暗殺者とファン 9話
一番されたくない質問をされてしまった
桐 : ...
遠 : 聞いちゃ...だめ...でした?
桐 : あっ全然悪いことじゃないですよ
遠 : でも...
桐 : あんまり言っちゃいけないような仕事なんですよ
遠 : そうだったんですね
いい誤魔化し方とは言えないがなんとかその場は乗り切った
遠 : あの
桐 : はい
遠 : 榊さんは夜ご飯食べましたか?
桐 : まだ食べてないですね
遠 : よかったら食べていきませんか?
桐 : えっ!
今いるだけでもドキドキして
それを隠すのにも必死なのに
推しの作ったご飯も食べられるのか?
遠 : どうですか?
桐 : ...じゃあお願いします
遠 : わかりました
遠藤さんは可愛らしいエプロンを着てキッチンに立つ
遠 : じゃあ作るので少し待ってもらってもいいですか?
桐 : はい。ありがとうごさいます
少し無言の時間が続く
髪をヘアゴムでまとめ手際よく料理をしていく
邪魔しちゃ悪いと話しかけないようにした
今俺は思い出した
暗殺のために予定表を探すことを
正直俺の中には"今"殺すという考えはなかった
あくまで俺の生きる選択をまだ一番に考えている
桐 : あっ
自分の座るソファの前の机には
遠藤さんの携帯が伏せておいてあった
家の中を見回しても見当たらないので
携帯の内部を探せばあるかもしれない
桐 : ...
遠 : ♪〜
料理を作りながら歌を歌ってる遠藤さん
俺ばバッグの中から携帯に差し込めるUSBを取り出す
桐 : ...
差し込もうとした瞬間
遠 : そういえば
遠藤さんが話しかけてこちらにふりむく
桐 : っ!
俺は咄嗟に体の後ろに隠す
桐 : ど、どうかしました?
遠 : 榊さんってアレルギーとかありますか?
桐 : あ、アレルギーはないです
遠 : そうですか。わかりました
桐 : わざわざありがとうございます
なんとか免れてささっと情報を抜き取る
遠 : できました!
桐 : うわーすごいおいしそう!
遠桐 : いただきます
パク
遠 : ドキドキ
桐 : んーめっちゃ美味しいです!
遠 : ほっ...よかったです
遠桐 : ごちそうさまでした
桐 : すごい美味しかったです!
遠 : お口にあったならよかったです
桐 : 皿洗いは俺がしますよ
遠 : えっそんな悪いですよ
桐 : 俺ができるのはこれぐらいですから。任せてくださいよ
遠 : すみません。ありがとうございます
お皿洗いをする榊さんの後ろ姿
"人を守ってくれそう"なたくましい大きな体
遠 : 見れば見るほど榊さんの魅力が出てくる
桐 : じゃあそろそろ帰りますね
遠 : はい
桐 : あっ最後に御手洗いだけ借りてもいいですかね
遠 : あっ大丈夫ですよ。そこの扉です
桐 : すみません。ありがとうございます
玄関に繋がる廊下に荷物を置いて御手洗いに行く榊さん
遠 : ん?
榊さんのバッグのチャックが空いている
遠 : えっ!
少し覗きチャックの隙間から見えたのは
ナイフや一度だけ見た銃が入っていた
ガチャ
遠 : っ!
私は咄嗟に目を逸らす
桐 : すみません。ありがとうございます
遠 : あっいえ。大丈夫です...
桐 : ん?
桐 : 色々とありがとうございました
遠 : はい。またきてくださいね
桐 : わかりました。それでは
遠 : はい。また今度
遠 : ...
職業を話せない理由と
さっきの物たちは関係あるのか
続く
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