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ついに、ヴィーノサローネのロゴが完成

Vol.010
ZOOMを介して、デザイナーのTさんと2度目に会ったのは3月28日。ロゴのアイディアを詰め込んだPDFがメールに添付されていました。
ざっと全体に目を通すと、ドキッとするようなラフが何点も。初対面で確認した言葉、“イタリアのクラシックな雰囲気”“レトロモダン”“線の強弱”“シンプル”“ブルーノ・ムナーリ的遊び心”……、のイメージが表れていました。
 
Tさんは、一つひとつ、ロゴづくりの手がかりを丁寧に説明。
僕らの世代では思い浮かべにくい次世代の感覚が、どのラフにも沁み込む。デザインの裏づけを聞いていると、今後、どんどんクオリティが上がる気がしてきました。
 
3度目に会ったのは、たっぷりと期間をおいた4月25日。そして、27日と続く。
前回の打ち合わせで選んだ数点のラフから形を整えたロゴのほか、イラスト調のロゴもあり、これには意表を突かれました。

ヴィーノサローネのイメージカラーは、オレンジ系。Tさんが選んだ微妙な調子と彩度が異なるグラデーションは、ワインを通して、なんとも豊かな気持ちになる色の提案です。
 
ロゴ周りの材料がそろい、ひとつの方向に動き出したこの段階からが、ロゴ完成に向けての醍醐味です。そして、別の角度からとらえたTさんの解釈がユニークで、しばし考察の時間。ロゴを基にして雑談をはじめました。
 
言葉を交わすなかで、気づきがあった。
アイディアのひとつ、フリーハンドで表現したロゴは、いまの時代感をとらえた、のびのびとした自由な感覚。それを、コンピュータ上で仕上げていくとどうなるのか、気になる。次に展開する価値が十分にあると感じました。
 
一方で、フリーハンドのロゴは、一見格好いいように見えるけど、なにかの名作の一部を引用するほうが強く印象に残るのではないか……、と思えてきたのです。僕たちが気がつかないうちに、膨大な情報から刷り込まれた名作は、一種のサブリミナル効果がありそう。今回は、”シンプルかつレトロモダン”な雰囲気を目指したため、フリーハンドのロゴはボツとしました。
 
5月16日。いよいよ1点に絞り込んだロゴの細部を詰める最終段階。なんとこのタイミングで、Tさんから新たな提案がありました。
 
新たな提案とは、絞り込んだロゴからさらに形が整理され、説得力が増していました。ワインに必要不可欠なふたつの要素、ボトルとグラスの形状を重ね合わせコンセプトで、修正すべき箇所も見事に馴染み、鮮やかなスタイルに昇華させたのです。
 
微調整を終えた5月23日。ヴィーノサローネのロゴは決まりました。
これです!

イタリア語のキャッチは、「イタリアワインの”本質”にであう」。
ヴィーノサローネのテーマです。

次回の“ディアリオ ヴィーノサローネ”に続きます。


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