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英語でお仕事101: Hello this is 〇〇 speaking. という電話の応対表現しか知りません。ほかにはどんな表現が?

電話応対の表現は限定的なので、事前にインプットして練習しておくと焦らず余裕を持てます。

電話は、その場で瞬時に聞き取り、理解し、判断し、反応する処理速度と臨機応変に対応する柔軟性が必要です。電話を受けて相手が英語を話し始めたら焦ってしまう方もいるのではないでしょうか。しかし、話の内容を除けば電話対応の表現は「受ける、かける、保留にする、伝言を受ける」などの場面に合わせたものに限定されます。バリエーションも限られているので、事前に覚えておけばその場で焦らず余裕を持ってやり取りできます。

「電話を受けるとき」の表現をご紹介する前に、まずはいくつか tips(コツ)をお伝えします。

1.) 相手に正確に伝わり、理解してもらえるようにクリアに話すこと。電話ではお互いに顔や表情が見えず、情報は声と発する言葉のみです。相手が聞き取りやすいように話すペースや声のトーンと抑揚にも気を配ります。さらに、丁寧なやりとりが大切です。短いやり取りであっても、言葉遣いや話し方は話し手や所属している会社(組織)の印象に影響します。筆者自身、最初の外資系企業で働き始めた頃は近くに座っていた方の丁寧な電話応対をお手本にし、「名乗るとき」や「切るとき」などの言い回しを練習していました。サッと出てくるようにすればその都度考えなくて済み、省エネになります。
 
2.) 会社(組織)によって、ルールとまではいかないが、電話応対に関する best practices(最良の・効率の良いやり方)や習慣があるか確認すること。オフィスにいる場合は周りの電話応対を聞いてまねしたり、新入社員の場合は誰かに確認したりするのもよいでしょう。筆者が働いてきた職場では、電話を受けるときの Hello は耳にしてきませんでした(ただし、相手の声が聞こえにくいときには Hello? と言うことはありました)。
 
それでは、「電話を受けるとき」の場面を見ていきます。まず名乗ります。社内の方から の場合は名前あるいは部署名と名前だけ、社外の場合は社名だけ伝えれば十分です。社外からの電話では、登録のない(あるいは見覚えのない)番号からかかってきたときに必要以上にこちらの情報を伝えないよう「(名前)です」と個人名を言わない方が安全です。理由は、相手がセールスの cold call(見込み客への突然の売り込み電話)、あるいは social engineering であった際の情報漏えいのリスクを避けるためです。ソーシャル・エンジニアリングとは、人の心理的な隙や行動のミスにつけ込み、機密情報を不正入手する詐欺の手口のことで、電話では取引先、上司・役員、弁護士、警察などに成り済まし、緊急だと言ってプレッシャーをかけ、不正アクセスの糸口となるID やパスワードなどの情報を聞き出します。相手は「〇〇社の番号」としか分からずかけている状態であれば、電話を受けて「(名前)です」と名乗った瞬間相手に名前が知られてしまいます。では、定例表現を見てみましょう。


社外からの電話を受ける
 
Japan Times Publishing.
*社名のみ。Holdings, Limited, Incorporated などは省略可
 
Japan Times Publishing. How may I help you?
ジャパンタイムズ出版です。ご用件をお伺いいたします。
 
Good morning [afternoon]. Japan Times Alpha. (How may I help you?) 
おはようございます[こんにちは]。ジャパンタイムズ・アルファです。ご用件をお伺いいたします。


社内の電話や取り次いでもらった電話に出る

 
(This is) Kei Kitagawa. (How can I help you?)
北川ケイです。ご用件をお伺いいたします。


自分宛の電話を受ける
(May I speak with Kei? の返答例)
 
This is he/she.
はい、ケイです。
 
This is Kei.
ケイです。
 
Kei speaking.
ケイです。* “This is Kei speaking.” を省略した “Speaking.”(本人です)は聞くことがあるが、あまり丁寧ではない
 

電話を切る前のあいさつ
 
Thank you for your help.
I appreciate your help.
ありがとうございます。*依頼に対応してくれたときに
 
Thank you for calling.
お電話ありがとうございます。
 
Thank you. Goodbye.
ありがとうございます。失礼いたします。
 
Goodbye now.
失礼いたします。

 
*この記事は The Japan Times Alpha 2021年5月14日号「In the Workplace: 英語でお仕事101」に掲載されました。

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