元彼からガンを告白されたとき

今年の元旦、夫の実家があるサンノゼの空港で、日本に戻るフライトを待っていたとき、元彼からLINEにメッセージが届いた。

「 Happy New Year! 2016年が良い年になりますように。ところで、去年、大きな手術をしたんだよ。今はもう回復しつつあるけど」
「手術ってなんの手術?怪我?病気?」
「悪性腫瘍」
「それってガンってこと?」
「そう。3か月入院して、今はもう仕事にも復帰した。転移もなく順調だけど、ずっと病院には通っている」

こういう場合、どう返すのがいいのか。友だちなら、「今度久しぶりにゆっくり会おうよ」とか書けるけど、相手が相手だけにあまりうかつなことも言えない。少し考えて、
「順調に回復してるならよかった。あまり働きすぎないようにね」
と返信すると、
「ありがとう。今からLAに帰省するところなんだ」
「そうなのね。向こうでゆっくりしてね!」

この元彼とは、30代の前半に1年ほど付き合って別れ、30代後半で再会してまた付き合い始めるも、その間にバツイチになっていた彼が、結婚のトラウマだか何だかでややこしいことになっていて、結局別れることになってしまった。
もう二度と結婚はしたくないけど、私には傍にいてほしい、などという自己チューなことを言っていた元彼から、前回連絡があったのは、確か、私が結婚した翌年の2015年。4年ぶりくらいだったと思う。

元彼の連絡先はすべて消去していたので、電話があったときは誰かわからなくて、とりあえず出てみたら元彼でびっくりしたのだけど、私が結婚したことを伝えると、相当ショックだったみたいで、「マジで?」を連発していた。
そして、翌日LINEで、
「もう恋人同士には戻れないけど、友だちではいられるからよかった」
とメッセージが送られてきたので、
「あれ?私たち友だちだったっけ?」
と半分冗談、半分本気の返信をしたのだった。
私がまだ独身だったら、よりを戻そうとでも思っていたんだろうか。男ってほんと自分勝手な生き物だわ。

普段、元彼のことを思い出すことはあまりないけれど、テレビや友だちとの会話の中で、ガンの話題が出てきたときなどは、やはりふと頭に浮かんで、あれからどうしてるかな?無理してないかな?とついつい心配になって元彼のことを考えてしまう。まさかそれを狙ったとは思わないけど、やっぱりずるいよな~。そういう告白って。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?