暗殺者とファン 6話
桐 : え、遠藤...さん
一人の姿の正体は遠藤さんだった
遠 : えっもしかして...榊さん?!
桐 : あっえっ...えーっと〜
遠 : な、なんでここにいるんですか...
衝撃を隠せていないようだった
繋いだインカムで会話が始まる
椿 : 四階完了。戻ります
暮 : 二階完了。戻る
託 : 一回完了。車の準備しとくわ
早く戻らないとと思いつつ
今のこの状況をどうにかしないととも思う
遠 : 榊...さん?
桐 : ...
外の廊下から歩いてくる音がする
桐 : !
遠 : えっ
俺は遠藤さんに近づき耳元で喋る
桐 : このこと黙っててもらっていいですか?
遠 : え?
桐 : 今夜、電話します。そこで話すので今は...
お願いします
遠 : ...わかりました。でもちゃんと話してくださいね
桐 : はい。ありがとうございます
俺はスタッフにバレないように部屋を出てインカムのボイスをONにする
桐 : ...三階完了。今戻ります
椿 : 急いで。もうみんな揃ってるから
託 : 最初と同じで待ってるから
インカムをOFFにしてバレないように出口に向かう
遠 : なんだったんだろう...
突然ことすぎて頭が回らない
ガチャ
ス : どうかした?さくちゃん
遠 : あっなんでもないですよ...
ス : 思うように練習できた?
遠 : はい。ありがとうございました
ス : 全然いいのよ。今度のライブ頑張ろうね
遠 : はい
榊さんのことは話さなかった
ずっと疑問に思ってた
なにか知ってる風な感じだったし
なんか少し変な服も着てた
しかも
遠 : 手に持ってたやつって...銃...だよね...
ス : ん?さくちゃんなにか言った?
遠 : えっ、あっ、なにも言ってないですよ
ス : そう?次の撮影はさくちゃんも出てもらうからね
遠 : はい
桐 : すみません。遅くなりました
託 : 大丈夫だよ。さっ一旦帰ろうか
椿 : なんでそんな遅かったの?
桐 : ...
桐 : 部屋が多かったんだよ。しかも控え室とか結構大事な部屋が多かったし
椿 : まぁ確かに。一番大事なところ任したしね
一度事務所に帰る
爺 : それで今日の成果は
託 : なにもありませんでした
爺 : なぜ一人もなにもないんだ
椿 : 今日いなかったんらしいんですよ
爺 : ...それは本当か
暮 : 本当です。これが撮影中の写真です
爺 : 撮影に出ていなかっただけじゃないのか
桐 : ...どこにもいなかったです
爺 : ...そうか。まぁいい任務が達成さえされればな
桐 : ...はい
爺 : 今日は終わりだ。次に備えておけ
椿 : はーい
家に帰り電話を待つ
プルルルル
桐 : ...ふぅ〜
大きく深呼吸して電話を開通させる
桐 : ...もしもし
遠 : ...もしもし...榊さん...ですよね
桐 : ...はいそうです...
遠 : ...あの一つ...
桐 : はい
遠 : お願い...聞いてもらっても...いいですか?
推しからのお願いなんて断われるわけない
桐 : はい。大丈夫ですよ?
遠 : ありがとうございます
遠 : ...じゃあ電話じゃなくて...
遠 : "私のお家来ませんか?"
続く
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?