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【活用事例】リハビリでVRバッティングを使いスムーズな復帰を目指す(ベースボール&スポーツクリニック)

昨今、医療機関やスポーツ治療院などから「リハビリテーション目的でV-BALLERを使うことはできないか?」というお問い合わせが増えています。

そこで今回は、実際にV-BALLERをご活用いただいたベースボール&スポーツクリニックの豊田さんに「リハビリにおけるV-BALLERの有効性について」お話を伺いました。

ベースボール&スポーツクリニック 豊田太郎さん
育成コーチとしてクリニックに従事し、パフォーマンス診断やフィジカルトレーニングのコーチングを担当。クリニック外では、高校・大学の野球チームやスキー日本代表チーム(フリースタイルスキー・エアリアル)のフィジカルトレーニングも行う。

V-BALLERに関心を持った経緯について

豊田さん:野球のバッティングで起きやすい腰椎分離症(言い換えると腰骨の疲労骨折)というケガは安静期が長く、50-70日ほど安静にする必要があります。そうするとボールを見る機会が減ってしまうので、「せっかく腰が治って復帰できてもボールが見れない」という課題にぶつかってしまう選手が多いんです。

どうしたものかと思いつつ、バッターボックスに立ってボールを見るだけのトレーニングなどをしてきましたが、それくらいが限界でした。そんなときに、実際にボールを打たなくてもバッティングのシミュレーションができるV-BALLERを知りました。

今まで私が抱えていた課題を一気に解決してくれるかもしれない、フルスイングしなくても実打に近い負荷を与えられるのではないか、と思ったのが関心を持ったきっかけです。

検証:腰椎分離症のリハビリにV-BALLERを取り入れる

今回実施された検証の概要を教えてください。

豊田さん:腰椎分離症では、リハビリ過程を安静期→回復期→復帰期→再発予防期という4つのフェーズに分けて選手の復帰をサポートしています。その回復期から復帰期にかけて、患者さんにV-BALLERを使ってもらいました。

実際に活用してみて、どのような点に価値を感じましたか。

豊田さん:回復期から復帰期においてはまだ、所属チームでバッティング練習の機会を得るのはなかなか難しい状況です。そのため、「ここ(ベースボール&スポーツクリニック)に来ればV-BALLERでバッティングのシミュレーションができ、感覚を掴んでからチームの現場に戻ることができる」という状況を創り出せたことが非常に良かったです。

また、バッティングマシンではどうしてもデッドボールというリスクがありますが、V-BALLERにはそれがないというのも安心です。

V-BALLERを使われた患者さんの反応はいかがでしたか。

豊田さん:患者さんはフルスイングができないので、「まずはバントをしてみましょう」「当たらなくても良いので軽く振ってみましょう」という形でV-BALLER活用を進めました。

楽しみながらやってくれたことが一番良かったですね。腰椎分離症のリハビリは安静期が長く、体幹トレーニングやストレッチなど地味なエクササイズが多いです。そんな中、V-BALLERで実際のバッティングに近い体験ができたことから「楽しい!」というポジティブな気持ちになってくれました。これは選手自身のモチベーションの面でも非常に大切なことだと思います。

予想以上に患者さんがポジティブな感情になってくれたことで、V-BALLER以外のエクササイズも前向きに取り組んでくれるようになったことは嬉しい誤算でした。

ケガ予防の観点でもV-BALLERは有効か

豊田さん:リハビリの中で腰椎分離症の予防をするスイング動作があるのですが、V-BALLERはその練習にも使えると思っています。

腰椎分離症になりづらいスイング動作を練習する際、素振りや置きティーなどのクローズドスキル(※1)状態で練習して出来るようになっても、いざオープンスキル(※2)状態でボールが飛んでくると出来なくなる、という人がたくさんいます。

  • ※1 オープンスキル:絶えず変化する外的要因によって左右される運動技能。(野球の場合:バッティング、守備)

  • ※2 クローズドスキル:外的要因によって左右されない、自分でコントロールができる運動技能。(野球の場合:ピッチング)

今まではオープンスキル状態を作るには実際にボールを打つしかなかったのですが、その前にV-BALLERのVR空間でバッターボックスに立てるというのが良いですよね。

私たちは「動作を変えるときは中途半端に変えるのではなく一度思い切って変えてみて。その際にボールが飛ぼうが飛ばなかろうがチャレンジしてみましょう。」ということをよく言います。ただ、どうしても実打となると上手く打ちたいという心理からボールを飛ばそうとしてしまいがちです。その点、V-BALLERであれば実打に比べて新しい動作にチャレンジしようというハードルがぐっと下がるのではないかと感じています。VRという別空間に入ることで、まわりの視線も感じなくなりますしね。

選手からも「実際にバッターボックスに入る前にVRで見ておくことは、意味があったと思う」という感想が出ていました。


指導イメージ:選手がVR空間で見ている映像をPC/タブレットに投影し、その映像を見ながらコーチングを行います。

野球の打撃には”スポーツビジョン”が重要

豊田さん: 野球の打撃は、他の様々なスポーツと比較してもスポーツビジョン(※3)が重要だと言われている種目なんです。

  • ※3 スポーツビジョン:スポーツをする際に必要とされる視覚能力。(動体視力、静止視力、瞬間視などの総称)

スポーツビジョンの重要性自体は認知されていても、「野球の打撃のためのスポーツビジョントレーニング」は少ないと感じています。そこにV-BALLERが一石を投じたと言いますか。ぐっと指導の幅が広がった感じがしますね。

バッティング練習ができない梅雨時期やリハビリ期間でも、代わりにV-BALLERで刺激を与えることでスポーツビジョンが維持できるのではないかと仮説を持っています。

また、バッティングに重要なスポーツビジョンのDVAという能力(ものが水平に動くのを追う能力)は、週2回以上刺激を与えると効果が出やすく、1か月程度で上がってくると言われています。失われるのも早いので継続が必要ですが、恐らくV-BALLERもこれと同様に短期で効果が出てくるのではないかと考えています。

スポーツ×医学の視点から見るV-BALLERの価値とは

豊田さん:長年、医療とスポーツの間にはギャップがあると言われてきましたが、V-BALLERはその橋渡しを加速してくれるツールだと思っています。
医療現場からグラウンドに選手をお返しする一歩手前のところでV-BALLERがあれば今まで以上に選手がスムーズに復帰できるようになりますし、データを用いることで現場の指導者の方とのコミュニケーションも取りやすくなるのではないでしょうか。医療側から現場へ、V-BALLERを通してもう一歩踏み込んだ連携ができるようになっていくと良いなと思います。


今回の記事は以上です。

ベースボール&スポーツクリニック様のブログにも掲載していただきましたので、是非ご覧ください。

今後もV-BALLERに関する情報をnoteで発信していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

もう少し詳しく知りたい方は、是非V-BALLER公式HPもご確認ください。
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