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問い 今萩原聖人を応援しない理由はありますか?


萩原聖人は知っているけど、

Mリーグって何?

チームメンバーと監督

それが2021年当時、私のMリーグを見始めた時の偽らざる心境であった

「萩原聖人がMリーグというものに出場しているなら1回見てみるか」

それが最初のきっかけだった。

Mリーグとはプロ麻雀棋士4人がチームを組み、戦うチーム戦。ユニフォームを着た上で麻雀を打つ。麻雀自体はボードゲームだが、その戦いはスポーツ。感覚で言うと駅伝に近い。

折しも私が見始めた2021年3月はレギュラーシーズンの佳境。萩原選手が所属するチーム雷電は全8チーム中の足切りされる下位2チームに入るか入らないかの瀬戸際を戦っていた。

このレギュラーシーズンの最後の最後にチーム雷電をセミファイナルに導いたのは萩原選手ではなく黒沢咲選手だった。

主役は萩原選手ではないとしても、萩原選手が所属するチームが勝ち進むことがうれしかった。

ちなみに萩原選手が実際に対局するシーンをこの目で見ることはその2020シーズンに関しては極めて少なかった。レギュラーシーズン最終盤はチーム雷電の瀬戸熊選手と黒沢選手が交代で出続けでなんとかぎりぎりセミファイナル行きを決め、セミファイナルに入ってから萩原選手は3試合のみ出場。2・4・3着となりセミファイナルでの雷電はファイナルに行けずとなり、そのシーズンが終了した。

その時のチーム雷電のチーム構成は瀬戸熊プロ・黒沢プロ・萩原プロの3人チームだったが、瀬戸熊、黒沢両プロは麻雀界のベテラン選手のようであり、何となくであるが、半分芸能人である萩原プロの分まで勝つことを義務付けられたような立ち位置に感じた。2020シーズンの終盤は萩原選手といまひとつ調子のあがらない瀬戸熊選手のマイナス分を黒沢選手が一人で返済するような戦いぶりであった。

私にとって萩原選手のMリーグでの勝利が見れたのは翌年2021シーズンにおける萩原選手の出場初日であった。リーチをかけた、そして自模った。完璧だった。とても最高の試合だった。

しかし、その勝利を最後に、勝利はなく、シーズンを終えることになる。

全22試合で2着6回・3着8回・4着7回。1着は最初の1回だけ。

過去を振り返ってみたい。

2018年にMリーグが開幕した年に萩原選手は7勝を挙げている。トータルスコアもー61ptとそこまで悪くない。

翌2019シーズンには5勝。トータルスコアは-251.5ptとやや陰りが見えてくる。

くだんの2020シーズンは3勝でトータルスコアは-460.8pt。トップ3回に対して4着が12回というのはかなり悪い。Mリーグで4着を取ると、ばらつきはあるがだいたい-50ptぐらいの成績となる。運に左右されれるゲームとはいえ、20~30試合の年間試合を経ると悪くても-250pt程度に収斂するのが一般的だが、一人で-460ptというの極めて悪い。3人チームの一人がこれだけのマイナスをたたき出してなおセミファイナルに進めたのは黒沢選手が+193.3ptの好成績をマークしたことが大きい。

初年度から2勝づつ勝ち星を減らしてきた萩原選手だが、2021年も律儀に2つ勝ち星を減らす。7・5・3勝と来てついに2021シーズンは1勝となってしまった。開幕戦で私が初めて見た勝利が唯一の勝利となってしまった。

加えてこの年の雷電のチームスコアは前代未聞のダントツの最下位を記録する。

まず萩原選手だが22戦1勝で-394pt、瀬戸熊選手が21戦3勝で-495.5pt、2021シーズンから4名体制となり新メンバーとなった本田選手が24試合で4勝(うち1勝は同点なので実質3勝)で-307.8pt、頼みの綱の黒沢選手までもが23試合で6勝を挙げたものの-148.8ptとなり、チームのトータルポイントは驚異の-1256.1ptとなってしまった。

一直線に下降するのが雷電のポイント推移

グラフで一目瞭然だが、全8チームのうちチーム雷電だけは全く順位争いに加わることなく下降を続けた。グラフは900ptで終わっているが、実際はそれより300pt下回っている。

Mリーグでは試合終了後に主に4着と1着にインタビューが課されるが、萩原選手は4着インタビューを受け続けた。

気丈に受け応える萩原選手

4着もしくは3着は実質「負け」で、言い方は悪いがさらし者の扱いになる。萩原選手は敗戦の弁を述べるべくインタビューも受け続けた。

一部の層からは心無いSNSでの誹謗中傷もあるし、ある意味「客寄せパンダ」にも捉えられかねない立場ゆえ、ここまで成長したMリーグに果たして萩原選手が必要なのか?と疑問を呈する声もある。

そんな中、今年から来年にかけて開催されるMリーグ2022シーズンが開幕した。雷電は昨年記録的な大敗を記録しながら、なんと、チームメンバーを変更せずこのシーズンを迎えた。意地でもこのメンバーで勝ち上がりたいということだ。

だが、Mリーグにルールが新設され、2年連続、同じメンバーでファイナルに残れない場合は強制的にチームメンバーを1人以上変更することが加えられた。チーム雷電は2022シーズンは規定の2年目にあたり、もしファイナルに残れない場合は誰かがチームを去らなくてはいけない。

2022シーズンに入り1/3を経過した今(2022年11月下旬)、萩原選手に勝利はまだない。4試合に出場し、2着こそ1回あるが3着1回で4着が2回。しかし、チームとしては昨年から加入した本田選手が意地を見せてポイントを稼ぎ、ファイナル圏内の4位を何とか維持している。

言っては何だが不惑の51歳萩原聖人に残された伸びしろがどれだけあるかと言われれば、それはやはり厳しい。しかも、本業の俳優業も忙しい。

年々減っていく勝ち星。

毎年減っていく勝ち星を考えれば、萩原選手の勝ち星は下手すれば今季はないかもしれない。

毎年Mリーガーとしての契約解除が噂される萩原選手は今年も同じ道を歩んでしまうのだろうか?



だが、今季は萩原選手の負けだけで済まない。チーム解体の危機が迫っているのだ。

発足以来ファイナル進出がなく、年々成績が悪化していくチーム雷電。そして、より年齢を重ねていく萩原選手。

何もいい材料はナイ。


それでも私は萩原選手を応援したい。馬鹿ヅキだって何だっていい。何とかチーム雷電をファイナルに導いてほしい。

だから皆で萩原選手を応援したい。そして大きな声援を送ってほしい。

Mリーグ、いや、麻雀を知らなくたって構わない。有名俳優が麻雀の猛者たちの中に放り込まれて悪戦苦闘しているさまを応援してほしい。


今季Mリーグに加入したのは若手のタイトルホルダー3人であるとおり、優勝賞金5000万円のMリーグはより実力志向に向かいつつある。萩原聖人がいくら麻雀が好きでも、24時間365日麻雀に関わっている業界トップの人としのぎを削れば、不利な戦いになることは自明の理だ。

一昔前の阿佐田哲也作の小説「麻雀放浪記」とは時代が違うのだ。”いかさま麻雀”なら萩原聖人をあえて勝たせて盛り上げることも可能かもしれない。しかし、Mリーグ発足の理由が麻雀の社会的地位の向上および、そういった”賭け事”や”不正”との決別も含めており、Mリーグの卓内で行われれることは混じりっけは一切ない純度100%の実力勝負。

そういう意味では、萩原聖人が負けることはある意味自然の摂理でもある。そんないばらの道をあえて歩む必要が萩原聖人にあるかと言われれば、たぶんないと思う。

それでも萩原聖人がMリーグに残るのは、麻雀に対する愛と麻雀業界の認知度を上げるために他ならない。

麻雀業界のプロ雀士は将棋棋士や囲碁棋士と同じように、スーパー頭のいい人達の集団である。また、カリスマ性もあり世間への影響力の高い人もたくさんいる。なのに、囲碁・将棋と比べて極めて日の当たらない業界としていままでやってきた。そういうプロ雀士を応援してほしい意味でも、入り口に萩原聖人という人はどうしても必要だ。

Mリーガー32人がいくら麻雀界の人気者で構成されているとはいっても、世間での認知度的に言えば萩原聖人レベルに世間に認知度がある人はいない。

今年萩原プロが勝てるのかと言われれば、それは分からない。

だけど、今シーズン、萩原プロを応援し、チーム雷電が創立5年目にして初のファイナル行きを達成した場合、あなたは「チーム雷電」という壮大なドラマの見届け人になる。そして、そこで奮闘する萩原聖人の51歳男子の成長青春ストーリーを見届けることになるのだ。

遥か昔に白鳥麗子でございますに松雪泰子が恋した秋本哲也は20年経った今でも、まだ青春真っただ中でがんばっている。

麻雀を知らなくたって構わない。

ABEMAにパソコンやスマホのチャンネルを合わせて応援してほしい。状況の良し悪しは実況や解説の人がいってくれる。上がれば喜べばいいし、振り込めば悲しめばいい。


私は、今、萩原聖人がMリーグで戦っていることを知らない人に問いたい。

あなたは萩原聖人を応援しない理由がありますか?

と。

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