斉藤達也

2006年からベトナムに携わってきたコンサルタントです。自身の会社のホームページにあげ…

斉藤達也

2006年からベトナムに携わってきたコンサルタントです。自身の会社のホームページにあげてきたベトナム法令やビジネスの情報をNOTEにて更新しながら新たな情報もアップしていきます。

最近の記事

ベトナム会計税務 | インボイスや領収書のない経費はどう処理する?

まず、専門的な語句を使わずにざっくり申し上げると、活動に適している費用であれば「OK」です。 「OK」というのは、非合法ではないということ、会計帳簿に計上できるということ、です。 ただ、法人税を計算するとき、付加価値税を計算するとき、その費用を控除対象とするにはルールがあります。 ベトナム現地法人の社長やベトナム駐在員事務所の所長として任命される人は、大抵、日本の会計や経理担当ではありませんし、総務や人事担当でもないでしょう。 ですから、ベトナムに来て初めて会計税務や

    • ベトナム法務 | 登記していない分野のビジネスをやったら、どんな罰則があるのか

      ベトナムの投資ライセンスIRC(Investment Registration Certificate)。 ベトナムの標準産業分類に沿って取得し、その後、企業登録証明書ERC(Enterprise Registration Certificate)で法人登記します。 既に活動している現地法人が業種を追加するときには、企業登録証明書を先に手続きするケースもあります。 「投資ライセンス・企業登録証明書にない業種はやってはいけない」 これはベトナムにいる皆さんだけではなくベ

      • ベトナムのカントリーリスク | 諸官庁との手続き

        先日、(ベトナムでの)行政訴訟を検討せざるを得ない顧客の代わりに、対応可能なベトナム人弁護士を探して動くことがありました。 ※日本人など外国登録弁護士(外国法事務登録弁護士)と呼ばれる方々は訴訟の代理人にはなれません。 まず皆さん口を揃えて言うのは「(ベトナム国内訴訟では)思うような結果は出ない」ということでした。 背景 行政訴訟を検討せざるを得なくなった案件は、外資規制のある難易度の高いライセンスに関連しています。 このライセンスには資本要件、人的要件、施設要件、事

        • ベトナム法務 | 拡大生産者責任(EPR)について

          気がついたら前エントリーから1ヶ月経っていました。 昔は飛行機や新幹線、時には車の移動中でも作業できたのですが、最近は歳のせいか、歳から来るモチベーションの変化のせいか、歳から来る能力の変化のせいか、単にタスク量が増えているのか、移動中はほぼ仕事しなくなりました。 さて、新環境保護法が施行されて2年になろうとしています。 メーカー、インポーターのリサイクル責任が2024年、2025年、2027年と3回に分かれて始まります。 まずはサマリーだけを共有し、後日Noteの有償

        ベトナム会計税務 | インボイスや領収書のない経費はどう処理する?

          ベトナム法務 | ベトナムで訴えるにはどうしたら?

          まず始めにお断りしておきますと、私は弁護士ではありませんし、その他の士業でもありません。 何の肩書きもありませんし、有名企業で勤務したバックグラウンドもない「たたき上げのコンサルタント」です。 何についてのコンサルタントかと言われると、企業経営全般、リスクマネジメント・・・などとなります。長年やっていますので(25年以上)、専門家と呼ばれておかしくない分野がたくさんあります。 ベトナムでは、部下に弁護士、公認会計士、税理士などがおりますし、そういった専門家を何人も育てて

          ベトナム法務 | ベトナムで訴えるにはどうしたら?

          ベトナム人事労務 | 身分証明アプリ(VNeID)の登録

          2023年8月から、ベトナムの空港の入国ゲートでVNeIDゲートが設置されました。日本の空港にあるパスポートによる顔認証ゲートのようなものです。 VNeIDとは、各種行政サービスや手続きのDX化に伴い開発されたユーティリティで公安省によって開発されるものとして定められています(政令59/2022の第3条)。 現在、スマートフォンアプリとして配布されており、ベトナム人だけではなく私たち外国人も「外国人識別番号」を証明するために使用することができます。 外国人識別番号には、

          ベトナム人事労務 | 身分証明アプリ(VNeID)の登録

          ベトナム人事労務 | ビザ・ワークパーミットなどに関する政令70/2023/ND-CP

          今年8月に変わると言われていた政令152/2020/ND-CP。 今週月曜にいきなり公布、即日施行されました。 定期報告をさせていただいているお客様には、8月末時点の最新草案サマリーをお送りしていましたが、そこから変わっている部分もありました。 以下、主な変更点です。 1、管理者としてのワークパーミット国外側(日本側)で準備する「学歴証明書」に加え、「会社の定款或いは活動規則」「任命にかかる議決或いは決定」が必要とされます。 (実務上は、学歴証明書を要求されないケースが

          ベトナム人事労務 | ビザ・ワークパーミットなどに関する政令70/2023/ND-CP

          ベトナム法務 | マッサージ・スパのライセンスは難しいのか?

          私たち外資がマッサージ店を開業するためには、法人設立だけではなく、2018年11月まではクリニックや治療院と同じようなライセンスが必要となっていました。 現在は、法人設立さえすれば、それ以外に難しいライセンスは必要なくなっています。 まず、ベトナムにおけるマッサージやスパ、リラクゼーションサービスはどのように産業分類されているのでしょうか。下図は、法令による分類です。 冒頭に書いた通り、マッサージサービスを提供する店舗は、2018年11月まで、クリニックや治療院と同様の

          ベトナム法務 | マッサージ・スパのライセンスは難しいのか?

          ベトナム法務 | バー開業どうすれば?

          リトルジャパニーズタウンとして定着したホーチミン市1区のヘム、すごいですね、日本人向けのいろいろなお店が所狭しと並び、最近は日本人以外の外国人の方々も歩いている印象があります。 ここでお店をやりたい・・・よく相談をいただきます。 ポイントは、商業物件であればすぐに進められますし、住宅物件であればいったん立ち止まる必要があります。 バーは、ベトナム人名義でないと難しい? そうではないです。私たち外国人が関わっていても大丈夫です。 私たち外国人が関わっているとダメな形態は

          ベトナム法務 | バー開業どうすれば?

          ベトナム法務 | 土地は所有できるのか?土地使用権とは?

          結論から申し上げますと、ベトナムの土地は所有できません。 建物、住宅・マンションは所有できます。 ベトナムの土地は、国家が(所有者代表として)統一的に土地を管理し、土地を使用する権利について(1)割り振り(割当て)という形式と(2)リースという形式の2種類で認めています。 これを土地使用権といい、登記手続きによって登記簿(土地使用権証明書)が発行されます。日本でいう(以前の)権利書のようなものです。 土地上に建てられた建物は、土地とは区別された資産として「所有権」が生じ

          ベトナム法務 | 土地は所有できるのか?土地使用権とは?

          ベトナム法務 | ベトナムでの個人起業、長期ステイ

          以前、ベトナムにいる日本人は、その大半が企業の駐在員や出張者でした。今は、フリーランス的に活動している人、店を開業している人など、ベトナムステイを「ありき」とするスタイルが増えていると感じます。 では、日本から飛び出してベトナムステイしながら生業を立てていくことにはどういったポイントがあるのか。それを見ていきたいと思います。 1、ビザ(査証)やワークパーミット(労働許可証) 日本人がベトナムへ入国するのにビザは不要です。2023年8月15日からはビザなしで45日滞在できる

          ベトナム法務 | ベトナムでの個人起業、長期ステイ

          ベトナム会計税務 | インボイスの発行タイミングと売上計上タイミング

          電子インボイスが正式始動して約1年が経過しました。 請求の意味でインボイスを発行するのか? 支払いがあってからインボイスを発行するのか? 前金をもらってもインボイスは発行できないのか? などなど、日々忙しい日本人管理者の方々は忘れてしまうこともあります。 インボイスの発行タイミング 2022年7月1日から施行されている現行法令123/2020/ND-CPでは、3つの原則が規定されています。 商品販売にかかるインボイスは、商品の所有権または使用権が購入者に移転時であり、

          ベトナム会計税務 | インボイスの発行タイミングと売上計上タイミング

          自己紹介|NOTEでやりたいこと

          はじめまして。ベトナムでの企業経営や事業運営のお手伝いをしているコンサルタントです。2006年にきっかけがあり、本格的には2012年頃から活動しています。 簡単なベトナム経歴です。 2006年・2007年に官の案件を手伝い、知人から声を掛けられたベトナムミニファンドに参加しました(すぐ出金してしまいました)。 その後、M&A案件のサポート、ベトナム語学習を開始し、2010年にベトナム起業しました(飲食店事業など)。 本格的にコンサルティング活動を始めてからは、官の案件

          自己紹介|NOTEでやりたいこと