銀座から幕張まで歩いて旅してみた(約35km)
天気の良い冬のある日、銀座から幕張まで約8時間程かけて歩いてみました。意外に楽しくて、かつ今までにない体験ができたので、その内容をここに記しておきます。
趣旨
江戸時代の旅人の感覚を体験してみたいと思ったのが動機です。江戸時代は一般庶民でも旅に出る機会があったようですが、成人男子だとだいたい1日に30〜40kmぐらい歩いていたらしいです。今までの人生で1日にそんなに長い距離を歩いて移動したことはなかったので、どんな感覚なのか味わってみたくて実行しました。
条件
歩いたルート
スタート地点を銀座、ゴールを幕張にしました。銀座四丁目の交差点からスタートして晴海通りをまっすぐ進み有明まで移動、有明で首都高とぶつかった後はそのまま海沿いに千葉方面に向かって歩き、新木場の辺りからはほぼ京葉線と並行する形で海浜幕張の駅まで歩きました。途中で多少の寄り道もしたので正確な距離はわかりませんが、大体35kmぐらい歩いています。
昼の10:30くらいに出て、海浜幕張の駅前に着いたのが19:30ぐらいでした。昼食や休憩の時間を除くと約8時間ぐらい歩いていた計算です。
筆者の体力
今までに1日に歩いた距離としての最長は20km前後です。
普段は有酸素運動などは特にしていませんが、年に数回は登山に行っていて、最長で9時間ぐらいは歩いたことはあるので、今回も途中でギブアップする事はないかなというのが事前の見立てでした。
歩いてみた結果
体力的な部分
ランニング用のスニーカーを履いていたこともあって、足は心配していたほど痛くなりませんでした。
腰と背中は15〜20kmあたりから痛くなってきました。座って休憩すればある程度回復するので、痛みが耐えられないレベルになることはなかったです。
序盤は道中の景色を楽しんだり写真を撮ったりする余裕があったのですが、15kmぐらいから疲労を感じる様になり、楽しい散歩という気分ではなくなってきました。
20kmぐらいからは歩くことに辛さを感じる様になりました。ゴールまで歩き切ると決めていなかったらリタイアして帰りたい気分です。今までで1日に歩いた距離の最長が20km前後だったのは、この辺に理由がありそうです。25kmぐらいからは疲労感が麻痺してきて、逆に歩ける気分になってきて、そのまま最後まで歩けました。
沿道の風景と気分の変化
綺麗に街区が開発されているエリアの方が歩いていて楽しいし、疲れも感じにくかったです。具体的に言うと、銀座〜有明の区間、新浦安駅周辺、南船橋駅周辺、幕張周辺は、歩道も綺麗に整備されていて、かつ建物の間の空間も広く、歩いていて気持ちよかったです。
逆に、交通量の多い車道のすぐ横を歩くような道は、余計に疲労を感じているような気がしました。
ちなみに、終盤の3時間ぐらいは日が落ちていて暗かったのですが、それによって疲労感が増えるということはありませんでした。むしろ多少静かになる分、気持ちよく歩けるかもしれません。
退屈との闘い
それなりに風景の変化のあるルートでしたが、それでも同じような景色が続くこともあり、長時間歩き続けていると退屈を感じてきます。今回は歩きながらYouTubeの動画を音声だけ視聴する等して、退屈を紛らわせていましたが、それが無かったら精神的にかなりしんどかったと思います。
楽しさを感じたポイント
「旅をしている」という感覚を強烈に味わうことができました。午前中は銀座にいたのに、昼にはディズニーランドの辺りにいて、いつの間にか千葉に入り、夜には幕張メッセの前にいたわけですが、いつもなら離れた点同士であるそれらのエリアが、歩いた道を通じて一繋がりになっているのが不思議な感覚でした。
普通に生活や旅行をしていたら行かないような場所に行けたのも面白かったポイントです。高速道路が行き交う海辺の倉庫街や、大きなショッピングモールを囲んだ郊外の住宅街等、東京に長いこと住んでいながら一度も見たことのない風景を見ることができました。自分の身体で移動しながらエリアの雰囲気の変化を感じられるのは、このスタイルの旅でしかない良さだと思います。
おまけ
帰りは海浜幕張から京葉線に乗って東京方面に帰っていったのですが、今回はほとんど京葉線沿いを歩いていたので、帰りの電車が一駅一駅停車する度にそこを歩いて通ってきた時のことが思い出され、期せずして総集編のようなエモさを感じてしまいました。
まとめ
体力的にはなかなかハードですが、「街から街へ移動する」という現代の旅では感じにくくなった面白さを体験できるアクティビティでした。普通の旅に飽きた人、始めてみてはいかがでしょうか。
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