『ボーはおそれている』をまだ観ていない人へ
この映画を観る前にはやっていかないといけないことがある。
町山智浩の解説動画を履修しておくことだ。
町山智浩の解説が必要な理由
いや、気持ちはわかるよ。
ネタバレは避けたい、他人の影響を受けたくない等々。
根底にあるのはアリ・アスター新作に対する期待だと思う。
僕はこの期待により失敗した人間だ。
僕ならアリ・アスターの作品を解釈できると過信していた。
はっきり言わせてもらうけど、現代日本にこの作品の背景を解釈できる人間はほぼいない。あなたにこの作品を熱烈に紹介してきた知り合いも本当のことは理解できていない。
それはなぜか。
全体が旧約聖書のヨブ記を基にしているからだ。
詳細については町山さんが語っているので省略するけど、ユダヤ教・旧約聖書・ヨブ記の知識がないと作品の(本当の)背景は理解することができない。
解説なしで観た人の感想
こういった前提知識のない(つまり)人間がこの作品を鑑賞したらどんな感想を抱くだろう。
・精神疾患を持った人間の世界なのかな。
・母親から束縛をうけた息子の話かな。
・ち〇ち〇すごい。
せいぜいこのくらいだ。
もちろん、解釈に誤りなんてないからそれで良いんだけど。3時間もあるから何とか楽しめるポイントを探し続けないといけないんだ。
3時間、ある種の自己肯定を続けた人間は「3時間もあるけどあっという間だったよ」なんて嘘をつい言ってしまいがちだ。
避けることのできる悲劇は避けるべきだよ。
もう観ちゃった人へ
そんなこと言われても、もう観たしと言う人もいるだろう。
大丈夫、まだあの地獄の3時間を取り戻すことができる。
町山智浩の解説動画を観ることだ。
大事なことだからもう一度動画リンクを貼りますね。
意味不明だったあのシーン。
意味ありげで回収されなかったあの場面。
結局ボーはなにをおそれていたんだろうか?
こうした引っ掛かりが全て解消される。
もう一度観てみようかなと思えるほどに素晴らしい解説だ。
なんなら町山さんの解説を楽しむための3時間だったのかもしれない。
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