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【308日目】点滴チューブをすべてはずす

ご隠居からのメール:【点滴チューブをすべてはずす】

鼻に差し込んだ点滴チューブがはずされた。これですべての点滴チューブから解放されたことになる。昼間は寝そべったりせず、椅子かベッドに座るよう看護師に言われた。退院・外出の準備のようだ。

アプリ「アレクサ」を媒体とする家族とのオンライン・コミュニケーションを再度実施した。昨夜の医師回診で、もう重症化しないことが確認された。たぶん2月1日には退院のはこびになりそうだ。


返信:【Re_点滴チューブをすべてはずす】

あと二日で退院だね、おめでとうございます。だれよりも母さんが喜んでいるよ。2022年は、父さんの入院からはじまる年となったけど、これからは、良縁、幸運が舞い込んでくると良いね。自分としては、「息子へ紡ぐ物語」をまとめることができたので、1月から結構満足している。


「人間は死ぬものだ」というテーマは、以前から仲間うちでもよく議論をしていた。現代の人々は「死」を身近に感じていない。だから、結婚式もあげないし離婚もする。「死」を現実に受け入れる訓練をしていないのだよ。もちろん、自分もしていない。明日死ぬとは思っていない。でも、心豊かな人生を送るには、結構重要なことだと思うんだよ。

死生観をもつことで、人一倍努力する人もいれば、人に優しくする人もいる。なかには、わがままを通す人もいるかもしれないけど、両親が亡くなったことを理由に猟銃をぶっぱなすなんてことはしない。

では、どんな訓練や風習がいいのだろう。本当は、それがお盆とか墓参りだったのかもしれないな。日本の場合、仏教が人の心を支える役目をしてきたのだろう。東条英機が巣鴨プリズンに入ってから仏教を学び、「軍人はみんな仏教を学ぶべき」と発言するほどだからね。

日本は自由主義、民主主義を得ることによって、言論の自由、信仰の自由を得ることができたけど、信仰を失う自由も手に入れたということだね。自分だけかもしれないけど、宗教は胡散臭く思えてしまう。表現をかえると、身構えてしまう。本能的に拒絶してしまうのだ。

でも、伝蔵さんの話であったり、瀬戸内寂聴さんの話だったり、儒教だったり陽明学には、人生のヒントがたくさん語られている。少しずつ学べていることは、ありがたいことだな。


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