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蒼穹の見聞録

14
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記事一覧

蒼穹の見聞録14

蒼穹の見聞録14

エノクです

独自の
雰囲気
厳格ある
微笑み

私を
凝視する

ブロッサムの
一礼

私も
慌てて
思わず
頭を深く
下げた

長い髪が
乱れる

ブロッサム
「‥なるほど、少々おめし替えの余地がある」

エノク
「え⁈」
ブロッサム
「清楚正しい服装を選ぶお方だ」
エノク
「ご、ごめんなさい!これしか無くて」

ブロッサム
「良い。此処では皆創造主だ」
エノク
「創造主‥私が?」
ブロッサム

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蒼穹の見聞録13

蒼穹の見聞録13

エノクです

輪廻の
都市部

巨大な
花びらから
上昇し

中央区の
球体部へと
高度を上げる

滝となり

降り注ぐ
雨の中

禊を
する様に

蒼穹
「滝修行スか」
フィー
「禊だ。風圧もある。流されるなよ」

ずぶ濡れ
からの
風圧乾燥



私は
式に
囲まれた
固有結界
なので
問題無いです

岩肌から
洞窟内へと
向かい
侵入する

内部は
転移する
式でもあるのか
光っている

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蒼穹の見聞録12

蒼穹の見聞録12

エノクです

こっちは
片割れの
蒼穹

救護班の
おまるの
おかげで
頭部が
修復された

沢山の
群青の怪物が
攻防神の
ワイヤーに

搬送される

光る赤い
眼光が消え

真っ黒に
だらりと静止
している

エノク
「あんなに暴れた怪物が‥」
「フィー、あれって」

フィー
「情報、知識を支配する」
「侵食系捕食主義者」

人類が
悪魔と
呼称する
者達だと
説明した

搬送された
侵食者に

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蒼穹の見聞録11

蒼穹の見聞録11

余裕の
悪鬼が
傍観する

私の

握り潰した
頭部を
掴みながら

高みの見物

悪鬼
「最後の砦だろう」
「呆気なく潰せると思ったがな」

前進する
500m級の
大型侵食者を
頭上に
見上げる

悪鬼
「手こずるなら神殺しでも使ってやるか」
「もしくは大御神にこのエノクを見せつけてやるか」

爆発

悪鬼
「あ?」

振り向く
自分の
左腕が
根こそぎ
無くなる
代わりに

私の
振り上げた

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蒼穹の見聞録10

蒼穹の見聞録10

意識が
飛んだ

此処から
蒼穹の
証言を元に
再現する

蒼穹の
叫びは
私には
届かなかった

だらりと
力尽き

握り潰された
義体頭部の
欠片が
奈落に
落ちていく

掴まれた
魂となる

悪鬼
「残念だなぁ。エノク」
「ガッカリだ。生前と変わんねえ」

固有結界から
輪廻の
様子を見に
転移した
悪鬼

蒼穹の叫び
すら動じない

悪鬼
「お?」
「何だ、思ったより頑張ってるじゃねーか」

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蒼穹の見聞録9

蒼穹の見聞録9

悪鬼は
笑う

救いの無い
人類に

こっちは
笑えない

エノク
「だから壊すの?」
「貴方、表情無いから読み取れないわ」

悪鬼
「どうした?仲間の居ねえ農村で16年‥俺と調和取ろうってか?」
「書物で神殺しを果たす。宣戦布告もした」

蒼穹
「‥興味無いっスね」

悪鬼
「嗚呼、俺もお前に興味無ぇ」
「用があるのはエノクだからな」
蒼穹
「さっきみたいに‥笑いながらエノクを引き裂いたんスか?

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蒼穹の見聞録8

蒼穹の見聞録8

悪鬼が
目の前にいる

蒼穹に
振り切って
もらうしか

いや

振り切れない

悪鬼の
瞬間移動

俊敏な
動きで
背後を
取られてしまう

悪鬼
「俺から距離を取ろうと思うな」
エノク
「 」

悪鬼の
手の内

何処かに
転移され

連れて
行かれる

‥エノクです

此処は
一体

エノク
「何処?」
悪鬼
「俺が救済する為に集めた」
「固有結界」
エノク
「卵を救う為‥?」
悪鬼
「お前

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蒼穹の見聞録7

蒼穹の見聞録7

エノクです

蒼穹に
聖釘の
主導権を
共有し終え
すぐ

蒼穹から
伸びる
暗雲が
再び現れた



冷たい‥⁈

霊的
絶対零度

魂まで
凍りつく
冷気

エノク
「式を組まないと連続で発生出来ない筈‥書物の力じゃない⁈」

蒼穹
「さっきの暗雲とは違うスね」

エノク
「蒼穹、頭のリングは隠せるわ。隠すでも何でも良いから消して。式を破壊されたら‥私達終わりよ!」
蒼穹
「了解」

転移反

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蒼穹の見聞録6

蒼穹の見聞録6

エノクです

全長
333m
白銀の
円錐三角形

聖釘が
次々に
形成される

その数32本

エノク
「揃ったわね」

蒼穹
「釘‥⁈」

エノク
「蒼穹、照準を決めないとならないの。協力して」

蒼穹
「どうすれば良い?」
エノク
「聖釘32本分の霊視線。視点を合わせて」
蒼穹
「攻撃対象は?」
エノク
「転移発射口。螺旋に光っている所よ」
蒼穹
「了解」
「えっと。これで良い?」

蒼穹が

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蒼穹の見聞録5

蒼穹の見聞録5

元第七遊撃部隊
ミカエル分隊長
フィー

輪廻
最上部

禊の儀を控える
一級攻防神の列

一体500mの
質量が
行水する

一帯に
レッドアラートが
鳴り響く

オペレーターが
遊撃部隊の
招集を伝達する

フィー
「レッドアラート⁈」
「強襲か?」

オペレーター
「輪廻全域に暗雲密度が上昇しています!」
フィー
「アザトース⁈」
「ぬるま湯に漬かる暇は無さそうだ」

背中の
推進ユニットを

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蒼穹の見聞録4

蒼穹の見聞録4

エノク‥

です

叔父は
笑い狂う

惨殺
強姦の
結末が
過ぎる

腰から
拳銃を
取り出した
叔父に

目を見開き
驚愕した

叔父
「‥お前は分かってる。だから」
「見せてやるよ。特別にな」

そう言う
叔父が
自身の
こめかみに
銃口を向け

発砲する

そう

私は
叔父を
取り殺した
あ‥

蒼穹

「エノク⁈大丈夫?」エノク
「はあ‥っ!はぁ‥!」

蒼穹
「インターロック⁈」

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蒼穹の見聞録3

蒼穹の見聞録3

エノク‥

うぷっ

詰め寄る
蒼穹の尋問

私の
義体から
逆流する

インターロックが
発生した

吐き出し

まともに
話せない

膝をつき
行動不能になる

インターロックの
有効期限が
時効となった
節目を
迎えた

此処で
追憶について
語る

文字が
見えた

2歳の頃
その文字は
二つ

ミュート

エンゲ

私の
遺伝子配列の
項目の名称

文字は
成長に
応じて
増えていく

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蒼穹の見聞録2

蒼穹の見聞録2

エノクです

少し
落ち着きを
取り戻す

流れる
涙を拭う

先生
「即席とは言え、新しい体に慣れて貰わねばな」
「外に出よう」

新しい体

私の魂の
半分を
担う

彼女

先生
「対極であり一体である」
エノク
「 」

対極

魂の半分
とは言え
私にとっては
他人

蒼穹は
私を
凝視する

先生が
固有結界の
扉を開く

窓一つ無い
先生の
ラボから
歩き出す

眩しい

扉から

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蒼穹の見聞録

蒼穹の見聞録

小説
改修

エノク



です

風の流れ

鳥の様に

何処までも
飛ぶ

懐かしい
感覚

いつの記憶‥?

これは

夢?

嗚呼

先生のラボ
だったわ‥

「お!」

表情の無い
眼差しで
私を見る

確か
名前

考える前に
先生が
声を掛ける

先生
「気がついた様だな」
「良い兆候だ。夢を見ていたのだろう?」
エノク
「私‥また⁈」

また
シャットダウン
された
事になる

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