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石の故郷

 先日、『三つの石で地球がわかる』を読んでから、私の周りに「石」が姿をよく現す。

 昨日、2ヶ月に一度くらいのペースで開催されている、小さなハガキくらいの布に絵を描くサークルのような集まりがあった。もう2年以上、通っているか。

 そこで私は、いつも布に絵を描いて、額に入れて飾ったりしているのだが、昨日は「石」が現れた。主催の友人が「海から拾ってきた石」だった。

 ひんやりした楕円形の、ざらざらしつつもすべすべしている角のない石を、ゆっくり手に取ってみる。裏返したり、逆さまにしたり、重さを感じたり、そこにどんな絵、どんな色が浮かび上がってくるか、しばし感じてみる。

 なかなか、絵が浮かび上がってこない。

 この石は、どんな石?何を表す?

 ようやく、あ、と思うテーマを感じる。

「石のふるさと」

 この石はどこから来たのだろう?こんなに角が取れて綺麗になるには、どれだけの旅をし、どれだけの年月がかかったのだろう?そんなことを思い、石の表面に、遠く山から流れる川、を描いてみた。どこかわからない、渓谷。転がりながら流されてくる一つの石。

 不思議な出会い、である。数えきれない星の数ほどある石ころ。その中のたった一つ。

 私は石の名前、地質学的な専門用語を知らない。この石が、なんという石なのかも分からない。いつか誰かに聞く機会があれば、知ることができるだろうか。

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