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うずフェス(仮)はじまりのはじまり

はじめまして。うずフェス(仮)の中の人です。
うずフェス(仮)は、演劇、コント、ライブ、アート、映画など、様々なエンタテインメントがごちゃ混ぜになったエンタテインメントフェスです。
飲食店×劇場×ホテルで繰り広げられます。

お時間がない方は、エピソード3だけでもぜひお読みください。

エピソード0

いきなりですが、、、いつの時代も若いクリエイター・アーティストの悩みは同じです。
お金がない、場所&環境がない、人がいない、など、“ないもの”ばかりに振り回されてしまいます。
僕たちはどうにかして、そんなあなたの悩みを吹き飛ばしたい。

そんな初期衝動からこの企画はスタートしました。
一人部屋で企画書を作っていて、どんどんやりたいことばかりが増えていきました。

最初に頭に浮かんだのは、
表現欲求も承認欲求も人一倍強く、
「何かを創りたい!表現したい!発表したい!」という人の存在です。
そんな人が身近に感じることのできる場所、
そんな人が自由に活動できる場所、
そんな人が多くの人に認められる場所、
そんな場所を準備するためには何から手を付けたらいいんだろうかと、2週間ぐらい悩みました。

なぜなら、SNSを開くと目に入ってくるのは、他人の承認欲求の揶揄ばかりだったからです。
僕もそんな人間の一人だったと思います。斜に構えて、批判を避けて、他人の表現欲求をケラケラ笑っていた時期が長かったので、本当に心苦しいのですが、やっぱりSNSで展開される殺伐さにゲンナリしてしまいました。

そんな自分の過去は棚に上げまくって、うずフェスでは、「何かを創り、発表し、他の人に認められること」を全力で支援します。
ここでこれを肯定しないと、日本のエンタテインメントがどんどん冷笑的なものになっていってしまいそうで怖かったからです。

エピソード1〜コンセプト〜

そんなこんなで企画が動き始め、エンタテインメントにまつわるフェスにしようという骨子だけ決めて、ベースになるコンセプトをまとめ始めました。


「あなたの熱狂が誰かのエンタメになる。」
「何者かになりたい人のための3日間。」
「リアル投げ銭フェス。」
「エンタメの価値はあなたの感動で変わる。」
「感動したパフォーマンスにお金を払う。感動してもらうために必死で表現する。」
「感動の強さはお金の価値すら変える。」
(思い付いた順です。)

コンセプトにはいくつか方向性があります。


1.誰かの熱量が他の誰かに届き、それがその人を感動させたら、それはもうエンタテインメントだ!という方向性

2.何者かになりたいけど、その最後の一歩が踏み出せていない人の背中を押すようなエンタテインメントの祭典!という方向性

3.アーティストのパフォーマンスがその瞬間その場所にいる観客に評価され、観客はパフォーマンスに対して楽しんだ分だけお金を支払う!という方向性

そこからさらに突き詰めていくと、3つ目の方向性の重要性を感じていくようになりました。

エピソード2〜パフォーマンス経済=投げ銭フェス〜

世の中にはたくさんの無料コンテンツに溢れています。普通に生活するだけならそれを楽しんでいれば十分ですし、ソーシャルで展開されるコンテンツが無料になっていく流れを止めるのはほとんど不可能です。
けれど、1人のユーザーに身を置いた時に忘れてはいけないのは、自分たちが楽しんでいるエンタテインメントは他の誰かが時間をかけ、生み出しているということです。「何かを創る」という行為自体が無料になることはありえないし、それをOKにしてしまうことは個人的にも嫌です。

では、どうすればよいのでしょうか?あれこれと考えながら思い付いたのは、貨幣経済の限界が見え、評価経済、信用経済といった様々な形の経済が可能になりつつある現代において、エンタテインメント業界に必要なのは、「パフォーマンス経済」なのではないか?という仮説です。
つまり、「アーティストのパフォーマンスを観客が体験して、感動した分だけのお金をアーティストに直接還元する」という感じです。

これって「投げ銭」です。投げ銭という行為を介して行なわれているのは、アーティストのパフォーマンスに感動した人が、自分がこれだけ出したい!と思った分だけをアーティストにお金を手渡すこと。原初的で感動的なエンタテインメントビジネスの姿です。
500円を投げる方もいるだろうし、10.000円を投げる方もいるでしょう。パフォーマンスに対する感動は観客によって違います。もちろんその価値も。

投げ銭が成立しにくいのは日本人の国民性とか、そういったことではないように思います。
エンタテインメントは、“期待”によって対価が定められていきます。
「これぐらいの金額にしてこれぐらいの人数が集まれば、収益としてはこれぐらいになる」という創り手側の期待と、「このアーティストのこのイベントであればこれぐらいの金額を出しても良いかな」というファン側の期待の両方です。

どの程度の売上があるかを想定した上で、使用できる予算が決まり、費用を算出して、利益を分配していきます。想像以上のファンが集まればチケットの金額は安かったのかもしれないし、その逆もまた然りです。そんなことを繰り返していく中で、アーティストのパフォーマンス価値が具体的な金額として固定化していきます。
CDは3,000円だったり、映画は1,800 円だったり、ライブハウスでのライブは2,500円だったり、小劇場の演劇は3,000円だったり。

もちろんその想定をしていないと、興行は成立しません。
でも、3,000円と定められたパフォーマンスが、自分にとっては1,000円に感じたり、はたまた10,000円に感じたりするような経験を、したことがある方は多いのではないでしょうか?
アーティストのパフォーマンスが生み出す感動が、人の人生を変える瞬間を何度も目にしてきました。それはエンタテインメントの最良の瞬間です。
だからこそ、心底感動した時には規定の金額以上のお金をアーティストに対して支払うことがOKな空間をつくってみたいと思いました。

色々考えたのに、最終的には「投げ銭」かよ!と少しだけ凹みました。画期的なアイディアなんてそう簡単には出てこないですね。
でも、佐々木中さんが磯部涼さんとの対談の中で仰っていましたが、真の新しさは「新しいものとの新しい関係」でも「古いものとの古い関係」でもなく、「古いものとの新しい関係」だと信じています。
投げ銭という古くなってしまったかもしれないシステムと、どうやって新しい関係を築いていくかが勝負だと信じて、踏み切りました。
ソーシャルで投げ銭的なシステムがたくさんあることも踏まえた上で、それをリアルなパフォーマンスで体験していただきたいのです。

「うずフェス(仮)」の入場料は日によって異なりますが、2,000円〜3,000円で、500円分のチップを含んでいます。(細かい料金体系は追ってご案内します。後述しますが、コンセプト的に学生の皆さんはもうちょっと安くします。)
500円分は投げ銭を体験してもらいたいと思っています。その500円はアーティストに還元されます。
もっと投げ銭をしていただける方は、もちろん追加でチップを交換できます。

結局入場料はとるのかよ!というご意見もあるかと思います。
フェスを実施するためには、アーティスト以外にも多くの人・モノ・場所が動いているので、それを動かすための入場料は設定しています。すみません。できる限り安くしました。
一度入場していただければ、丸一日楽しめますので、自由に楽しんでください。

フリーライドが横行したら、アーティストのギャラなしかよ!というご意見もあるかと思います。
仰る通りで、賭けでもあります。だからこそ、このフェスへの出演にOKをいただいた方にはめっちゃ感謝しています。その大前提があった上で、「パフォーマンスが評価される」というのはそういうことのはずです。
ぜひ観客を熱狂させてほしいし、それができる方々だと信じています。そして、フリーライドが横行したらめっちゃ謝ります。投げ銭が活発化する空間や環境が準備できないとすればこちらの責任です。

1.アーティストのパフォーマンスに対する感動を直接的な形で還元したい。
2.そもそも「投げ銭」という行為自体を体験してもらいたい。


この2つがあったので、投げ銭フェスとしての「うずフェス(仮)」の姿になりました。

エピソード3〜何者かになりたくて、なれなくて、それでもなりたいあなたの物語〜

まだもうちょっと続きます。
ここからは、観客になってくれるかもしれない、顔も名前も知らない方に向けた文章です。
うずフェス(仮)は、「他の誰でもなく、何者かになりたいあなたに届いてほしい。」と思って、企画しました。
メインビジュアルに“何者かになりたくて、なれなくて、それでもなりたいあなたの物語”というサブタイトルをつけた理由はそんなところにあります。

出演しているアーティスト・クリエイターと同世代、あるいはそれより下の世代のあなたに届いてほしい。何者かになることを一度でも諦めかけてしまったことのある、あなたにこそ。
あなたの中にある表現欲求を、同世代のアーティスト・クリエイターのパフォーマンスによって焚き付けられてほしい。
なぜなら、あなたはまだ何者にでもなれるのだから。
自分を悲観する必要なんてありません。
「見る側」から「魅せる側」を隔ているものは、実はとっても細い境界線なんだと知ってもらいたいのです。いつだって、勇気ある一歩で踏み越えられる境界線です。
そして、その一歩を踏み出すために背中を押してくれるのがエンタテインメントの役割です。

うずフェス(仮)は、そんな体験が色々なところで生まれるフェスになってほしいのです。
アーティストの熱狂は、あなたのエンタテインメントになります。他の誰でもなく、あなたにとってのエンタテインメントに。

最初にお伝えしたように、僕たちは承認欲求を全肯定します。
アーティストも観客も、どちらの承認欲求も全肯定します。だから、楽しんでいる自分、感動で泣いてしまった自分、無邪気にワクワクしてしまう自分、そういった自分を表現することを恐れないでほしいのです。そして、「そんな自分を認められたい」と思う自分の気持ちを大事にしてほしいと思います。
表現はそんな些細な感情から始まります。それは恥ずかしいし、批判されるかもしれないし、バカにされるかもしれません。でも、そこを乗り越えるだけで気持ちはだいぶ楽になるはずです。
そして、承認欲求を揶揄をしてくる人にはこう言ってやりましょう。
「人に認められるために何かを表現して、実際に認められて喜ぶことのどこがいけないんだ!」と。

うずフェス(仮)を企画した僕たちはもう若者ではありません。でも、若者の頃に感じていた鬱屈はまだ消え去ってくれません。
何者かになりたくて、何かを表現したくて、でも自分にはそんな才能がないと悲観していた頃の自分。
あの頃に感じていた羨望も怨恨も、社会に出て流れていったしまったようで、自分の中にこべりついて離れないことを日々痛感しています。
今の時代もそんな悩みを抱えている人がいるのであれば、ぜひうずフェス(仮)に来ていただきたいです。あなたのために企画したフェスです。

パフォーマンスをする人も、パフォーマンスを見る人も、それぞれがそれぞれの形で、それぞれの立場で何かを表現する。エンタテインメントの力で何者かになるための一歩を踏み出す人が、一人でも多くなることを目指したフェスです。

2019年4月12日(金)〜14日(日)@浅草
出演してくださる方の詳細はしばしお待ちください。
あなたの参加をお待ちしています。楽しみにしていてください。

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