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No.016『日本のアニメの衰退化問題 その1』

○はじめに…
 現在、日本のアニメーションは世界的に人気のあるコンテンツとしての地位を築いている。しかし、実際にそれだけの人気があるのかどうか、多くの問題点を抱えている。
 悪い話を聞く限り、作画崩壊、放送を落としたりするなどの問題を引き起こしている。
 また、24年現在、『機動戦士ガンダムSEEDFREEDOM』の映画が大ヒットして話題となっているが、大ヒットしている作品として話題に上るものの、大半が昔の作品のリメイク作品やその続編ばかりになっており、確実にターゲット層が平成生まれの世代を中心になっていることが伺える。
 そして、日本のアニメーションの問題点について、指摘したり、疑問視する声は聞こえてこない。
 私はアニメを20年以上観ていて、作り手側として関わったりする中で、日本のアニメーションは大きな問題を抱えており、このままでは、日本のアニメーションは衰退化してしまうと考えている。
 そこで今回は、日本のアニメーションの衰退化問題について、私が知りえる限りの情報と分析した内容を元に語って行こうと考えている。

※注意事項
 今回は、日本のアニメを中心に語るが、実際は、漫画やゲームにおいても同じである。
 しかし、同じ創作でも、制作工程や若干の価値観など違いがあるため、混同すると、語る内容が増えるため、必要な情報以外は基本的に日本のアニメを中心にして語る。

○目次
日本のアニメーションが衰退化した理由について、以下のものが理由だと考えられる。
1:政府干渉
2:人材の確保
3:視聴者の幼稚化
4:技術の衰退化・劣化・消失
(1)作画
・「人物」
・「動物」
・「乗り物」
・「エフェクト」
・「構図」
・「芝居」
(2)キャラクターデザイン
(3)脚本
(4)背景
(5)演出
(6)音楽
5:日本のアニメーションの正体
*まとめ*
*今後、求められるもの*

※語る内容の量を考えて、複数に分けて語る。

1:政府の干渉
 基本的に、政府がその産業や事業に干渉してきた場合、どんな産業や事業も衰退化することは、昔から多くの事例が存在する。
 この理由は、【お金=投資】が行われることにより、金目的で利権屋が関与するため起こる問題である。要するに「中抜き」が目的で参加していると言うことだ。

○政府干渉の始まり
 日本のアニメ業界において、政府の干渉が行われたのは、 2013年頃ではないかと考えられる。
 この時期から本格的に【クールジャパン】と呼ばれる政府の政策が始まったからだ。
【クールジャパン】とは、日本の文化やポップカルチャーなど、外国人がクールととらえる日本の魅力を発信し、日本の経済成長につなげるブランド戦略のことを言う。
 2012年12月に誕生した第二次安倍政権が掲げるアベノミクスの成長戦略の1つの柱として、13年に政府と民間の共同出資で設立された。
 アニメや和食など日本文化の海外展開支援が目的として、政府が1156億円、電通グループやパソナグループ、フジ・メディア・ホールディングスなど民間24社が107億円を出資している(23年8月末時点)。
 しかし、この政策は当時から多くの問題点が指摘されていた。

⓵:中身の“薄さ”
 要は外国人がクール(かっこいい)と感じる日本のコンテンツにおいて、経産省が漫画やアニメ、ゲーム、ファッション、食、伝統文化、デザイン、ロボット、環境技術などを具体例として挙げているのだが、具体的に漫画とアニメを除けば日本独自のものは乏しく、官製クールの薄っぺらさがかえって浮き彫りとなり、スタート時からその先行きを不安視する声もあった。

⓶「汚いカネ」
 当時、国が中心となって民間の企業やプロジェクトに投資する政府系ファンドの設立が相次いでおり、クールジャパン機構もその1つである。
 設立されたファンドの総資金量は4兆円にも及び、まさに「ブーム」と呼ぶに相応しい乱立ぶりだった。
 エコノミストで楽天証券経済研究所客員研究員の山崎元氏によると、「官製ファンドは汚いカネ」とファンドブームを批判していた。
 その理由は、そもそも潤沢な資金量の官製ファンドが投資ビジネスに参入すれば、資金面で劣る民間ファンドは太刀打ちできない。 
 山崎氏はこうした“民業圧迫”の観点からだけでなく、“官民ファンドのお金は、官僚と特定の民間企業・民間人とが癒着してメリットを分け合うための種ゼニなのであり、「汚いカネ」と言うしかない”と批判を展開したのである。

*結果*
 その結果、24年のアニメ業界はどのような状況になってしまったのかについて考察すると、現在、日本のアニメ産業は、多くの問題を抱えており、それは現在制作されている作品に露骨に表れている。
 その問題とは、以下の4つが存在する。
①    『新会社・子会社の乱立』
②    『人材不足と外注』
③    『劣悪な作品の大量生産』
④    『制作側と消費者側の教養不足』

①    『新会社・子会社の乱立』
 ここ数年において、日本のアニメ制作会社が次々と独立して新会社、子会社が設立されている。

『株式会社MAHO FILM(2018年5月)』
『株式会社横浜アニメーションラボ(2015年7月)』
『株式会社イーストフィッシュスタジオ』
『株式会社ClovereWorks』
 この異常なほどの新会社・・子会社を起業の理由は不明なのだが、次から次へと新会社が設立され、多くの日本のテレビアニメを制作しているが、どの新会社も作画崩壊を起こし、さらには、テレビ放送を落としたりするなどクオリティーの低い作品を作っている。
例えば、『ブレインズ・ベース』から独立して、設立した『朱夏(しゅか)』と言う日本のアニメ制作会社がある。
 この会社は、『夏目友人帳』や『デュラララ』などのヒット作を『ブレインズ・ベース』から引き継いで制作しているが、その作品のクオリティは、作画も演出も全てが低下している。
 ここで理解していただきたいことは、実際にアニメーションを作るアニメーターの数は変わらない。なのに、異常なほど、ここ数年多くの新会社が設立されているのだ。

②    『人材不足と外注』
 2:人材の確保でも、同じことを語るので、ここでは、軽く語るが、アニメーションを作るためには、多くの人材が求められる。
 しかし、アニメーターの数は変わらずむしろ減っている方である。
 なのに、異常なほどの本数がテレビアニメ化され、そのアニメ化の数が年々さらに増えてきている。
 そのため、外注が多くなり、中国や韓国などの制作会社に頼り切ってしまっている。
 しかし、中国や韓国のアニメ会社にとって、日本のアニメーションの制作を請け負うことのメリット性は低く、自国のアニメーションを作った方が遥かに、採算が取れると考えられる。
 また、年々、中国のアニメーションが日本のテレビアニメに放送されるようになってきたことにより、他国のアニメーションも力を持つようになった証拠である。

③    『劣悪な作品の大量生産』
 24年1月~3月まで放送されているテレビアニメ作品を視聴すれば分かることだが、作品の内容や演出、作画など多くの作品で問題が発生している。
 「作画」と言う視点で見ると、多くの作品で止め絵の乱立、顔面のアップや棒立ちによる手抜き、声優の演技での誤魔化しなど、作画の視点からは遥かに改善される様子はない。
 また、作品が放送されるたびに作品のクオリティーが下がり、動かすことができなくなり、止め絵で誤魔化すようになった。
 さらに、OPの映像も、始めから動かす方向性で作画しておらず、20年以上前の作品と比較するとアニメーションとしての動きがない。
 例えば、『ダンジョン飯』と言う作品は、今期の中で相当作り込んでいるが、残念なことにOP映像の動きは静止画が多い。
 このような他の作品とは制作費が多い作品ですら、OPの作り込む余裕がなくなって来ているのである。

④    『制作側と消費者側の教養不足』
 日本のアニメーションは、2012年から24年の間に作品も技術も衰退化してしまっている。そして、大量の粗悪品を視聴してきた結果、この酷い作品が視聴者や制作者側でスタンダード、つまり、平均基準になって来ている。
 要するに、「なれて」しまったと言うことである。
 10年前までは、できていたことができなくなったと言うのに、そのことに対して、指摘せず、今のアニメーションを称賛する視聴者が多い。
 特に30歳を超えているのならば、いい加減自分たちが子どもの頃に観ていたものより遥かに劣化していることに気が付くべきなのだが、残念なことに、何歳になっても気が付かない視聴者が多い。 
 そのことを証明するのが、アニメレビューなどのアニメを批評して、話題にしているユーチューバー達である。
 アニメに関しての知識は、ある程度持っているが、過去の作品と今の作品の差や実際のアニメ制作の作り手側の知識を知らない人が多過ぎる。
 他の項目でも語るが、日本のアニメは相当計算されて制作されている。
 それは使われる『色』や『名前』、さらには、何気ない小道具にすら多くの意味を込めて制作している。
 しかし、そのようなことに気が付くことができない視聴者が多く、また、制作側でも、そのような専門知識を持つスタッフはいない。
 さらに、同じことを言うかもしれないが、【知らなければ描けない】このことをちゃんと理解しなければいけない。
 そのことを知らない人の共通点は、確実に著名人やテレビなどのマスメディアの間違った情報をうのみにして、自らの常識を改めない人間だからと言えることだ。
 だからこそ、マスメディアの報道に安易に誘導されて、その劣化したものを面白いと勘違いしてしまうのである。
 例えば、『流行』と言うものがある。
『タピオカミルクティー』や『ポケモンカード』など、世間で流行となって、話題になったが、これらの物の流行には、その裏に意図的に はやらせた人物が存在する。
 だからこそ、日本の報道やネット情報をうのみにすることは非常に危険なものになっている。
 だからこそ、一度、俯瞰して、物事を見直すことが求められる。
 現代社会の強みは、手軽に海外のニュースを読むことができることだ。
 だからこそ、海外のニュースサイトの記事と国内のニュースサイトの記事を見比べたり、政治や経済、そして、歴史の本質について探求し、日々学ぶことが求められる時代である。 
 そして、できなければ、悲惨な目に合う。その例が、【コロナ騒動】なのだが、そんなことすら分からない人達は、何を言っても無駄である。だからこそ、非常に残念である。

*まとめ*
○クールジャパンの失敗
 23年10月31日の朝日新聞デジタルによると、【巨額赤字のクールジャパン機構 首相「経営改善求めること必要」】と言う記事が出されている。
「クールジャパン機構」(海外需要開拓支援機構)について、巨額の累積赤字が問題視されていると言う内容である。
 多くの投資が失敗し、22年度末の累積赤字は356億円に上る。経済産業省は昨年11月に示した改善計画で、ファンドの設置期限となる33年度の累積損益の見通しについて、黒字額を148億円から10億円に引き下げている。と言うのである。
 また、その他の情報から2022年3月時点で事業の累積赤字が309億円まで上がり、11月22月に行われた財政制度等審議会にて「累積損失が増えており、具体的な撤退ルールを決める時期に来ている」とし、2023年春までに成果が上がらなければ事業や組織の統廃合を検討すると通告された。と言う話もある。
 つまり、クールジャパンは何一つ成果を上げることができなかった政府の事業であったと言うことだ。

 政府が干渉して、【クールジャパン】を行われてから日本のアニメ産業にもたらしたものは、産業の衰退化に他ならない。
 また、何一つアニメ産業が抱える問題を解決できず、異常な制作体制や制作本数、新会社の設立、作品のクオリティーの劣化など、多くの問題が発生し、混沌状態に陥っている。
 つまり、日本のアニメ業界の衰退の原因の一つがこの『政府の干渉』=【クールジャパン】であると考えられるのだ。

2:人材の確保
 アニメーション制作は、技術職である。そして、その職人には、技術や教養が深く求められるが、この産業は、悲しいことに、人材育成に対して、何一つ解決できてはいない。
 問題定義するならば、以下の2つが該当する。
①    『低賃金・長時間労働』
②    『技術的な継承』
 これらの問題は、私が語らなくてもよく語られていることなので、今回は省くが、私達が暮らす日本において、このような低賃金・長時間労働の問題は大きな社会問題である。
 ならば、固定給にする案もあるが、これは逆にスタジオジブリの失敗例がある。
 ずいぶん前に指摘された話なので、細かい部分は語れないが、スタジオジブリで働いているアニメーターとフリーランスや他社で働いているアニメーターに同じ仕事をさせた場合、
 一見、スタジオジブリのアニメーターの方が優秀そうだが、実際には、フリーランスや他社で働くアニメーターの方が早く、安く同じ仕事を完遂すると言う話がある。
 ジブリのスタッフは確かに優秀だが、実力的には、他社で働いているアニメーターの方が優秀なのである。
 これは、安定がある職場と、不安定な職場と言う比較になり、一般のアニメ会社は納期するまでの制作時間の制限があるため、その期間内で作品を制作する中で、無意識に鍛え上げられる結果、早く描くことができるのだと考えられる。
 つまり、環境が人を育てると言うことだ。
 人は楽や安全な場所を手に入れてしまうと、活動が鈍ってしまうことを現している。
 また、スタジオジブリのアニメーターは、職人のような技術を持ってはいるが、彼らは共通して、宮崎駿や高畑勲から何一つ重要な技術的教育を受けてはいない。
 それが『本質的側面』である。
 『本質的側面』を知らない限り、優れた作品を生み出すことは不可能であり、その結果、一度は、アニメ制作部を解散することになり、最終的に独立した彼らが作った『スタジオポロック』には、名作を作るだけの力がないのだ。

次に、『数』と言う概念で語ると、以下の2つの問題が存在する。
③    『アニメーターの人数』
④    『原作者不足』

③『アニメーターの人数』
 日本のアニメ業界は、凄まじいほどの人材不足になっている。
 原因は、先ほど語ったことと同じく、低賃金・長時間労働を解決することが求められる。
 しかし、アニメーターの人数が増えない理由は他にもある。
 確かに、①:で語った通り、人を雇っても、低賃金・長時間労働で体を壊したり、生活ができず、アニメ産業を去ってしまう人が後を絶たないことが原因である。
 また、優れたアニメーターでも、使い潰してしまい、アニメーターの人数が一行に増える気配がない。
 そのため、日本のアニメ制作において、中国や韓国などのスタジオに、外注することが多くなり、日本国内だけではアニメを作ることができない状況にまで陥ってしまっている。
 さらに、それだけではなく、この過剰なアニメ化問題による作品数の多さに対応するために、絵が描けるだけで、動かす技術を知らない自称アニメーターを雇うケースが増えていることも求人広告に掲載されている件からも判明している。
 その結果、現在の異常なほどのテレビアニメを観ていれば分かることだが、止め絵ばかりで動かないものが多く、さらには、回を重ねるたびに、作画崩壊や絵の動きがなくなり、最悪なケースでは、放送を落とす事態にまで陥っている。
 つまり、今現在、アニメーターの人材確保、教育の改善が求められているのだ。

4:原作者不足
 次に問題なのは、テレビアニメの原作となる漫画や小説などの原作問題である。
 現在放送されている(24年1月~3月)作品の大半が『なろう系』の異世界ものになっている。
 これら大半の作品は、本来アニメ化されるほどの作品ではなく、10年前ならば、売り上げや話題性など考慮しても企画段階で落とされるものばかりである。
 しかし、この異常事態と化したアニメ産業では、そのようなことを考えず、手あたり次第アニメ化する事態となっている。
 こうした結果、『なろう系』も、あらかたアニメ化され、アニメ化する作品が少なくなってきている。
 また、今度は過去の名作をリメイクするリメイク問題が発生している。
 確かに、過去の名作をアニメ化することは読者やファンにとってありがたい話だが、そのリメイクした作品が、リメイク前よりも遥かに劣化したものであるとしたら、リメイクはしてもらいたくないのがファンの心情である。
 そして、多くのリメイク作品の失敗からリメイクすることに意味や価値はなく、放送終了後は、誰の記憶からも消えてしまうほど惨めなものになる結果が多い。
 しかし、現在のアニメ視聴者は、普段からアニメーションの質に対して作画など豪語しているのにも関わらず、リメイクされた作品の問題点を上げるどころか逆に褒めちぎってしまうほど、自分たちが観て来た作品の違いや技術に関することに無頓着である。
 このようなことにすら意見の言えない視聴者を相手にしているのだから世も末なのである。

5:新しい作品が生まれない理由
 では、なぜ、優れた新しい作品が生まれないのか? これだけ、多くのアニメや漫画や小説と言った作品が日々生み出されているのにも関わらず、20年前のような優れた名作が生まれないのか。
 その答えは実は簡単なことであり『本物の作家になれる作者は決して、作家にはならない』ことが理由だと考えられる。
【5:日本のアニメーションの正体】において、細かく語るが、『エプスタイン事件』と言うものを理解すれば、答えは自ずと出て来る。
 まともな作家は取引してまで作家になる人はいない。
 それでも、作家になりたい人が作家になった結果、才能や実力がない人ばかりになり、作品の質が落ちたと言うことだ。
 私が知る限り、2012年頃までは、そこまで酷い産業ではなかったと考えられる。
 その頃までは、やはり、実力主義の世界だったと考えられる。

3:視聴者の幼稚化
 日本のアニメの衰退化において、そもそもの原因の一つは、アニメを観ている視聴者の幼稚化が原因である。
 まず、日本のアニメーションの元々のターゲット層は子どもである。
 しかし、24年現在は、子どもが少ないため、ターゲット層が変わっている。
 そのターゲット層とは、平成生まれの「ゆとり世代」である。
 つまり、日本のアニメは、昔も今も変わらず、同じ世代を対象とした作品であると言うことだ。そのアニメを観ている視聴者層が、30年近くもアニメを観ているのにも関わらず、何一つ作り手側のことも、内容も理解できていないと言うことだ。
 このアニメを観ている視聴者層は、20歳を超えた大人である。
 それなのにも関わらず、今でも、アニメを観ている視聴者は、アニメに対して、いつまでも、同じことを言い続けている。
 例えば、アニメの質に対しては、作画や演出、脚本と呟くが共通していることは、作品の内容と作り手側に対しての理解を持たない。
 そして、アニメに対して、【癒し】を求めている。
 現在の日本のアニメーションの大半は、何度も言うが『なろう系』が大半であり、異世界に行って、チート能力を駆使して無双して、ちやほやされる中身のない作品がほとんどである。
 その他の作品では、「バトルもの」が多く、さらに、残忍な殺し合いをする内容のものが多くなってきている。
 これらの作品は全て、3つの要素であるエロ・グロ・バイオレンスの要素で構成されている。つまり、中身ではなく、要素で作られた作品であり、言わば、欲望を満たすことを目的とした作品だと言うことである。
 【5:日本のアニメーションの正体】で、細かく語ることになるが、このような欲望まみれの作品を作る理由は、視聴者の知能レベルを低下させることが主な目的である。
 アニメなどの娯楽を使い国民に現実逃避させて、現実に目を向けさせないようにするためにアニメや漫画などの娯楽文化が日本だけ発達していると言うことを理解しなければならない。その結果、私達の私生活は現在までに崩壊の一歩を歩み続けている。
 だからこそ現実に目を向けてもらいたい。
 生活が苦しくないかと。自民党の裏金問題、統一教会問題、大阪万博問題、能登半島地震による被害者問題、福島原発問題など、何一つ解決していない。
 そして、日本の政治や経済、今現在何が起こっているのか、果たして答えられる人はこのような幼稚な作品を褒めちぎる人達に答えられるであろうか?疑問である。
 また、私は聞きたい。例えば『鬼滅の刃』において、主人公の竈門炭治郎がなぜ、緑色の服を着ているのか? 『刀鍛冶編』において、登場した鬼の『半天狗』があのようないつも怯えていて、分裂すると山伏の恰好をしているのか? いい加減、これらのネタに対しても、理解できているのか不明である。
 そのことを理解できるようになった時、日本のアニメの闇深さが姿を現すのである。
 しかし、そのような答えを出せるような視聴者はいないだろう。
 自分が過去に観て来た作品よりも、遥かに劣るものを観ていたとしても、そのことすら指摘できず、流行に(話題にされている)流され、周りの目を気にして、自分も受け入れなければいけないと勘違いをして、自分と言う個性を失っている大人になり切れなかった人間なのだから。
 だからこそ、私達が今観ている作品が、酷さを理解することが求められる。
 そして、子どもの頃に観ていた作品の計算され尽くされた強いメッセージを理解する必要性がある。
 私はここで、一つだけある作品の言葉を引用しよう。
「子どもにこの部屋の価値は分からない」
この言葉は『少女革命ウテナ』の第38話においてラスボス・鳳暁生の言葉である。
 主人公のウテナは、全ての黒幕である鳳暁生 と最後の決闘を行う。
そして、理事長室に隠された大きな装置に対して、鳳暁生が言った言葉である。
 私は、現在の日本のアニメを褒めちぎる連中に言おう
『君たちは日本のアニメの本当の力を知らな過ぎる』と

 ここまで読んでいただきありがとうございました。
 今まで集めてきた情報と、自分の意見や考えをメモしてきたものをまとめようとしたら相当の量になり、今回はいい加減に、ここである程度まとめようと考えて、この記事を書くことにしました。
 そのため、前回はまとめることに苦労して、記事を出すことができなかった次第です。
 次回の方は、本格的に日本のアニメの神髄に踏み込もうと考えていますが、そちらの内容が複雑なために、出せるかどうか不安な次第です。

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