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▶建築レポ #50『旧三井家下鴨別邸』

こんにちは、véritéです。
洋館巡りを始めてから「和洋折衷建築」や「擬洋風建築」なるものを知りました。

「和洋折衷建築」とは、近代日本において建てられた和風建築と洋風建築の要素を意図的に折衷した建物で、「擬洋風建築」とは、木造日本建築に西洋建築の特徴的意匠や、時には中国風の要素を混合した建物とあります。

今回は「和洋折衷建築」の一つである「旧三井家下鴨別邸」を訪れました。
「旧三井家下鴨別邸」は、下鴨神社の南、高野川と鴨川の合流地点に位置します。

この地一帯は、明治31年(1898)、三井家が購入し、明治42年(1909)、三井家の祖霊社「顕名霊社」が遷座された地であり、京都に複数あった三井家邸の中でも特別の意味を持つ場所だったそうです。

呉服を商う三井家は、京都で養蚕の神「木嶋神社/木島神社(このしまじんじゃ)」を信仰。

こちら(木嶋神社/木島神社)は蚕ノ社(かいこのやしろ)とも呼ばれ、三柱鳥居が有名です。

下鴨別邸の主屋は、「木屋町別邸」から移築され、増築を加え、大正14年(1925)に竣工。

「旧三井家下鴨別邸」は、望楼が特徴的な木造3階建てで、書院造りの形式を踏襲しつつ、意匠は洋風の要素を取り入れた趣となっています。

調度品は、いずれもシンプルながらも手の込んだ美しいデザイン✨

特筆すべきは、茶室の建築年代。
修復中に、「慶応四年」(1868)と書かれた祈祷札が確認されたそうです。
(つまり、主屋より茶室が先?!)

いずれにしましても、「和洋折衷建築」もまた興味深いですね。

「美しい」から「壊すのはもったいない」
「美しい」から「次世代へも遺したい」と人々が奔走

「美しさはサステナブルである」と思う昨今です✨

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