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柴田聡子『佐野岬』考察

柴田聡子さんの曲はその歌詞も大きな魅力であるが、たいていの場合
「不思議な歌だけどいい感じだな…☺」で終わってしまっている節がある。
俺たちは雰囲気で柴田聡子の歌を聴いている。

ただ、なんとなく『佐野岬』に関してはわかりそうでわからないヒントが散りばめられている気がして、答えのない答え合わせではあるが、わかりそうな部分を書き出してみたいと思い、今回この文章を書いている。そう、まるでミステリー小説を読み解くようなわくわく感がある曲なのだ。


1、大前提

大前提として、まずは柴田さんの口から発せられた情報が元になる。
下記の記事では、佐野岬に関する貴重な証言がある。
柴田聡子を紐解く3つの「出会い」今、一番大切なのはおしゃべり:CINRA

—<3万借りたら5万返すよ>という面白い一節ではじまる曲ですが、どういう内容なんですか?

柴田:めちゃくちゃなことしているけど、なぜか愛されてる「伝説の先輩」みたいな人、地元にいませんか? そういう先輩がいて、そういう先輩と付き合う女の子って、たいてい可愛くてしっかりした人で、その先輩には舎弟もいたりする。で、これはその舎弟の話なんですけどって話をすると、しのぶさんが「いた! いた! めっちゃ美人の彼女と付き合ってた!」って驚いてて(笑)。話をしたあと、演奏をしたら、いい感じにグルーヴが出るようになったんです。

記事より引用

このことから、登場人物は3人のように読み取れる。
・「伝説の先輩」→歌詞で「レジェンド」と呼ばれる人物
・そういう先輩と付き合ってるかわいくてしっかりした彼女
・先輩の舎弟

これらに対応する部分が歌詞にあるように見えたため、以下にそれを記す。
ズバリそれは、「歌詞の中に出てくる一人称」である。

歌詞に出てくる一人称は以下の通り。
・「俺なんかいなくても」→俺
・「あんたにわたしの気持ちがわかれば」→わたし
・「僕の愛情がひとまわりして」→僕

これらを照らし合わせてみると、当然今回の登場人物は3人で間違いなさそうだ。そしてそれぞれの一人称は以下。
・伝説の先輩…「俺」
・先輩の彼女…「わたし」
・先輩の舎弟…「僕」

では、これらの情報を元にいよいよ歌詞の解釈に入ろう。

2、歌詞の解釈

一人称がわかったところで、これをもとにどこの歌詞が誰の描写なのかを解釈していきたいところだが、出だしでいきなり難しいところにぶち当たる。

3万借りたら5万返すよ
(中略)
金なんかなくても俺なんかいなくても
なんでもかんでも立派にやってる
あんたにわたしの気持ちがわかれば

「金なんかなくても俺なんかいなくてもなんでもかんでも立派にやってる」
これは一人称から先輩の言葉だと思われるが、
続く「あんたにわたしの気持ちがわかれば」では一人称がわたしになっており、どうやら「立派にやってる」の直後から描写の視点が切り替わっているようだ。

「めちゃくちゃなことをしているけど愛される先輩」という記述からも、
「3万借りたんだから利子付けて5万にして返すよ」のような、義理堅いのか金に無頓着なのか、そういうことを先輩が言ったように私は受け止めた。そんな先輩でも身だしなみはキメているのかリーゼントを整えて、髪を固める整髪剤の香りがする(くっついてくるつむじのにおい)。
そして先輩が「金なんかなくても俺なんかいなくても、なんでもかんでも
立派にやってる(よなあ、お前は)」と言っている相手、
それがわたし⇒先輩の彼女なのかなと私は解釈した。

続いて先輩の彼女のターンがやってくる。
「あんたにわたしの気持ちがわかれば
 返事の一つも来るでしょ年賀状
 お金があってもあんたがいなくても
 こうして書いてる 毎年やってる」
ひとつひとつの描写が先輩の言ってたことに対応していることからも、
どうやらここまでのことは先輩の彼女が先輩のことを思い出しながらのことのように受け取れる。

まとめると導入はこうだ。
「こんな先輩がいた。先輩の(元?)彼女は今は先輩と一緒にいないが、
 いまも先輩を慕っていて毎年年賀状を書いている」。
お金があってもあんたがいなくても、ということから、彼女は実際しっかりやっているし、先輩が今は彼女の身近にいないことが想像できる。
先輩の人を見る目は確かなようだ。
ここで気なるのは、先輩がなぜいま身近にいないのか?ということや、
彼女の気持ちというのは具体的にはなんなのかということだ。
とりあえず学校を卒業して会えなくなったり、遠くにいて会えないことへの思慕とも取れなくもない。
もうひとつ気になるのは、先輩の言っていることは彼女への直接の言葉であるが、彼女からの言葉は独り言というか、遠くにいる先輩に向かって投げかけるような、それでいて直接ではないような語り口ということだ。

続いてのセクションはこちら。

やっぱりこないや 七日に来ないや
たましいこぼれて 流れる駐車場
落ち着け今夜はまだ六日だ
今まで一度も裏切りはないだろう

先輩の彼女が何かを待っている。
前のセクションで「返事の一つも来るでしょ年賀状」と言っていたり、
年賀状の返事は一般的に1月7日までに出すことがマナーとなっていることからも、先ほど出した年賀状の返事を待っているものと思われる。
ここでこぼれている「たましい」とは、パッと思いつくのは涙の比喩表現かとも思うが、何か心の中で張りつめているものが、返ってこない年賀状によって今にもこぼれそうになっているのかもしれない。切実な気持ちがくみ取れる。ただ、「今まで一度も裏切りはないだろう」とあり、去年までは年賀状の返事はちゃんと返ってきたようだ。
ここで疑問なのが、「去年まではちゃんと年賀状が返ってきていたのに、なぜ今年の年賀状の返事は『やっぱり来ないや』なのか」ということだ。
それは、確定的ではないにしろ風の噂で先輩の身に何かがあったことを知り、本心では年賀状が返ってこないとわかりながらも、今までも返ってきたんだから今年もちゃんと返してくれるはずだと信じたい…そういうストーリーがあるのではないかと読み取った。

紙きれひとつで 金魚をすくって
も一度すくって 土に返すとき
ヨーグルトのスプーンを立てて
ペンで名前を書いて拝んでた
レジェンド レジェンド…

金魚をすくうといえば、お祭りなどで見られる金魚すくいのシーンが思い浮かぶ。レジェンド、レジェンドとそのあとに繰り返されいることからも、この行動は先輩のことを指しているとみられ、これまでの流れから彼女が先輩のことを思い出している情景ではないだろうか。
一緒に行った夏祭りで金魚すくいで金魚をすくった先輩。そのまま育てていたが(この期間がどのくらいかはわからない)結局金魚は死んでしまい、水に浮いたところをすくい上げる先輩。そしてそれをその辺に捨てるのではなく、ちゃんと土に埋めてお墓を立てている先輩。金魚に名前を付けてさぞかし可愛がっていたのかもしれない、そんな先輩の愛嬌が浮かんでくる。

さて、ここから2番になるがここからの考察は段違いに難しくなってくる。

男ばっかりの夏のお楽しみ
いつも曇りで断崖絶壁
白黒してる厳しい横顔
「人生は長い」聞き流せない

文字通りとらえるならば、男たちが複数人で断崖絶壁に来ている。
ただ、「夏のお楽しみ」とあるように、彼らは海に遊びに来たのだ。
男たちは先輩の舎弟連中だろうか。その恰好は海パン姿なのかもしれない。みんなが浮かれている中で、先輩の表情だけが厳しい。
「白黒してる」という意味がよくわからない。ただこの二色はコントラストがはっきりしているため、「厳しい横顔」という言葉と組み合わせ、変にニコニコしたりせず、頑として構えている。舎弟連中の前では威厳を保っていたのかもしれないが、前述の金魚の話を読んだ後だと、心根は優しいのだなとわかる。
そして「人生は長い」とそれっぽいことを言う先輩、ただこのときの先輩はせいぜい高校生か大学生だろう。彼自身がまだ若いためあまり説得力があるとは言えないが、なぜか聞き流せない印象的な言葉。なぜだったのだろうか。
さて、ここまでの海に来た描写であるが、このときのことを考えているのはここにいない先輩ではないとしたら、彼女なのか、舎弟なのか、どっちだろうか。これまでの流れ的に彼女でもよいように思うし、いつの間にか舎弟に移っていたとしてもおかしくはないが、正直それを確定させる決め手はない。つまり、どちらでもいいように私は解釈した。男たちの中に1人だけ彼女が混ざっていることへの、先輩のレジェンド感なのか。彼女抜きで海に行ったときの舎弟の思い出なのか。ただ、次のセクションでこれは彼女の思い出かなと思う部分があった。

食えよ喰らえよ 若いんだから
ここから絶対入ってくんなよ
独り占めした 結構いい部屋
ノックひとつで 飛んでくうずら
レジェンド レジェンド…

海に来たくだりの続きに思われる。
男たちが食事をするところと言えば、昼間の海の家か夜のホテルや食堂か。
「若いんだからいっぱい食えよ」先輩の男らしさがある。
「ここから絶対入ってくんなよ」急に強い言葉が出てくる。何かと思えば「独り占めした 結構いい部屋」とあり、一人だけホテルでいい部屋を独占している先輩の威厳を、舎弟たちに見せているのかもしれない。ただし次の部分を除けば。
「ノックひとつで飛んでくうずら」
絶対入ってくんなよ、と言った後で部屋を訪ねてくる人物といえば、やはり先輩の彼女しかいないと思われる。そして、強い言葉とはうらはらにそれを待ちかねていたかのように、たった一回のノックで飛んでいく先輩は、舎弟たちに威厳を見せていた鷹や鷲の姿ではなく、実際にはかわいらしく小さなうずらのようだったのか。

次のセクションが最難関。

馬鹿と火傷に薬は塗らない
お前の付き添い ヨーロッパくんだり
河を映して崩れた瞳を
抱きしめたときだけ 本当だったな

以前に柴田聡子さんの配信『シャムゴットトークドリル』で、「このときの河は何河ですか」というゴツリス(視聴者)からの問いに柴田さんが直接答えていたと記憶しているが、肝心の河の名前を忘れてしまった。
ただ、ヨーロッパの河の名前だったことは確かなため、この歌詞は実際に誰かとその付き添いの誰かが、ヨーロッパに行ったときのことだと思われる。
では、その二人とは誰なのか。
彼女⇒先輩に対しては「あんた」だったため、これではない。
また、舎弟から先輩やその彼女に対して「お前」というのも不敬のため、これは除外した。とすると、「(付き添い)彼女」⇒「(お前)舎弟」や「(付き添い)先輩」⇒「(お前)彼女or舎弟」のどちらかという選択肢に絞られる。
正直な話、「舎弟の話」と柴田さんが言っているが、私の解釈だとここまで全然舎弟が出てこないため、根本的に私が間違っている可能性は十分ある。ただ、あくまで私の個人的考察だという前提で進めさせていただくと、やっぱりここは先輩が彼女の付き添いでヨーロッパくんだりまでついてきたと思うのが自然だった。くんだりと言えば、調べてみると「中心地から遠く離れた土地」を強調する言葉らしい。ここでは日本、もっといえば先輩たちが普段暮らしている土地から「わざわざこんな遠く離れたところまで来た」というニュアンスが伝わってきて、この発言者はあまり乗り気ではなかったことが伺える。よって、より「彼女のために来たくもないこんなところまでわざわざついて来た」ということがわかる。この柴田さんの言葉選び、ヤバくない?
そもそも彼女の付き添いで来たというが、単純に二人の旅行であれば「付き添い」という言葉は不思議だ。なんとなく「付き添い」という言葉は、病人やけが人の世話をする係というニュアンスがあると思う。そこに「火傷」という言葉、これが直喩か隠喩かは不明だが、なんらかの傷を負った彼女に先輩が付き添って来てくれたように思えた。
「河を映して崩れた瞳を」怪我、あるいは心理的なダメージを負った彼女は、河を眺めて泣き出してしまう。
「抱きしめたときだけ 本当だったな」抱きしめることは、基本的には一人ではできない。やはり泣き出した彼女を先輩が抱きしめてくれたのか。
そのとき、何が本当だったのか。別に嘘ばっかりの先輩という情報は特にないが、舎弟に対して威厳を見せるような見栄っ張りの部分はあると思う。抱きしめてくれたのは、そういう形式上の行動ではなく、心から先輩が抱きしめてくれたと彼女にしてみれば思えたのかもしれない。そういえば、さっき「馬鹿と火傷に薬は塗らない」と言ったばかりだ。言い換えると「俺は怪我人だからって優しくしないぜ」ということになりそうだが、そう言った先輩が泣き出した彼女を抱きしめてくれたと思えば、それが本心だったのだろう。

父親の手が 悪ふざけをして
死んだ息子の 好物を配る
ひとりひとつの固い固い桃
知らず知らずのタフなメッセージ
レジェンド レジェンド…

全っ然わからない!
ただ、彼女が心理的にダメージを受けていた原因がこれなのかもしれない。
最初、「先輩が今身近にいない」理由がこの「死んだ息子=先輩説」として私の中にあったのだが、ヨーロッパくんだりまで彼女と先輩が来た理由がここだとすると時系列が合わず、「死んだ息子=第三者」だったのかも知れないと今は思うようになった。
そして、それに対して彼女がダメージを受けているのだとしたら。
例えば、彼女の家族(弟とか)が留学先のヨーロッパで死んでしまったとか、あるいは、彼女が大ファンだった若いスポーツ選手、芸能人が死んでしまったとか。せめてその葬儀に立ち会おうと、気持ち的にぼろぼろの彼女に先輩が付き添って来てくれたなどが考えられた。
「父親の手が悪ふざけをして」どういうこと!?全然わからないその2。
ただ、悪ふざけとして「死んだ息子の好物=桃」を配っている。
なんとなく、それがあまり良くないユーモアのように彼女が受け取ったのかもしれないが、固い固い桃(柴田さんが好きなのは固い桃)に対して、なんらかのタフなメッセージを受け取ったようだ(もはや考察も投げやり)。
不思議なのは、ここでの先輩は付き添いで来てくれて抱きしめてくれただけだが、現地で配られた桃に対して何らかのメッセージを感じた彼女に対して、レジェンド、レジェンド…と歌われている。
つまり、私の解釈だと桃と先輩の繋がりが全然ないのだが、もし万が一、「死んだ息子=先輩」説を取るならば、「死んだ先輩が好きだった固い桃から、何かしら先輩のメッセージ性を感じる」という非常に綺麗な流れになってしまう。しかし、抱きしめてくれたところから急に父親の手が悪ふざけをして桃を配る、つまり先輩の葬儀の場面に飛ぶものだろうか?ということで、私はヨーロッパの第三者説をとりあえず取っているのであるが…。
もし何かしら良い解釈があれば、ぜひ教えてほしい。

追記:ChatGPTに「固い桃」のメッセージを予想してもらった。通常、桃と言えば「柔らかくて甘い」イメージがあり、そこに「固い」という不釣り合いな修飾がついていることから、いくつかのメッセージが予想されるということだった。ここまで読んで、「それって先輩そのものじゃね?」と思った。あなたはどう思っただろうか。

さあ、最後のセクションとなった。

僕の愛情がひとまわりして
そこらじゅうが喜び始めて
喜びすぎてついやってしまった
それでもうれしい誕生日がくる!
レジェンド…

新情報として、ここの一人称は僕。
つまり、明確に舎弟目線の歌詞なのだ。

これまでのところをまとめると、
・先輩が風の噂で年賀状を返せないようななんらかの状態になってしまった(たとえば死んだなど)。
・彼女をはじめとして、先輩を慕う連中が多くいそう
・もちろん舎弟である”僕”も先輩を慕っているのではないか

そして、その上で”僕”はつい何かをやってしまったようだ。
何をやってしまったのか。
周りが喜ぶようなことを?

そこで、まず彼女が喜びそうなことを私は考えてみた。
それは、冒頭で待っていた「年賀状が返ってきた」ということである。
死んだあるいはそういう類の噂がある先輩から年賀状が返ってきた、それは嬉しいことなのではないか?そして実際には先輩が返せる状況にはないため、この舎弟は「先輩本人と偽って年賀状を返した」。
なぜそんなことをしたのか?「僕の愛情」という言葉がある。
もしかしたら”僕”は先輩の彼女が好きだったで喜ばせたかったのかもしれないし、あるいは先輩その人に対する尊敬の気持ちから、先輩は不滅だということでやったのかもしれない。
いずれにしろ、「やってしまった」という言葉は、本来は良くないことを舎弟が行ったことを示し、歌詞全体の流れから、私はそう結論付けた。

そして彼女は、年賀状が返ってきたことを周りに報告し、周囲もそれを聞いて喜ぶ。そういう、取り返しがつかないがハッピーな嘘を、”僕”はついてしまったのかもしれない。

ただ何かおかしい。
僕の愛情が年賀状を先輩に代わって返すことなら、その喜びが周囲に伝播した結果、ついやってしまったのはまた別のことになる。なので、こういう考え方はどうだろうか?
1、先輩が死んだという情報が出た
2、僕は先輩への愛情から、先輩は死んでない、と嘘の情報を流した
3、周囲はそれを喜ぶがまだ信じ切っていない人も(やっぱり嘘かも…)
4、周囲があんまり喜ぶので、先輩の年賀状の返事をついやってしまった!
これだとなんとなくしっくりくるかもしれない。

また、立ち返って「舎弟が先輩のふりをして年賀状を返した歌」としてみると、これは「先輩の舎弟(が裏で暗躍している)の歌」と言え、柴田さんの説明とも合致する。つまり、このセクションの役割は歌全体のネタ晴らしだったというわけだ。

最後に、誰の誕生日がやってきてなんでそれが嬉しいのか?
先輩、彼女、舎弟の誰かの誕生日であることは想像に難くない。
「それでも嬉しい誕生日が来る!」とあり、舎弟がやってしまった事柄を打ち消すような嬉しさの誕生日なのかとは思う。ただ、この状況でそこまで嬉しいものだろうか?

1.先輩の誕生日だった場合、祝いに集まってきた舎弟連中や仲間たちがい 
 たとしても先輩は不在のため、舎弟のやらかしがバレる可能性がある。
2、彼女の誕生日だった場合、嬉しいのだろうか?もし舎弟が好意を寄せて
 いる場合は、彼女に会う機会となり嬉しい可能性もあるが、同時にやらか
 しがバレる可能性も十分ある。
3、舎弟の誕生日だった場合、あまり先輩や彼女と関係なく、普通に誕生日
 だから嬉しい可能性がある。また、この場合あまりやらかしとは関係な
 く、バレる可能性は少ないかも知れない。もう少し考えると、彼女や舎弟
 仲間たちからは祝いのメールやメッセージが届くかもしれない。そのと
 き、彼らの中では先輩は生きていることになっているので、彼らの表情も
 明るいのかもしれないと思うと、このパターンが一番嬉しい誕生日か。

どの場合だったとしても、「誕生日」というのが急に出てきたワードであるため、材料が少なくこうして妄想するしかない。現状で言えることは残念ながらここまでである。

3、まとめ

うーん、いかがだっただろうか。
正直、私自身確信をもって書いている部分は少ないため、あくまで考察の範疇に過ぎないことは、全体を読んでわかっていただけたかと思う。
ただ、柴田聡子さんの歌は意味をつかめたときのアハ体験がすごいし、こうして自分なりの解釈を楽しむことは、歌をさらに好きになるきっかけとなる。

ぜひ、この内容をたたき台にして、あなたなりの『佐野岬』を聞かせてほしいと思う。
そういえば、「佐野岬」って、なに?人名?地名?

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