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「奇跡の社会科学」(中野剛志著、PHP新書)ポランニー①

雪☃️積もりました😃
ますます布団とラブラブなぽんニャンです🥰

さて、今回からカール・ポランニー編です😃

その前に。
医療福祉ではこういうことを言われています。
「市場原理が取り入れられた」
「雇用の流動化で新しい働き方を」
「新しい働き方で、自分らしく働く」
「外国人材に技術の継承」
「日本の介護を輸出」

それ以外でも金融教育が叫ばれるようになってきました。

それらを踏まえて、ポランニー編です。
それでは、どーじょー😘

岸田総理大臣は、2022年1月の所信表明演説で、「新自由主義的考え方」を改め、「新しい資本主義」を作っていきたいと述べた。

全くのデタラメであったことはさておき。
では、新自由主義は何なのか?

1980年代以降、アメリカ、イギリス、そして日本は、自由市場に任せれば豊かになると考え、規制緩和、民営化、自由化を推し進めて「小さな政府」やグローバル化をしてきた。
これが「新自由主義」である。

「新自由主義」が始まってから3〜40年経った現在、その「失敗」が明らかになってきた。

雇用の流動化は素晴らしい❗️
新しい働き方だ❗️
自分らしく働く時代❗️
流動化しないと賃金は上がらない❗️
そうした労働市場の自由化により、雇用が不安定になって非正規労働者が急増。賃金も上がらず、労働格差は拡大した。

稼げる農業❗️
攻めの農業❗️
農業がビジネス化し、アメリカなどの農業が強い国では、農業による環境破壊が懸念されるようになる。
日本では食糧生産が弱体化し、農業により支えられた地域では経済衰退と共に過疎化が進む。

株主至上主義❗️
自由化された金融市場は、不安定に変動するようになり、バブルと崩壊を繰り返すようになった。
日本は1990年代初頭の平成バブル崩壊後、デフレ不況になり、多くの企業が倒産した。
また、最悪だったのはリーマンショックだが、その後も世界経済は長く停滞した。
逆に株主や金融機関は力を持ち、企業に短期利益を求める圧力を強めた。
結果、企業は研究開発や設備投資がやりにくくなり、企業が弱体化した。

1980年頃から流行した「新自由主義」だが、その前に19世紀くら20世紀初頭にかけ、イギリス発で「自由主義」が広まった。
近代経済学の祖アダム・スミスは『国富論』で「見えざる手」として市場原理を説き、自由貿易の効用を擁護したとされる。
その思想が受け継がれ、19世紀のイギリスで、主流の経済思想となった。
それが「自由主義」である。
19世紀のイギリスは産業革命により、産業資本主義が発達した時代。
生産技術や設備などが進歩する一方、労働者が劣悪な環境で働かされ、格差が拡大した。また、深刻な環境破壊も起きた。
さらに金融市場というものが発達し、1930年の世界恐慌のような金融恐慌が起きた。

つまり、「新自由主義」により起きたことが、それ以前の「自由主義」においても起きていた。
歴史は繰り返されるということである。

「経済自由主義(自由主義)」が何故失敗したのかを知る上で、必読の書となるのが、経済人類学者カール・ポランニーの『大転換』である。
ポランニーは、機械設備の進歩がもたらした思想の変化に根本的原因があるとしている。
「精巧な機械設備がひとたび商業社会で生産に用いられるや、自己調整的市場の概念が必然的に姿を現すということ」が問題だとした。
「自己調整的市場」とは、価格が変動することで、需要と供給が自動的に一致すること。これが産業革命により姿を現した。
市場が経済生活全体を動かすようになったのは、産業革命以降である。
経済活動には、営利目的、利潤動機以外にも次のような目的がある。
共同体が協力して生産したものを分け合う。
上下関係の中で、贈与、褒美、寄付などを行う。
地域共同体などで商業が行われていた。
また、農業は、農業共同体や自然調和の中で行われていた。
ポランニーはこうしたことを、経済活動が環境の中に「埋め込まれている」と表現しており、経済社会学に影響を与えた重要な概念となっている。

市場はら自然環境を破壊し、自然や人間を商品化していく。こうして自然や社会をすり潰していくことから、市場メカニズムを「悪魔のひき臼」とポランニーは呼んだ。


ということで、冒頭の医療福祉で言われていることや、金融教育は「新自由主義」に他なりません。
また、ポランニーは「失敗する」と言っているわけです。
オーマイガー🤷‍♂️

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