暗殺者とファン 2話
計画書には近づく方法がたくさん書いてある
握手会に行く
スタッフになる
などなど
でも暗殺する方法もたくさん書いてある
銃、スナイパーなどで撃つ
ナイフで直接刺す
毒殺
爆弾
などなど
期間内、目立たない、ネットに載らない
などの規則さえ守ればなにをしても良いとなっている
とりあえず色々な作戦を考える
握手会で手を合わせた時に銃を撃つ
桐 : でも荷物検査あるからだめだ
ライブ中にスナイパーを撃つ
桐 : でもライブ会場にスナイパー持ってけないや
推しということもあってか集中して考えられない
考えてもだめそうなことばっかり
桐 : まじでどうしよ...
ファンとして今がハマりたてで1番大きい波が来ているのに
そんななかで推しを暗殺する
ファンじゃなければそれが一番良いけど
こうなるとは誰も思っていなかっただろう
桐 : はぁ〜
託 : どうしたそんな思いため息して
桐 : 託途さん...
この人は託途さん。同じチームの先輩である
桐 : いやなんでもないですよ
託 : なんでもなかったらため息なんて出ないよ笑
託途さんは話し方から性格からとても優しい
こんな人が暗殺者なのかと時々思う
託 : 俺に話してみるか?
桐 : ...
託 : まぁ悩みなんていっぱいあるから話したかったら話しな。なんでも聞いてあげるから
桐 : 託途さんでも悩みってあるんですね
託 : そりゃあるさ笑
桐 : どんなのがあるんですか?
託 : たとえば〜ちゃんと一回で殺せなかったり〜
託 : 毒殺するための毒がなぜか足りなかったり〜
託 : ボディガードが思ったより強くて苦戦した
託 : とか?
表と裏の顔が全然違うなと感じる
桐 : でも結局は失敗していないんですよね?
託 : まぁ殴ったり違う方法で殺すね
桐 : すごいっすね笑
託 : まぁ経験だよ経験。まだ3年目ぐらいでしょ?
桐 : 今年で3年目になりますね
託 : そんぐらいになればいざとなったときの対処とかはちゃんと予測しておくのがいいよ
桐 : そうですね、ありがとうごさいます
託 : うん。じゃあがんばってね
桐 : はい
桐 : とりあえず俺も帰るか
一応一人暮らしである。さっきまでは事務所
帰宅中
桐 : はぁ〜ほんっとうにどうするかな〜
十字路をまっすぐ進むと
桐 : うわっ
? : きゃっ
角から出てきた女性とぶつかり女性は尻餅をついてしまう
桐 : ごめんなさい。大丈夫ですか?
? : あっはい大丈夫です。すみませんでした
全身を厚着で纏い顔をマスクと帽子で隠す女性は立ち上がる
桐 : ほんとにすみませんでした
? : いえいえこちらこそすみませんでした
桐 : ん?
女性の声をよく聞くとなぜか聞いたことがある声だった
桐 : あのすみません
? : はい?
桐 : あの...名前...聞いても良いですかね?
? : あっ...大丈夫ですよ...
? : じゃあ一つだけお願い...聞いてもらっても良いですか?
桐 : はい大丈夫ですよ
? : バラさないでもらっていいですか?
桐 : ? はいわかりました
? : ちなみにお名前はなんていうんですか?
桐 : あっ俺は榊桐野です
? : 榊さんですね。私は...
遠 : "遠藤さくら"です
続く
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