関西の目で見る関東の人たち

縁あって関東に引っ越してから5年以上経つが、40年弱かけて培った関西センスなど早々変わるものではない(※知り合いがいない引きこもりだからという可能性も大いにある)

些末な所では、未だに関東の人たちのコート姿に慣れない。電車に乗ったら黒以外の上着をほぼ見たことないんですが。私ですか?ええ、ピンクと黄色しか持ってないですね…。関西ではオバちゃんの上着はピンク、エンジ、紫や草色、とにかく明るめの色味こそが完全なるジャスティス。特に冬の上着に関しては関東と関西で圧倒的な色彩感覚の違いを感じている。

もちろん関西でも黒い上着の人はゼロではない。しかし私の脳裏に浮かぶ黒い上着と言えば、クソ寒い田んぼのあぜ道を、素肌にダウンベスト一枚を軽やかにまとった、野生のレーザーラモンのようなオッサンの姿が鮮やかすぎて他の記憶が霞む。なんかわからんけど暑いのか寒いのかどっちなんや。

コート以外で慣れない事といえば、「面白い」と感じる部分の違いだろうか。私は関西人のくせに昔からお笑い番組を全く見ないのだが、関東ローカルの新春演芸会(のようなもの)をテレビで見る機会があった。色んな人たちが舞台に出て漫才やら寸劇??をしていると、どの人たちも、出し物の途中でいきなり舞台を去っていくように見えたのだ。これには思わず「え??放送事故…?」と口に出た。見てる観客がツッコミを入れてオチをつけるってネタなら新しすぎるやろ。未だにどういう対応をするのがお作法なのかがわかっていない。

ラジオでも「朝から爆笑しました」等の投稿が聞こえてくるのだが、え?そんなに爆笑するほどのポイントがあったっけ…?己の投稿を採用されたいが為の社交辞令なのか、あえて大きめの表現をする事で相手に対する敬意を示すのか、マジでそう思っているのかがマジでわからない。マジでマジで。

こんななので、私の「今の相手の言葉をそのまま受け取っていいのだろうか…」という戸惑いが相手に伝わらないわけはない。果たして私に親しい関東の知り合いができる日はくるのか。

しかも4歳のフルパワー息子はすでに私が安全に御することができないから、夫が公園などの社交場に行ってくれているので、関東文化への理解が深まるのはまだまだ先になりそうだ。

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