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苺苺苺苺


いちご柄といえば、チェリーやリボンなどと並ぶガーリーモチーフの王道。子供の頃よりなぜか今、心くすぐられています。

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といっても、いい大人なので「かわいいものを目につくところで持たない」というのが独自ルール。ホームグッズや小物類でいちご柄を見つけたときだけ、こっそり収集しています。でも、片っ端から買うのではなく、洗練されたものをこだわって集めているつもり。これらは、そんな秘密のいちごコレクションの一部です。
いちばん新しいのが、ミュベールのいちごコースター。

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かわいい……! 使うのがもったいない!
今のうちにスペアも買っておかないと、キャス・キッドソンのバスタオルやATSUKI ONISHIのハンカチのように、買えなくなって後悔するかも……と葛藤中です。ふたつとも、愛していただけにすっかり古びてしまって、もう手に入らない今は切ないかぎり。

ところで、いちご柄っていつからあるのでしょう?

アパレルで見ると、甘い女の子服の代表・シャーリーテンプルの場合は、90年代後半からフルーツ柄が爆発的に売れるようになり、なかでも多く作ってきたのがいちごとチェリーなのだそう(『別冊spoon. 100%シャーリーテンプルブック』より)。「実の赤色が華やか」と解説されていますが、確かにほかのフルーツより目を引く理由はそこなのでしょう。
雑貨の世界では、60年代に絹製品の販売会社・山梨シルクセンターがいちご柄の雑貨を売り出して大ブレイク。それがサンリオ創設のきっかけになったのだそうです(そういえば私のファーストいちごグッズは、いちごの王様のビーチボールでした)。

でも、60年代にいちご柄の雑貨を作ったということは、その頃にはすでに「いちごはかわいい」という概念が存在していたということですよね。
ならば、いつから、どうして、いちごはかわいいのか……。

しばらく首をひねっていましたが、そういえば清少納言が『枕草子』で「かわいい子がいちごを食べているのはかわいい」的なことを一千年前には言っているから、もはやいちごがかわいいのは後付けの概念ではなく、原理的にかわいいのだという結論を出しました。いちごは偉大。

ちなみに、いちごのかわいさは大きさと関係があると思うのですよね。
『ゴシップガール』の第2シーズンで、セリーナがチョコがけのいちごを食べるシーンがあるのですが、そのいちごがぎょっとするほど大きくて!

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拾い画で恐縮ですが、伝わるでしょうか? 干し柿くらいあるの(笑)
ここまで大きいともはや怖いし、味も大味なのではという気が……。
個人的には、いちごの大きさはショートケーキの飾りくらいまでをボーダーラインとしたいかも。
というのも、いちごのかわいさとは「可憐さ」「あどけなさ」だと思うからです。
いちごとよく似ているチェリーのかわいさは、ちょっぴりセクシーな感じ。たとえば、女の子の横にフルーツを添えたイラストがあったとして、横に描いてあるのがいちごだったらロリータ風、チェリーだったら小悪魔的な女の子に見えるのでは? アメリカンチェリーのようにダークな色合いになれば、もはや大人が持っていても抵抗感がないほどでしょう。

だから、いちごはやっぱり少女たちのもの。これからも、大人はこっそり愛でるのにとどめておきます。

さて、最後にこの記事のタイトルについてのお話を。
大島弓子作『綿の国星』のなかに、「苺苺苺苺バイバイマイマイ」というエピソードタイトルがあって、この呪文のようなフレーズはどういう意味なのか、ずっと不思議に思っていました。
それを今回思い出して、初めて調べてみたところ、「苺苺」と書いて「ばいばい/まいまい」と読むのだそうです。意味は、草木がさかんに生い茂ること。見開きいっぱいに描かれた竹林や野原などが印象的な、大島弓子さんらしいワードかもしれません。

夢見る少女たちが、やがて夢から起こされるときが訪れたとしても。胸の奥に生い茂る、ストロベリーフィールズよ永遠なれ。









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