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オールジャパンで行かねばならぬ

 1ドル=147円(2022年10月15日現在)、円安が止まりません。円安はピンチでしょうか、チャンスでしょうか。私は「令和のグデンがえし」が本格的にスタートしたと考えます。

 日本におけるコロナの水際対策が緩和され、東京駅は外国人で溢れかえっています。彼らは、1回の滞在で京都、奈良、広島、鎌倉などを巡り、銀座でヨーロッパのブランドバックを購入し、1組当たり170~180万円を日本にお金を落としてくれるとマスコミは大騒ぎしています。

 アメリカのFRB(連邦準備銀行)が金利の値上げを発表するたびに円安は進行します。現在は3%台ですが、7、8%まですぐ上昇すると予想されます。一方で、日本はゼロ金利です。このままでは、ますます円は売られ、円安が進行すると言われています。

 円安の進行を心配する識者が多いのですが、私は、円安こそ、日本人が「大和ごごろ」を取り戻す絶好のチャンスだと考えます。円安だからこそ、ホルモン剤を大量に投与された輸入牛や輸入豚を仕入れず、国内産の仕入原価が2倍、3倍になろうとも国内産を購入する絶好の機会なのです。

 高いから売れる!一面もあるのです。今や日本の経済は「フロー型」ではなく「ストック型」です。「フロー型」なら、収入が増えないなら、少しでも出費を抑えようとします。「ストック型」なら、住む家もあるし、子供も独立してお金もかからないから、多少値段が上がっても美味しいもの、身体にいいもの、心が充実するものを積極的に購入するのです。

 和牛の「千本筋」という希少部位はいくら値段を出しても買いたいという人もいます。「安くしないとモノは売れない」と思い込むのは大きな間違いなのです。

 サンマ、秋鮭が歴史的な大不漁です。サンマは1尾100g以下のものはまったく脂がなく美味しくありません。このままでは、船を手放す漁師が増えることが危ぶまれます。船を手放したら、来年に状況が好転しても国内の漁獲量はゼロになります。不漁でしかも燃料高となると、漁業が継続できるように政府や行政も手を差し伸べるべきです。

 そして、我々もサンマの店頭売価が1尾1,000円になってしまっても購入するのです。それが「国守り」です。SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)がマスコミや政府により喧伝されていますが、本当に持続可能な社会にするためには、生産者の知識や技術、ノウハウと言った目に見えない資産(ストック)を守ることなのです。

 農薬まみれの農産物、ホルモン剤過剰投与の畜産物、養殖魚などアメリカで使用禁止になった原材料の在庫処分の場が日本になっているのです。それらを日本人が喜んで購入するように、「値上げ」をマスコミが煽っているのです。

 我々は今こそその洗脳から解脱しなければなりません。川上と川下がタッグを組むこと、“おいしさ”という付加価値を売ること、A級野菜、高級フルーツ、国内漁獲物、国産畜産物、御当地メーカーのウェイトを高めるのです。そう、自給率100%を目指すのです。

 オールジャパンで行かねばならんのです。


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