見出し画像

【ベトナム語】外国語学習に関して"私の多読" #3

さて、2002年にハノイに戻り、夏、成田~ハノイ線の就航からまた怒涛の日々が始まるのですが、そんな中、サバイブするために英語とベトナム語(そしてフランス語。その理由はまた追々)をコツコツと続ける私。

ベトナム語に関しては、生活や仕事の中で使う努力をしましたが、やはり声調や発音の習得は独学では限界があり、伸び悩みます。

そんな状況を打開しようと思ったのでしょう。おそらく2006年あたりだったかと思いますが、旧知のベトナム人日本語教師にお願いをして作文の添削及び発音矯正をしてもらいました。その時のノートがまだあります。

"ハノイの交通問題"というトピック

ベトナム生活から、自分が興味を持ったテーマで作文し、添削してもらった後、音読して発音を直してもらうというもの。忙しくなり長くは続きませんでしたが、それでも週一回、二ヶ月くらいはやったでしょうか。

その後はまた自分に合う勉強方法を試行錯誤しましたが、作文経験から一つ、ベトナム語も類語が豊富で、単語だけ覚えても正しく使う事が出来ないという事を痛感、それでは"ベトナム語の文章をたくさん読み、そこで使われ方を覚えればよいのだ"という段階に至ります。

また同じ頃、先が見えない人生をどう打開するかと悩んだ時に、"もっと本を読もう!特にビジネス書を!"という考えにも至っていました。しかし、ビジネス書は読みたし、日本に帰るは一年に一度、それに金銭的にもスペース的にもたくさんは買って帰れない.. (電子書籍もまだ黎明期だったかと)

そんな、もどかしい日々を送っていたある日、気分転換に書店に入り、本を眺めていました。当然、そこにはベトナム語の書籍しかないのですが、ビジネス書コーナーを見ると、自分でもタイトルを知っているような有名な本が並んでいます。

"そうか、発展著しいベトナム。今、多くのビジネス書が翻訳され始めているのだなぁ"と思った時、"そうだ!これらの本を読めるようになればよいのだ! ベトナム語の上達にもなるし一石二鳥!"と叫んだ訳です。(※心の中で)

その時、手に取ったのが『Ai Nói Voi Không Thể Khiêu Vũ?』、ルイス・V. ガースナーの『巨象も踊る』です。

2010年にCông ty Sách Alphaから出版されたもの

単語を引きながらコツコツ読み始めましたが、
2010年あたりのベトナム語の辞書について言うと、紙の辞書は言うに及ばず、Google翻訳の精度もいまいち、各ネット辞書もまだ語彙が少なく、経済用語やコンピュータ用語など新しく加えられていく状況でしたから、引いても出てこなかったり。そんなこともあり、挫折を繰り返しながら なんとか最終ページまで読み切るに(正確には単語を引き切るに)、休み休み、4、5年はかかったでしょうか。

もちろん、その間、別の本にチャレンジし、語彙・表現を蓄え、そうこうするうちにネット辞書、Google翻訳も使えるレベルになっていき、“ベトナム語で読書活動"にも多いに助けとなり、だんだんと多読も速度が上がりまして。

実はノートを始めるにあたり、『Ai Nói Voi Không Thể Khiêu Vũ? 』を出して、今、10年ぶりくらいに二度目を読んでいるのですが、流石に辞書を引く回数はかなり少なく、結構サクサクと読めることに自分でも感動する次第。(といっても二回目でも100%とは行かないので、ものによっては三回、四回と読んでいきます。)

2011年11月13日に勉強した記録が。今はしませんが、
当時は名詞、動詞、形容詞で色を分けていました。

正直、最初の頃は1ページすべての単語を拾わねばならず大変ですが、一日1%の努力でも一年になればなんとやらで、段々と語彙も増え、良く使われる表現、文体にも慣れてきます。結局は継続が全てであるかと。

もちろん、これは語学マニアかつ、ベトナム専門で生きる事を選んだ人にしかお勧めはできないものかと思いますが、こんな"語学馬鹿"のやり方も何かの助けとなるかと記す次第。

ちなみに、いきなりビジネス書なんて難しい!と思われる方、内容、トピックでレベル差は当然ありますが、実はお堅い実用書は、文学作品のような比喩や形容詞などによる装飾が少なく、また語彙も限定的であるので、子供向けのものより、かえって読みやすいです。それにビジネスをされている方なら、すぐに現場で使える語彙が豊富ですしね。( でも、結局のところは"自分が本当に読みたいものを読む"のが一番でしょうか。続かなければ意味がないですからね ) 

とんだ語学馬鹿のつぶやきになりましたが、ベトナム語である程度読めるようになると、ベトナムはまだ本が安いですから、書籍代の節約にもなり、今は一石三鳥な状況でもあります。また昨今のベトナムの出版業界は若い世代が精力的にビジネス書や各国の文学作品など翻訳を出していますから、そちらもなかなかに注目です。

ハノイのPhố Sách(ブックストリート)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?