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研修医の皆さん、君たちはどう生きるか

4月カラノ仕事ガ本当ニ心配デス。

先輩達ノヨウニ、独リ立チシテ出来ル自信ガアリマセン。


最初に、初期臨床研修医の先生たちにお礼を。

先生方のおかげで、病棟業務や手術、検査など、
色々な仕事が円滑に回っています。

ワタシ達が毎日気持ちよく働けるのは、皆さんのおかげです。
本当に日々、有り難うございます。


本題ですが、現在2年目の先生は、4月から志望した科での研修が始まり、
1人で責任を持って外来や当直を行うようになります。

また、主担当医としての業務が主となり、必要な検査や治療を自ら計画し、患者さんやその家族にその都度、病状の説明を求められます。
(当然、指導医とある程度は相談しながらやっていくとは思いますが。)


いきなり、とてつもなくハードルが高くなります。
『大丈夫なのかな』と、この不安を持つのはみんな同じです。


不安が大きい先生は、2年間で経験を十分に積めなかったと考えている、
真面目な先生が多いと感じます。
(実際には、良い感じに経験を積まれている先生方がほとんどですよ。)


例えば、

  • お看取りや、自分1人が最初に呼ばれるCPRを経験できましたか?

  • 患者さんの病態に関する連絡で、上級医・指導医に連絡取れない状況下、自分が適切と考えた指示や検査を伝えることが出来ましたか?


上記は研修医の皆さんが、経験が少なく心配だと相談してくる内容です。

ワタシ達は色々経験していますので、これらの事は普通に対応できます。
しかし、初期研修医がこのような経験をすることは少ないですよね。
(業務内容から、連絡する側もまず上の先生に連絡を入れるでしょう。)


しかし、このような状況で上級医が手術などで忙しく対応困難であれば、
院内スタッフは迷うこと無く、先生達に連絡を入れると思います。


やはり経験の少なさから、自信が無いと感じたり、
回答することが怖いと感じる先生が多いのではないでしょうか?


『やったことがない事、経験したことがない事』


生命に関わる仕事のため、
コレが恐怖と不安の大部分を占めていると思います。
最初は怖いことなのですが、食らいついて経験していけば、
必ず時間が解決してくれると、この問題にはアドバイスしています。

自信の無い分野は、特に食らいついて経験を重ねてみてください。


解決の時が来る前に、ギャップがあまりにも大きく、色々と深く悩み、
心が晴れず辛い思いをしている先生は、思い切って一度休みましょう。

まずは自分を守り、しばらく休憩することも非常に重要です。
お休みされても業務は必ず回りますので、ご安心を!
(ワタシ達の学会出張時でも大丈夫ですから!)


『なるべく多くの経験を積みたい』と考える1年生へのアドバイス

この記事を読んでいるタイミングにもよると思いますが、
自分を高められる手技などの機会は、初めのうちは待っているだけでも、
たくさんの機会が設けられていると思います。

しかし、
1月になるとある程度出来るようになっているので、朝寒い中病棟へ行き、採血をするのが億劫と感じるようになっていませんか?
経験症例数を自ら減らしていませんか?


多くの経験を積みたいと思う先生は、このような症例を有り難く頂いて、
4月の気持ちを思いだし、1年間はしっかりやり続けましょう。


後輩が来たら、教える側に回るので採血の機会は激減しますよ。

現場(病棟)では、そのような仕事への姿勢は、次の仕事を生み出します。
熱心に働いている先生には自然と採血、点滴、薬の処方や包交など、
病棟スタッフからの業務連絡が入るはずです。

どの仕事でもそうでしょうが、頼りになる人物にお願いするのが安心です。

信頼され、仕事が増えると病棟での業務の時間が長くなると思います。
現場(病棟)にいることで、さらにその場で頼まれる仕事も来るので、
連絡がくるまで自分のデスクにいる先生に比べ、
より多くの経験が積める好循環を自分で生みだせるのではないでしょうか。


学会等の発表も同様です。

業務時間外に発表内容に沿った文献検索を行い、勉強し、
上級医・指導医と修正しながら、良いスライドを作りあげていきます。
本番は緊張の中、大勢の前で発表し、質疑応答をこなすというものです。


あまり気が乗らないですよね。


しかし、学会発表は臨床医として進むならば、多少の機会はあります。
そのため、早い段階から経験し、こういうものかと感じることが大切です。

中でも文献検索は重要なスキルで、時間をかけて磨かなければいけません。
『発表のために』、良い論文を探そうと何度も本気になって文献検索を行う
パワーの源として、学会発表は一役買っているのではないでしょうか。
こういう濃い経験をすると、一撃で大きな経験値を得られます。

「気が乗らないのに当てられた」と感じたときは、
チャンスが巡ってきたと考え、ぜひ頑張ってみてください。
将来的にみんながやることなので、早いうちに経験しましょう!

色々な経験を増やす事で、技術や精神力は向上すると考えています。

  • 『皆が嫌だと思うことを、自ら引き受け積極的にやり続けること』

  • 『チャンスをつかむために、常に構えておくこと』

  • 『少し背伸びをした目標を設定し、乗り越えること』

ワタシ達の仕事は特殊な事が多いため、これらの事を1年生に伝え、
さまざまなことを経験してもらおうと指導しています。


どの仕事も、積極的に働いている人に次の仕事の声がかかると思います。

『君たちはどう生きるか』

守られている最初の2年間は、本当に有り難い時間だと思います。
将来を見据え、積極的に色々な事にチャレンジしてみてください。

そして今春からは、是非とも後輩への温かい指導を宜しくお願いします!

指導を始めると、さらに自分の能力が高まると思いますよ!


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