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溺れるナイフ

見たきっかけは何を隠そう重岡大毅くん目当てである。

他のドラマで重岡くんをみた時、こんな人が職場にいたらいーなーと惹かれ、こんな真っ直ぐな人魅了的すぎるだろと重岡くんの沼にハマった。
自分でも惹かれる基準がこんな人が職場にいたらいーなーと思ったことだというのが笑う。いい意味で社会人に染まったなと思う。

余談はさておき、この映画の広告は見た事があって、田舎の恋愛話で重岡くんは当て馬なんだろうなという所まではなんとなく分かっていた。
正直、内容が重そうで見るかは迷った。疲れた脳にはなんにも考えないラブコメぐらいがちょうどよかった。
だけど、結論としてはほんと見て良かった。
オンオン泣けてすっきりしたし、見終わった後のポーッとした恍惚感のような、あったかい気持ちを感じれて今に至る。

途中暴力的なシーンにはウッとなったし、菅田将暉の不器用さにはほんと嫌になった。
主人公と一緒になって怒った。この時点でもうこの映画にどっぷりになっているのが分かる。菅田将暉、小松菜奈のお互いの不器用さにヤキモキしたけど、中学生だと思ったら仕方ない気がした。思い出したよ、あの頃を。
あの頃ってほんと不器用で、感情を上手く表現できなくて、自分でもこの気持ちがなんなのか分かんなくて胸が苦しくてさ、そんな夜があるよな。
その苦しさを大人になって思い出すと甘酸っぱくて眩しくって、それを人は青春と呼ぶんだよ。
田舎育ちで都会に出た勢は、その青春をより色濃く感じるだろうな。
あーエモい。そんな軽はずみな言葉で片付けてはいけないんだけどね、エモいじゃんね。
中学生ってだけで、閉塞的なのに田舎ってなると閉塞感の2乗で題名の通り溺れるぐらい息苦しいだろうな。

肝心の重岡くんはさ、やっぱり当て馬で、真っ直ぐなキャラだった。重岡くんはしっかり傷ついてたけど、そうやって成長していくんだろうな。
大人になって、田舎をでてまっとうに生きて、誰かと幸せになる姿が容易に想像がついた。それでいいんだよな。たまに小松菜奈を思い出して「あいつ今頃元気かな?」ってしっぽり思うんだろう。

まぁ俯瞰でみるとさ、田舎の恋愛至上主義の中でマセた男女が惹かれあって、男はグレて女は都会にでたっていうよくある話なのかもしれない。でも、そこに至るまでのいろんな分岐点。
彼らの葛藤、挫折、流した涙。

彼らにとって、どうか綺麗な思い出であり続けますように。

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