シュプレヒコール

全部、飲み込んでしまえ。
憂鬱も寂しさも、未来も愛情も
全部飲み込んこんで、もっていってしまえ。
おとには何も残さないで

おまえにはその力があるのに
なぜ見て見ぬふりばかりするのだ。
人が痛まれるのを横目に、いつも通り白い泡を立てるばかり

まるでいつか心から笑える日がくるとおまえは知っているみたいだ
そして望んでいないときにその力を振りかざすのを僕たちは知っている

なんてやるせない。
まるで道に横たわる小さな身体を目の当たりにしたときみたいだ。
前の車と同じように、その身体を避けることしかできない
埋めてあげることはしない、できない
代わりに平気で通りすがる僕ら人間を、世界を、
呪うことしかできない。

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