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韓国語授業*ハウちゃんとマダムの暴走

20年前の韓国語学留学中。トルコの可愛い女の子ハウちゃんと個性強め中国マダムは忘れられないクラスメート。紹介はこちらです↓


その日は、直喩や関連表現法の授業。日本には「だんご鼻」という表現があるが韓国では「こぶし(げんこつ)鼻」というらしい。

配られたプリントには、お人形さんのように可愛い女子と(言葉アレだが)かなりの不細工女子イラストが並び、不細工な方に『かぼちゃみたいな顔』との説明がある。

女の容姿に厳しいよなぁと思っていたら、やはりだ。

例文を作りなさいと当てられた生徒が

「隣の家には、かぼちゃのような顔をした男の子がいます」

答えると今日の男の先生が
すかさず

「あ、かぼちゃのようなと言う表現は、男には使いません」

と、宣う。
女にだけとな?

「では、男の不細工はどう表現するんですか」

聞いてみたら

「うーん、ありませんね」 

またも宣う。

ったく男社会だ。あー前置き長くなった。

本日のメインはここから。


「さて、じゃあ皆さんの国では、どういう表現がありますか」

先生の問いかけに
まず中国人の若い子が

「私たちの国では、ご飯ばかり食べて動かない子に『牛のようなヤツ』と怒ります」

そう発言するとハウちゃんが

「違います! 私の国トルコでは、よく勉強する子を『牛のような子』と言います。だから牛は誉めるときです!」

牛を庇うかのように言いたてる。

へぇぇ、国によって怒られたり誉められたり、牛さんも忙しいやね、なんて笑ってると

ハウちゃんお次は野菜を持ち出した。

「不細工な男は『きゅうりのような男』と言います!」

きゅうりてか、これまたほぉぉと聞いていた。

そのときだ。嵐の予感。

マダムがスッと手をあげて


「私は中国にいるとき、いちど本当に猿と同じ顔をした子供をみました。猿のよ・う・なじゃなくって、猿と、お・な・じです」

ええっ。
猿て北京原人?
それ雪男じゃない?
猿人が居るってこと?
中国は広いからなぁ。

マダムが投げたブロックで一気に教室がザワつく。と、日本のCちゃんが

「赤ん坊とか子供のときは、お猿さんみたいと言われる時があります。だから、きっとその子も大きくなったら変わると思います」

面識も無い異国の子を気遣って、優しくフォローした。そうそう、子供ってそうだよね。Cちゃんの言葉に一同落ち着きを取り戻した


のに、マダム


「いいえ。会ったときすでに中学1年生くらいでした。だから、彼は猿のままです」

笑たらあかん話題よ、でも苦しい、やめてマダム、リアクション困るのよ。
クラス一同再び戸惑いわさわさする。

「さあさあ! 次の表現いきましょう。ええっと次のページは」

今日いち大きな声で先生が収めようとした

のに、マダム再び

「そうだわ、思い出しました。たしか、母親が妊娠中に飲んだ薬のせいです」

中国チームっマダムを止めてやれーーっ!!
知らんぞー!!

そんな混乱のなか
ハウちゃんが無邪気に飛び込んでくる。

「先生! トルコでは良い女のことを『落花生みたいな女』って言います! 私はまだ若いから意味分かりませんけどクックック」

『女』にセンサーが反応したのか、マダムが濃艶に笑いかける。

「先生、私もまた思い出しました。中国では『仙女のような女』がいます。むかしむかし、あるところにペラペラペラペラペラペラ」

婦人暴走授業終了


【お腹が痛い。20年前のブログ読んで忍び笑いしてる自分もどうかと思うけれど、マダムのどうかしてるは傑出していました。今もどこかで周囲を混乱に巻き込んでいることでしょう。会いたいなー】

続く。

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