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オリジナルビデオ版『ほんとにあった怖い話』

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オリジナルビデオ版『ほんとにあった怖い話』とジャパニーズホラーの90年代について分析した、最初期の記事。 大急ぎで書き上げた完成度の低いもの。自分で読み返して「面白くない」と感じ… もっと読む
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記事一覧

90年代の映像産業。その体験を回顧する②

 ときは2003年から2007年ごろ。福岡県のとある地方の記憶。    とある晴れた週末の…

伊藤雅彦
1年前
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90年代の映像産業。その体験を回顧する①

 時間を遡ること、1990年代初頭から末期。  わたしは1980年代末期に生まれ、九州の…

伊藤雅彦
1年前
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参考文献一覧

『毎日ムック 戦後50年』 毎日新聞社 1995年 小熊英二編著『平成史 完全版』 …

伊藤雅彦
1年前
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心霊現象再現ドラマ・『霊のうごめく家』 番外編を含む注釈一覧

(※1)小中千昭『ホラー映画の魅力 ファンダメンタル・ホラー宣言』、岩波アクティブ新書 …

伊藤雅彦
1年前
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心霊現象再現ドラマ・『霊のうごめく家』番外編 『ほんとにあった!呪いのビデオ』と…

 『ほんとにあった!呪いのビデオ』の成立と心霊番組  あからさまに『リング』のヒットに…

伊藤雅彦
1年前
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『霊のうごめく家』その後の展開

 『霊のうごめく家』とその後のJホラー  オリジナルビデオ版『ほんとにあった怖い話』以…

伊藤雅彦
1年前
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心霊現象再現ドラマ・『霊のうごめく家』11

 オリジナルビデオ版『ほんとにあった怖い話 第二夜』の他のエピソードと『霊のうごめく家』  後半になるにつれ、本稿は思考が混乱しだす。忌憚のない批判を期待したい。  オリジナルビデオ版『ほんとにあった怖い話 第二夜』のなかにあって、『霊のうごめく家』は「実話性」「実話怪談」といった言葉に象徴される、ある種のリアリズムから逸脱する演出が顔を出す。  小津安二郎を参照した日本家屋の間取りを活用した画面設計だけではない。ドッペルゲンガーの出現や男の幽霊は、特にそうだ。個人

心霊現象再現ドラマ・『霊のうごめく家』10

 エピローグ・転居  ショット84~ショット88  霊能者の語るところでは、自身の手に余…

伊藤雅彦
1年前
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心霊現象再現ドラマ・『霊のうごめく家』9

 除霊  ショット61  約14秒のショット。オレンジ色のフィルターが掛けられた望遠レン…

伊藤雅彦
1年前
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心霊現象再現ドラマ・『霊のうごめく家』8

 居住と心霊現象  ショット17  約20秒のショット。はじめに児童向けの書籍が並んだ…

伊藤雅彦
1年前
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心霊現象再現ドラマ・『霊のうごめく家』7

 『霊のうごめく家』の演出  プロローグ・入居  『霊のうごめく家』はビデオで撮影され…

伊藤雅彦
1年前
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心霊現象再現ドラマ・『霊のうごめく家』6

 『霊のうごめく家』と小津安二郎  「小津安二郎がホラー映画を撮るならば、どんな作品と…

伊藤雅彦
1年前
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心霊現象再現ドラマ・『霊のうごめく家』5

 「小中理論」の共作者・鶴田法男  オリジナルビデオ版『ほんとにあった怖い話』シリーズ…

伊藤雅彦
1年前
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心霊現象再現ドラマ・『霊のうごめく家』4

 『霊のうごめく家』の作劇と演出~「小中理論」の生成とビデオ撮影  『ホラー映画の魅力』や複数のインタビュー(※21)を読むと、『邪願霊』から始まる「小中理論」の成立が、あまり小中自身の意にそぐわない苦肉の策の結果であったことが伺える。  バンドマンでありつつ特殊メイクの実作を試行錯誤していた小中千昭(※22)が大学卒業後に仕事としたのは、映画業界ではなくテレビ業界であった。1986年にテレビ局の下請けであった制作会社に入社後、ディレクターとしてプロモーションビデオや企