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博論日誌②

10月某日
論文の修正を行う。まだちょっと密度が低い気がするので、作品分析を加える。余計なところを削って作品の話をしたほうが、論文としていい感じになる……たぶん。まあ、地に足着いた話にはなる。

10月某日
非常勤用の授業資料作る。できれば博論に集中したいが、人は論のみに生きるにあらず、パンとワインも必要だ。パワポも作り慣れてきて、昔と比べるとだいぶ見栄えよくなる。デザインのセンスはないので、あんまりおしゃれなパワポにはならない。でもこういうこと言うとよくないけど、大学の先生はパワポ作るの下手だと思う。

11月某日
いよいよあと20日ほどで完成させ、印刷にまわさなければならないころである。ゼミに出る時間をもったいなく感じてしまう日もある……が、先輩のお世話になってきたので出席する。これが共同体主義というやつだ。

11月某日
死ぬほど眠い。13:00に起きたが、まだ眠いので昼飯食ってさらに昼寝する。人間の身体ってどうなってるんだろう。起きてからドトールに行き、博論。さすがに捗る。睡眠不足だと頭が働かないから睡眠時間は大事にしているつもりで、少なく見積もっても平均7時間以上は寝ているのだが、それでも定期的に眠たくて仕方がない1日がやってくる。それだけ脳のエネルギーを使っているんだろう。……ということにしておく。

11月某日
ジムに入会する。博論書いてる時期にそんなことしてる場合じゃないだろうという感じもするが、博論書いてる時期だからといってずっと博論書いているわけではない。人は論のみに生きるにあらず。久しぶりにトレーニングしたら5日くらい筋肉痛になる。さすがに軟弱。

11月某日
お世話になっていた先輩の結婚式に出る。広島。新幹線だと近い。というより近すぎる。旅情がない。でも、結婚式は無条件にめでたいので、なんか複雑なことを考える必要がないので、いいイベントだと思う。飯もうまい。お幸せに!

11月某日
博論「おわりに」も書き、気になっていた章もある程度直し、そこそこ形になってくる。後はプランのあいまいな終章だけ。序章をつくったせいで終章を作らなければならなくなったのだが、博論はこの部分の存在を要請している。思い通りにならないものだ。

11月某日
カレーを作る。インスタントのルーではなく、トマト缶にカレー粉やコリアンダー、ターメリックなどスパイスを足していったもので、そこそこ本格的なやつだ。カレーは足し算で味を考えることができるので、材料の多さに比してそんなに作りにくくない。これは俺の博論と同じなのだ、と思いながら煮込む。

11月某日
高校文芸部の大会で公演する。高校時代の恩師に頼まれたのである。恩師のおかげで博士課程に進もうという気になったので、本当に恩のある先生なのである。博論提出2週間前というタイミングだが、前からわかっていたことであるし、めっちゃ切羽詰まっているわけでもないし、1時間の講演にしっかりと準備して挑む。大変楽しかった。帰りに講演料を使って田中純『政治の美学』買う。本を読んで講演して、講演でもらった金で本を買う。これが永久機関だ。熱力学第二法則を打ち破る。

11月某日
博論。D1のころに書いた論文が思ったよりひどくて凹む。ひどいというか、あんまり見直してない感がある。論文はやっぱりしっかり時間をかけないといけないもので、ざっと書いたものはざっと書いた感じの文章になる。うーん……。がんばって直す。半分くらい書き直した。

11月某日
ちょっといいウイスキーを買う。具体的には3500円くらいのやつ。でもだいぶウイスキーに詳しくなってきたと思う。安いやつなら。自分はスコッチがすきなので、バーに行ってもバランタインとかラフロイグとかを好んで飲む。ウイスキー得意じゃない人におすすめなのはサントリーのスペシャルリザーブ。甘いので。

11月某日
博論手直し。でも、雑誌に出すときもだいぶ読み直したし、正直読みあきたな……。

11月某日
博論「終章」書く。自分で下げたハードルよりはいいものになったが、じゃあ満足いくものかというと微妙。60点くらい。でも60点なだけマシかな。土日を使ってざっと書いたので不安。ざっと書いたものはざっと書いた感じの文章になるから。

11月某日
麻婆豆腐を作る。インスタントじゃなくて、自分でいろいろスパイスを加えて作るやつ。作ってみると、美味いのだがなんかコクみたいなのが足りない。なにを足せばいいのかいまいちわからない。美味いと言えば美味いんだけど……。中華は複雑だ。

11月某日
博論印刷に出す。提出一週間前くらい。もっと早くに印刷できるところを選べばもう少し時間をとれたし、たぶんクオリティも上がったが、自分でこの日を締切にしていたので締切にする。こういうのは自分の締切がいちばん大事である。

ちなみに印刷はちょ古っ都というところ。とっても安い。ただし、本当にPDFデータを入稿して印刷するだけなので、いろんな調整は自分でやらないといけない。特にややこしいのが背表紙で、厚さを考えてデータを作る必要がある。でも安いよ。


11月某日
博論を印刷にかけているので、やることがなくなる。たまっていた積読を少しずつ消化する。

さて、次の論文だ。

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