(45)6月のケン
ケンの親知らず3本抜きの予約日が近づいた。
入院して3本一気に抜くか通って1本ずつ抜くかの2択で、ケンは後者を選んだ。
そして、いよいよその抜歯予約日が明日にせまってきた…
私が
「明日は歯医者行ける?大丈夫?」
と聞くとケンからは
「わからない」
と返事がくる。
さすがにもうわかる。明日、ケンは、行けない。
いつも通っている歯科院に紹介状を書いてもらってて、抜歯をするのは総合病院の口腔外科だ。今回のキャンセルの電話をするのはおそらく私の仕事になる。
キャンセルの電話は当日したくない。
明日行けない可能性が高いならキャンセルの連絡は今日したいのが人情。
明日ギリギリで謝るのは嫌だ。
と伝えると、あっさり「行けない」と白状した。
「キャンセルの理由はどうする?母さんは正直に怖気(おじけ)付いたと伝えるのがいいと思うけど」
と伝えるとケンも同意した。ただ、自分は電話できないから頼むと。
歯科医院の反応は
「では、また行けそうになったら電話で予約してください。間があまり空くと再度検診からすることになりますがご了承ください。」
だった。
ケンも私もなぜかほっとしてしまった。そしてまだ予約電話はできていない(汗)
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