卒業式〜まほろばを受け継ぐ

今日は卒業式だった。

それも私にとっては特別な卒業式だった。


3年間ずっと関わってきた子どもたち5人を
無事に卒業させた。


そのうちの3人を3年間
担任してきた。


学校で毎日関わるというのは、
時間にすると
あきらかに
我が子よりも関わる時間が長い。


いい時も悪い時も

雨の日も風の日も

毎日同じクラスで顔を合わせ

笑ったり、怒ったり

はげましたり、諭したり、、、


我が子にも話さないようなことを
いっぱい伝えてきた子どもたち。


本当にご縁なくして
あり得ない関係が


『先生と生徒』


だと今はそう思う。


この広い世界で

広い宇宙で


この子たちに出会えた奇跡と
卒業という節目に立ち会えた奇跡に


5年生が6年生のために歌う歌を
聴きながら


涙が頬をつたって
感動で胸がいっぱいになった。


あぁ。
この子たちから
たくさんのことを
受け取ってきたんだ。


そう思うと


この子たちの未来が明るいことを
願わずにはいられなかった。



証書をもらうときの返事

声が出るだろうか


証書のもらい方

左手、右手、おじぎの順番


ちゃんとできるだろうか


歩くとき、ちゃんと前を見れるかな。


親心ならぬ
担任心で、ヒヤヒヤしながら
見守った卒業証書授与式が


終わった途端に


フッと緩んだ涙腺から
涙がとめどなく出てくるのを


両頬に感じながら、、、


滲む視界に
子どもたちの姿を見ながら


静かに透明の涙を流した日。


今から21年前に出会った
恩師が校長となり、
そして定年を迎える今年。


最後の卒業式を執行う
節目の年に


私が担任した子どもたちに
卒業証書を授与してくださる奇跡。


長い教員人生の中でも
そうないであろう奇跡を


今日は味わうことができた。


ご卒業おめでとうございます。

ご退職おめでとうございます。


自分にとって
大切な人たちの節目の日に
立ち会ちあえる喜びと


立ち会うだけでなく
当事者として参加できる喜びに


心から感謝が溢れた。


「これからの時代に考えて行動できる人に」


その言葉を
大人の私もかみしめながら


難題に立ち向かう最後の一手は
AIではなく、考える人のものだと


人間の可能性を信じ

子どもたちの可能性を信じ、

大人の私も
身も心も常に学び
成長し続けていきたいと


心に誓った日。


2024年3月19日。


春。



明日から
君たちの居ない教室で


心にぽっかり穴が空いた気分に
ならないように


いっぱい

いっぱい


味わったよ。


今日という一日を
ありがとう。


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