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しあう

甥っ子はお母さんとラブラブで
小学生になった今でも
「抱っこ」と言ってくっつきに行く。
お母さんは甥っ子をぎゅうと抱きしめて
顔を甥っ子の頭にすりすりしたりしている。
「抱っこ」以外にも何だかんだとくっついて
2人でキャッキャと笑い合いながら遊んでいる。
 
甥っ子が本を読んだりしている時に
お母さんに声を掛けられて
ぞんざいな返事をしたり無視したりして
注意されることがちょくちょくある。
すんなり聞くこともあるが、
しばしば注意に対して生意気な口答えをしたり、
筋の通らない言い訳をしたりする。
お母さんは神経を逆なでするような
甥っ子の態度や言葉を真に受けることなく
冷静に対処しようとしている。
もちろん怒ることもよくある。
お互いに険悪な何とも言えないムード。
暫くすると甥っ子がお母さんの様子を伺いに行き
「ごめんねー」と言ったりする。
 
ある時はお母さんが
うっかり甥っ子との約束を忘れてしまったり、
誤って言い掛かりをつけたりすることもある。
事実が判明して、
お母さんが甥っ子に「ごめんねー」と言う。
2人で許し合っている。
 
甥っ子は何度も何度も
お母さんにくっついて、許されて、
この世界に受け入れられているという
確かな手応えを繰り返し感じ、
この世界における揺るぎない土台を
作っていっているのだろうと思う。
お母さんは一筋縄ではいかない甥っ子を
受け入れ、日々世話をすることで
ぐんぐんと人間力を
鍛えられていっているのだろう
とつくづく思う。
 
「ごめんねー」と言って
「いいよいいよ」と答えて
2人で笑い合っているのは
微笑ましくも眩しくもある。

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