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青春を知らぬ私と青春

皆さんは青春時代、何かに熱中し、仲間と切磋琢磨したという経験がありますか?

クラブなど長期間にわたるものもそうですし、文化祭や体育祭など、突発的に短い期間でも集中して熱中したことなど、「青春」という言葉と共に蘇る、思い出、感情はありますか?

私たぬきちには、「青春」と言えるものはなかったように思うんです。もちろん、青年期を確かに経て、今中年期を過ごしているわけですから、ないはずなかろうとは思いますが、結論を言ってしまうとその多くの時間を「寝て過ごしていた」ので、その時期の経験や思い出があまりないのです。

とはいえ、少なくても友人はいましたので、ありがたく、楽しくも過ごしておりました。ですがそれは日常であり、印象に残るような体験は積んで来なかったように思います。日々をこなしていた。そんな生き方でした。

過去の記事で、今の「自分」を形成したエピソードを2つ投稿しています。

一つは、中学時代に「ブス」「気持ち悪い」などと言われ、容姿を否定されていたこと。(今はブスでもないですし(笑)、もう消化も昇華もしております。記事自体はとっても面白くかけましたので、まだの方は安心して一読ください)

そしてもう一つは、家族の孤独に耳を傾け、早々に老けた子どもになったこと。(こちらは有料マガジンに格納しています。)

学校では下を向いて過ごし、家でも無邪気なだけでは過ごせず、クラブ活動もせず、ただ学校に行っただけでひたすら眠く、よく寝ていました。

高校生になりましたら、誰もたぬきちに良い意味でも悪い意味でも関心などないので、容姿について面と向かって罵倒されることは無くなりましたが、何かに挑戦しようとか、誰かと協力しようとかそういう気持ちも起きませんでした。

クラスメイト達がクラブ活動に青春を捧げ、その中で仲間を作り、切磋琢磨し、時には衝突し、はたまた誰かに恋し、忙しく感情を動かしている姿は、自分には交じり合わない別次元のようでした。

ですので高校時代の友人からは、今のたぬきちを見て、「たぬきちさんが結婚するとは思わなかった」と言われたり、中高時代を知る友人からは、「随分角が取れて成長したね。」と褒めてもらったりしています。

今思えば、せっかくの機会にもったいなかったなと思いつつも、あの頃は本当に、周りの人間関係が煩わしく、「誰が好き」だの「誰が嫌い」だの、「あの子がどう」だの、「あいつがどう」だの、そういったことが面倒だったので、タイムマシーンで過去に行き、当時のたぬきちに「もっと頑張ってみたら?」と言ったところで、「面倒くさい」と一蹴され、同じ経過を辿ったことでしょう。

前置きを長々と書いてきましたが、先日、そんなたぬきちが「青春ってこういうのなのかな」と少し追体験できたことがありました。

息子こだぬきのサッカー大会に観戦に行ったのです。

小学校3、4年生が参加する大会で、所属するサッカークラブごとのトーナメント戦です。

当日コーチの采配により、不本意にもキーパーになる子、全員が出場することが目的ですので、上手でもベンチに下がる子など、幼いながらも色んな思いを抱き臨んでいました。

我が家は息子こだぬきが「サッカーしたい」と言うので、やっておりますから、お恥ずかしい話、たぬきち自身はルールも知りませんし、サッカーの試合を正式にそして肉眼で見るのも初めてでございました。

隣で観戦していた誰かのお母さんが、サッカーにも詳しいのでしょう。
「前に行けぇぇ!!」とか「広がれぇぇ!!」とか「何やってんねん!!」とか「コーチに抗議する!!」とか叫び、大変熱心に観戦しておられました。

隣のご婦人の洗礼にたぬきちも娘こだぬきも慄いておりましたが、一生懸命ボールを追いかけ、仲間に声をかけ、上手くいかなければ肩を落とし、ゴールが決まれば声をあげる。そんな彼らを見て、徐々にゲームとしても面白く、とても感動しました。

仲間と共に切磋琢磨し、熱中する今この「時間」を共有する。

多くの人はこんな風に青春時代を過ごしているのかと、まるで「青春」を教えて貰っているような感覚で試合を見ておりました。

天高くやっと秋らしくなった運動場を、額から汗を流して駆ける彼らの姿は、本当に美しかったです。

無事に初戦を突破した我が息子こだぬきチーム。2回戦で早くも優勝候補のチームにあたってしまいましたが皆全力で取り組んでいました。

たぬきちもクラブ名を呼びかけ声出しして応援させて頂きました。

自分一人の人生では、経験できなかったことを子どもが体験させてくれます。知らなかった「青春」を少し体験させてもらった。そんな日でございました。

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