眠眠スネークの東京サバイバル
２０２４年１月２９～２月４日

　月曜、今月のカード支払い分が引き落とされ口座の残高がゼロになった。寒すぎる。
　年が変わり有休が補充され今マックス４０日となってる。辞める前にどんどん使いたいが理由もなく休めないな。「この日お休みもらっていいですか」と言う勇気が中々出ない社会人生活１７年やった。真面目か。
　僕は親の介護や子供の行事もなくその上馬鹿で元気なので休むことがない。必ず取らなきゃいけない計画有休や、休日出勤の振り替えなどがちょこちょこあればそれで足りるのよ。捨てられた有休が何百あることか。勿体ない。
　休むということに抵抗があるのは古い教育のせいか。心と体と生活環境に病みがなかったのは幸いやけど、社会人にも皆勤賞の金一封くらいあっていいやんと今になって思うね。社会のルールや保障が様々な人に平等に充実すればするほどそれは僕にとっての不平等やった。少なくともこれまでは。大人の元気って疎まれるのは何故よ。
　ただもうここからはどうでもいいわ。どんな些細なことでもいいから休む理由を探す日々。もう誰にも止められはしない。いや仕事探せってか。

　大量に買ってた菜の花がそろそろ傷みそうなので全てお浸しにする。また卑怯やけどかしわと一緒に。
　漬け汁は家に余ってた適当な出汁ポーションと醤油とみりんで作ったがうまくいったかわからない。煮切った時に味を見るも冷めた後やお浸しにした後が想像できない。ちょっとみりんが強い気がした。この量失敗したらショックやで。でもどうしていいのかわからないのでもう菜の花浸け冷蔵庫で寝かせ明日確認する。美味しくなぁれと念ずるしかない。
　この日の退勤後、食堂でたまたま後輩の星矢とばったり会い「サバイバル日記読んでますよ」と言われ嬉しかった。リアルで言われるとモチベーションも上がる。

　火曜、先週買った東海林さだおを読む。彼はコンビニのセルフおでんが好きとのことやが。
「まるで金魚すくいだ」なんやそれ。
「おツユをタプタプまで注ぐとおツユ泥棒として通報されるんじゃないかとレジで冷や冷やした」と。
　絶対嘘や。
　思い付いたことなんでも書きゃいいってもんじゃない。下らなさ過ぎる発想力とそれを書いてしまうハードルの低さに呆れた。エッセイのネタにするならば、おツユなんてどうせ無料なんだからと入れまくったら怒られた、がギリでしょ。
　セルフおでんを金魚すくいに例えてしまうような学級新聞クラスの低クオリティが仕事になるんやから羨ましい。さだおは文章の人じゃなくイラストの人なのかな。読む気失せたので眠眠堂に出す。

　僕音楽活動してた頃から独自ドメイン取って自分のホームページを作ってきたがここへ来て急に維持費が高騰していて引いてる。年間５千円程度やったのが一気に倍に。今年もしぶしぶ払った。使わないと勿体ない。
　菜の花のお浸しは実際最高に美味しく仕上がってた。わからんもんや。熱い時と冷たい時で相当変わる。味濃くなってるのを心配してたのにちょうど良かった。ばくばく食べた。

　水曜、先日病院の血液検査でアレルギーの有無を判定してもらったが、ダニとハウスダストがほんの少しあっただけで花粉症等の症状はほぼ見られず。僕の鼻炎は単純に粘膜が敏感なだけという結果やった。アレルギー反応ではなく刺激に弱いだけ。毎朝出社時に涙を拭っているのも冬の冷気に耐えられないだけで人生に絶望しているわけではない。魂が震えているのよ寒さで。魂に火をつけろ。
　夜スーパーで買い物してるとビーズのファイヤーボールが流れてきて鳥肌立った。Ａメロとサビが全く同じメロディやのにちょっと転調するだけであんなにサビがサビらしく痺れるんやから面白い。
　最後の「メーーイク！」というイナバの叫びに吹き出した。子供の頃はこんなに面白い曲とは思いもしなかったな。

　豚の白モツが安くなってたので買ってきてモツカレーを作ったよ。にんにくと生姜とでまずじっくり炒めたがどうやら火が強く生姜を焦がしてしまった。案外にんにく以上に厄介な苦みで後で取り除くのが大変やった。以後気を付けよう。
　野菜は新玉とジャガイモ。カレー粉は家にあるものを様々混ぜる。ただ僕の好きなグリーンカレーの素少々とココナッツミルクと練乳は必ず入れるのでそれで辛味と甘みは十分。完成したのは深夜。一晩寝かせる。

　１月が終了した。家計簿から支出をざっくり書き出す。
　食費が６万。
　禁酒してるのに何故だか飲み代が７万。
　これは今回特別でもある医療費が２万（酒豪伝説代含む）。
　家賃７万。保険１万。その他趣味費や生活費が５万。
　結局大幅な赤字である。手取りがミジンコなので支出を抑えるしかないのにどうしてこうなるのか。おかしいよ。毎日楽しいよ。
　ただ真冬に電気代１８００円、ガス代２５００円という光熱費の安さは我ながらよく頑張ってる。電力会社と暖房器具と日々の消費電力推移を研究し節約してきた成果が結実してきて嬉しく思う。



　木曜、色々考えたが、支出を抑えたところで未来はない気がした。僕は貧乏学生ではない。飲み代が目立ってはいるがこの年齢で月２８万の支出なんて大したことないでしょ。仮に子供がいたりしたら尚更。禁酒は勿論続けるが今やるべきことは収入源を探すこと以外にないはず。
　ということでこの度古本酒場眠眠堂を立ち上げることに。
　この日はホタルイカとアボガドのバター炒めを作ったよ。
　味を調え完成したモツカレーにもソテーした茄子とまいたけをトッピング。絶品なので皆食べに来てください。

　金曜勇気出して有休。休みやと言っているのにブラザーＭ瀬さんから朝８時に着信で起こされる。出るかい、気分悪い。チャットで「なんすか」と聞くと「寝てるかなと思って」とのこと。寝てるわ！デリカシーはどこいった。
　仕方ないので起き上がりちょっと仕事する。どうして休みの日のしかも定時前に働かなあかんねん。そこまで急ぎでもなかった作業を１時間で終わらせた。１０時で良かったやろ１０時でよ。おかげでこの日一日中眠かったわ。
　流石に料理し過ぎなので夜は近所の飲み屋へ行く。人の料理も美味いが、高い。

　土曜、昼はカレーの残りを平らげた。夜はかぶと芽キャベツをじっくりソテーし柚子胡椒を混ぜたコンビーフと共にいただく。かぶはまた火を入れ過ぎてしまったな。大根と思うなかれ、これは茄子や。トロトロになりすぎるとちょっと美味しくない。またリベンジしないと。芽キャベツは相変わらずどう調理しても旨いな。
　あと青森県産のにんにくが安かったので初めて購入しペペロンを作ってみた。国産は優しい味や。イタリアンパセリも買ってみたがしっかり青臭かった。僕には鼻がないので正直にんにくもパセリもなんでもいいや。何はともあれ変わらず至高。

　日曜、マスクトディーヴァに大金突っ込んでなくてホント良かったと思った東京新聞杯。眠眠書く気全く起きず呪物コレクターの人のYOUTUBEをひたすら見続けた。
　古本酒場を名乗るからには壁一面を古本で埋め尽くしたくなるがあまり仰々しい本棚はもう置きたくないのよ。地震も怖いし。引っ越す時大変やし。簡易的な本棚をどうにか作れないかと色々試行錯誤する。和室なのでみかん箱でいいような気もしてきたな。一箱古本市みたく。

　一月が終わり年始の仕事も落ち着き、僕が長年抱えてきた業務も７割方引き継ぎが終わったと思う。鼻の手術が終われば退職する。そろそろ上司達とスケジュール決めていかないといけないな。
　今は今で相当自由が利くしかなり気楽に働かせてもらってるがそれは長年勤めてきたからこそのボーナスタイム。これを手放すのは勿体ない気もするが未来に希望を感じているので恐れずやり切るしかない。
　僕は無駄に後悔ばかりする人間やけど時には自分の直感で動き、ある程度のエラーや失敗は受け入れることも大切なのかと思った一週間。
　何事も楽しむことだけは自信があるが、夢中になりすぎる自分をすぐ自制したり省みる癖が僕にはある。損得勘定のし過ぎで軟弱になってる自分に気付かされたのよ。
　もう少しタフネスでいたいが、どうすればいいのか。運動して体力付ければ何か変わるのか。眠眠。