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SNSでは同業者の勘違いが一番恐ろしいという話

こんばんは、にゃ〜でございます。
最近、SNSではカテゴリを「底辺にゃ〜」としておりますのでご了承ください。

さて、昔炎上したお話をちょこっとしてみましょう。

炎上しちゃった裏側のお話

コロナ禍前のキラキラ時代…

当時、今と同じく「3ヶ月でWebデザイナーになろう!」とか「オンラインのみでプロになれる!」とかいうスクールがやんややんやと湧き出始めておりました。しかも、その頃はまだ「Webデザイナー」という響き自体が一体何を指しているのか?わかっていない層へ向けてのキラキラスクール(?)というのが生まれ始めでした。

私の知人のアラサーアラフィフ女性陣もそろそろSNSに首を突っ込みはじめ「よくわからないけどとにかくスキマ時間にカフェラテ片手に月に何十万円も副収入が得られるすごい楽しそうな仕事があるっぽい!」という、今だと「おいおい」と全方向から突っ込みを入れられそうな勘違いをしていた人がぞくぞくと出てきては「そういえば、あなたもその仕事してたよね?私もやりたいんだけどー」と、久々のメールや電話がその出だしでうんざりし始めていた頃でもありました。

あまり頻繁に会ってなかった知人からの久々の連絡が「あなたの仕事を自分も隙間時間でやりたいから、やり方を教えて」というものばかりになり、かなり嫌気がさして「自分、会社員デスカラ」で済ましていたのですが、ある時からちょこちょこと副業(※同業種)で仕事を始めたことがその知人のうちの誰かにバレてしまい、さらにイケイケゴーゴーの方から猛プッシュされ始めたのもこの頃でした。

彼女たちの多くは「専業主婦」だったり「定時に終わり、ボーナスも福利厚生もきっちりついている優良企業で事務部門で役職持ち」だったりと、属性はバラバラでしたが、やはり時間があるアラフォー女性は強い。
何度ごまかしても「教えて〜」という連絡が来ておりました。
そして困ったことに、この層は無下に断るとどんな悪評が仲間内に広まるかがわからないという危険さもあり(もちろん、本当に仲の良い方々はそんなことする人はいません。ちょっとだけ知り合い程度の方が一番怖い)・・・。

きっかけは「押し負け」から

ある日、とうとう「PCも買って、Webのコミュニティに入ってPhotoshopの勉強を始めた!」という人が現れてしまいました。

嫌な予感は続くもので、その人から直接プッシュが始まってしまったのです。

「個人で仕事をしているなら、どれか私にも分けてほしい」

私も当時(いや、今も変わりませんが)からそれほど活発に営業活動をしているわけでもなく、キャパオーバーになるような仕事量も持っておらず。なにしろ副業です、月に1回あるかないかのご依頼ですし、そもそもWebサイト制作のような金額でもない紙媒体の小さなお仕事。
渡せる仕事もない上、聞いてみれば「Photoshopの勉強」という。

実際問題、DTP系でPhotoshopオンリーで仕事をする場面は少ないような気もします。どちらかといえばIllustratorの方を使いこなせるところまでは行ってほしい。たとえば、印刷用データを作れなくても、こちらの指示する内容を把握して対応できるレベル。

それらを滔々と説明してようやく、彼女はこう言いました。

「Illustratorを勉強したら、仕事をくれる?」

確証はできませんし、私も仕事を沢山しているわけでもない。そもそも、他人にお願いできるボリュームもなければ予算もかなり割安(当時は副業なので値段を限りなく下げて武者修行という体でほぼAdobe代稼ぐためくらいの感覚)で受けていました。
その名残の継続でのご依頼がほとんどだったため、結構お安い金額でしか受けていなかったのです。

やってきた悪魔の囁き

そうこうしているうち、1ヶ月が経過しました。
その例の彼女をAさんとしましょう。
Aさんからお茶のお誘いが来ました。

知人たちが集まると聞いていたのででかけてみたところ、その場にいたのはAさんのみ。彼女は自分の作ったポートフォリオ(A4用紙1枚)を見せてきました。

「Illustratorを習得して、仕事もできる準備になったので、仕事がほしい」

さすがの押しです。彼女なら自分で営業をかけたら仕事の1本や2本、取ってこれるのではないでしょうか?と思うじゃないですか。
ところが、Aさん。実は「知り合いには積極的(すぎる)なのに、初対面の人とは会話もしたくない」性分。

安くしか受けてないという話を再度するが、何をどうしても帰してくれない勢いで押せ押せが続きます。
根負けした私は、その時引き受て作成中だった「小さな4頁冊子」のうち、1コーナーの「とても簡単な地図部分」だけを依頼することになりました。もちろんご依頼主さんには了承を取っています。費用は私が受注した中から払うし、原稿作成からデータのチェック等の保証は完全に私が請け負うという条件でした。

そもそも、8割ほど進んでたんでそれ以外をお願いすることすらも不可能でした。

Aさんでも1時間もあれば作れそうなものでしたので、確か1.5時間分として「1500円くらいしか支払えないですよ」と伝えたところ、Aさん大喜びで受注したいとのこと。お茶の場だったし知り合いだったので、契約書等はかわさず口約束でしたが、その後、約束内容とデータの作り方から形式から注意すべきことまでの手順を含めた資料と原稿のメールは送っておきました。

やはりのフラグ実行!

さて、それから1週間。何も音沙汰がありません。
あれほどの勢いなので、帰宅後すぐにでも取り掛かるか?と思っていたのに何もこない。

怖くなってメールを1本送ってみると「忙しかった、これから取り掛かる」とのこと。もうじきも迫っているので、できれば3日以内にはほしいことを伝えると、途端にAさん激怒。

「自分も忙しいし予定が入っている。それを考えてほしい」

えー・・・だったらこっちで作ったほうが早いので、今回は見送る?と聞いてみるも「仕事を受けたから、もう返したくない」とのことで。
だったら締め切り目安予定の1週間でデータくだされ・・・。

ということで、3日後。
やはりなんの連絡も来ない。
おかしい、おかしすぎる・・・ということで再びメール。
返事がないので電話を掛ける。
やっと出たAさん「明日には送れるからもうすこし待ってほしい」と。

なお、私が作るとなると5分くらいでできそうな気がする簡易なものでした。で、これだけかかっているということは・・・おそらくデータは私がまるごと作り直しコースな気がしたので、ひとまず電話を置いてすぐに作りました。

2分でできました(爆

やっと届いたが・・・

そしてさらに翌日も連絡なしでその翌日にようやくデータが届きました。

jpegで。
低解像度で。

あれ?条件にもaiで、って書いてたのに。
Aさん曰く「やり方が分からなかった」とのこと。
aiをjpeg書き出しした?と聞いても要領を得ず。もしかしたらPhotoshopで作っちゃった可能性もなきにしもあらずだろうなぁ〜と思いつつ、まぁ仕方がないのでそれを受け取った。指摘すると怒り始めそうなのでそっと・・・。

色合いはそれに合わせて、結局は自分で作ったものを使うことになりました。申し訳ないなぁとは思うものの、ここまで待たせた挙げ句なのでこればかりは使えないものは使えないのでね。

そしてAさんからもう一通届いたメールには、請求書が添付されておりました。請求書だけは早かった。

[制作料金として、18,000円+消費税を請求します]

ん?
え?
ええええ?
えええええええええええ?

いや、もう私が言っちゃったから、勉強代と思って1500円はお支払いするつもりでしたよ。うん。どこから18,000円になっちゃったの?ていうか、それ支払ったらこの冊子の制作費用全部吹っ飛ぶじゃん。

どんな計算!?

再度、Aさんに問い合わせる。

「一日4時間、それの3日分だから1,500円×12時間で18,000円よ」

ん?時給計算!?
いや申し訳ないけど、これは1件で1500円っていう依頼だよ。

「でも私は時間をかけて作ったし、デザイナーは自分の技術を安売りして値引きしちゃだめだってコミュニティーの●●さんも言ってたから!」

誰ですか●●さん、余計なこと言わないでください。
どこに時給計算するって書いてたのよ依頼文に。そして、なんで使い方が分からなくて、しかも要件外のデータ納品されて、使えなかったのにお金は払うって言ってるのに変な計算で上乗せされるのはおかしいと思わない?

と言ったところ、口で負ける。めっちゃ負ける。

「デザインの仕事って、かなり値段高く取ってるんでしょ!何をケチってるの!!」

払えないものは払えない。
そんな高額でお仕事請けてない。
データが要求していたものと違って使えなかった件は伝えた。

「自分が得意なのはPhotoshopだから」

何かがズレている。
●●さんの教えですか?やめてください本当にその教え。
さらに暴言吐かれたりしたので、それからAさんとは連絡取っておりませんです、ハイ。

そして勃発した愚痴ツイートが炎上

まぁそんなこんなで、結局当初のお金はお支払いしたわけですが。
愚痴ツイートをちらっとしたんですね。フェイクを壮大に入れて。

「他の人に頼むからもういいよ!」

この一文を見た同業者達(フォロワーさんではない通りすがりの方々)から、めちゃくちゃ叩かれたりブロックされたり、ブロックした上で悪口を書かれたりしました。

「外注に対しての態度がなってない」
「外注に依頼したなら『作って頂いている』という姿勢になるべきだ」
「依頼しておいて何様のつもりなんだこいつ」
「正規の料金を請求するのは外注デザイナーとして当然のことだ」
「こういう依頼主の仕事は請けてはいけない」
「お前がもういいよ、だ!」

これらが多く寄せられました。
当時は凹みました。(でもなんとなく察してくださってたフォロワーさんありがとうございました)

「外注」として依頼したわけではなく、作れないかも知れない方に無理やり頼まれてお金を払ってしまったこちらも非がありましたが、フォロー体制は整えていたし、制作に於いてのフォローとして資料も時間をかけて用意して、実践型の練習になったはずでした、本来は。でもAさんに至ってはその注意書きも全く読んでくれず、依頼内容を全うできていない状態でかつ、当初の約束を大幅に超えた請求をしてきて、最後はこちらに暴言はいたわけです。それでも「作って頂いている」と認識していたのでしょうか、SNSの彼らは。

もちろん、私が発注した方々には伝わっていると思いますが、外注としてお手伝いくださった方にはきちんとフォローもしますしお支払いも自分の取り分が減ったとしてもきっちりさせて頂いています。
法外な要求が来たので愚痴ってしまったのですが、真逆に受け取る人々がいるのもSNSだというのを知りました。

その頃にブロックしてきた方でまだ残っている方は少ないようですが、それでも「あまり深い部分を読めないタイプのデザイナーさんなんだな」と思うようにして、そっ閉じして時が流れました。

あれから数年経ちまして。
Aさんは全くそちらの道は選ばずにいるようです。
そしてまた、なぜか雨後の筍のように「簡単に/スキマ時間で」系の講座もでてきたようです。今は「AIを使えば誰にでも!」がくっついちゃいましたかね?

制作業は今後、AIの浸透でどうなっていくかはわかりません。
それでも、制作業の大半は「お客様のケアとフォロー」が大切な接客業であることは確かです。何をどうしたいのか、キーワードすら出せないお客様もいらっしゃって、そういった場合はいくらAIでも最適なものを勝手に制作したりはできません。雰囲気から察して、先回りして内容を聞き出すというのはまだもう少しの間は人間のデザイナー(ディレクター)の役割であるような気がします。

ということで。

あれから、勉強を終えた!くらいの方ならまだしも「いまやろうと思ってる」という知人からの「仕事分けて!」は応じておりませんですのでご了承くださいませ。知人各位。

記事を読んで「コンビニコーヒーでも1杯おごってあげよう!」と思った方はサポート頂けると嬉しいです♪ ※高額はやめてくださいね。あくまでもコーヒー代の足しにさせていただければこれ幸いです(笑