負を挑み得点を重ねた試合が印象的だった。
本大会の結果をもって日本のランキングは3位。
4月を迎えるまでに4位につけているフランスとのポイント差を広げたいところだ。(現在は同ポイント)

photo by FIE(国際フェンシング連盟) 公式facebookより
(左から飯村一輝、松山恭助、鈴村健太、敷根崇裕)

女子フルーレ(フランス/パリ) 期間:2023/1/13~1/15

団体において銅メダルを獲得した。
準々決勝でライバルであるカナダを36-29で下し、準決勝に進出。
準決勝では強豪イタリア(世界ランキング1位)に45-43で惜しくも敗れたが、3位決定戦において世界ランキング3位のフランスに45-39で勝利しメダルを獲得。
メンバーは東晟良、上野優佳、菊池小巻、宮脇花綸。
過去何度もメダル獲得をフランスに阻まれてきたが、本大会で積年のリベンジを成し遂げた。この3位決定戦において注目したいのが菊池小巻選手だ。団体戦の終盤にあたる7セット目で、個人スコア8-2とチームの勝利を決定づける働きをみせた。特定の技にこだわることなく、アタックやディフェンスを使い分けて相手選手を翻弄した。点数だけでなく試合の流れを引き寄せ、上野選手、東選手に繋げた。
本大会の結果をもって日本のランキングは4位。
今後3位の宿敵フランスの攻略は必須。今回の経験・感覚を忘れずに次に繋げてほしいところだ。

photo by FIE(国際フェンシング連盟) 公式facebookより
(左から宮脇花綸、東晟良、菊池小巻、上野優佳)

女子サーブル(チュニジア/チュニス) 期間:2023/1/14~1/15

個人において江村美咲選手が銅メダルを獲得した。
準々決勝ではスペインのNAVARRO選手を15-7で下し、準決勝に進出。
準決勝では今大会で金メダルを獲得したギリシャのGEORGIADOU選手に10-15で敗れ3位となった。(個人はオリンピック以外の試合で3位決定戦は行われない)
江村選手は昨年の世界選手権で金メダルを獲得した実力の持ち主。「日本人はサーブルでは勝てない」という概念を覆してきた存在だ。
本大会の結果をもって江村選手のランキングは2位。
世界ランキング1位との差はわずか11ポイント。真の世界女王の座を奪ってくれることを期待している。

photo by FIE(国際フェンシング連盟) 公式facebookより
メダルを持つ江村美咲

まとめ

パリ五輪の選考レースの前哨戦に当たる1月から3月。各国の力の入れ具合も今までと大きく異なる。このメダルラッシュの波をキープしてほしい。私自身、この期間は世界ランキングを少しでも上げたいと焦っていたが、新しいことを試せる最後のチャンスでもあったので、選手たちには明確な目的と過去の経験を活かしてこの期間を戦い抜いてほしい。
次戦は1/27~1/29 カタール/ドーハで開催される男子エペ、女子エペのグランプリ大会。エペは特に個人ランキングの入れ替わりが激しい種目なので、各々のパフォーマンスのピークをどこに当てるかが勝負になると考える。今年のエペは誰の活躍でスタートするか楽しみだ。


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